角川ホラー文庫全部読む

全部読めるといいですね。おすすめ作品等はリストから

★★

  それなりに楽しめたが、個人的な好みとは微妙に外れていた作品。

魔性の瞳が秘められた憎悪を暴く。全体的な説得力不足が惜しい一作-『私のクラスの生徒が、一晩で24人死にました。』

『私のクラスの生徒が、一晩で24人死にました。』 日向奈くらら/2017年/320ページ 二年C組の問題の多さには、呆れますね―教頭の言葉が突き刺さる。また私のクラスの生徒が行方不明になった。これでもう4人だ。私はその失踪にあの子が関係しているのではな…

袋とじで原作と異なる結末が明らかになる! 映画を観た方が早い気もするが…-『映画版 黒い家』

『映画版 黒い家』 原作:貴志祐介 脚本:大森寿美男/1999年/173ページ 生命保険制度と現代日本の抱える根源的な病理に迫った傑作サイコ・サスペンス『黒い家』を「39刑法第三十九条」でも森田芳光監督とコンビを組んだ気鋭の脚本家・大森寿美男がシナリオ…

遊び半分のお見合いに鉄槌を! 黒幕の理解しがたい行動に困惑させられる珍作-『お見合い』

『お見合い』 吉村達也/2001年/262ページ 大好きな史也と結婚する前に、一度だけ「お見合い」というものをしてみたい。満たされた恋で幸せな毎日を送る滝真由子にとって、それは余裕の気持ちが産み出したほんの遊び心。恋人の史也も、笑って賛成してくれた…

最後までホラー要素が皆無なので逆に驚愕するSM官能小説-『わたしの調教師』

『わたしの調教師』 大石圭/2015年/256ページ 生真面目な女子大生の水沢琴音は、青年実業家・白石周平の秘書のアルバイトを始めた。琴音は優しく無邪気な周平に惹かれ、やがて愛人になる。そして初めての夜、周平は言った―「君を性的に調教したい」。戸惑…

『ジョジョ』ばりにハイテンションな混成種のセリフのみが頭に残る凡作-『混成種 -HYBRID-』

『混成種 -HYBRID-』 カシュウ・タツミ/1994年/293ページ それは、天才が生み出した一つの発明から始まった…。学界から異端視されている黒田博士の発明「金属植物」は、画期的であるにもかかわらず、学界やマスコミから全く相手にされなかった。―なんとか…

トレンディでナウいアベックが怪奇事件を雰囲気で解決!-『怪奇博物館』

『怪奇博物館』 赤川次郎/1997年/365ページ 「狼男、ね…」私は、首を振った「変身したんですって?」「それは知らないけど…」と哲平は肩をすくめて、ベッドサイドテーブルの上のタバコに手を伸した。「ベッドの中じゃ喫わないって約束よ」「あ、ごめん―つい…

芸能界の闇を暴くのは、神の光と母の愛。なんだそりゃ???-『タスケテ…』

『タスケテ…』 島村洋子/2002年/189ページ 人気アイドル、橘リリカのスタンドイン(替え玉)として暮らす藤村しのぶ。彼女もまた、芸能界の頂点に立つことを夢見た少女だった。そんなしのぶの過去を知らないリリカは、無邪気に彼女の心を逆撫でしていく…。嫉…

日常に怪異を引き寄せてしまった女たち。オチは弱めだがそれなりに読ませる-『ジェラシー 恐怖を喚ぶ六人の女』

『ジェラシー 恐怖を喚ぶ六人の女』 鎌田敏夫/1994年/243ページ 友達との待ち合わせ、奈美はひとりバアで待っていた。他の客が皆、私を見ている。初めて入ったバアなのに…。孤独や不安が波に襲いかかる。恋人の心変わりに激した女の仕組んだ罠とは? 女心…

さりげない日常に恐怖をもたらす女たち。やや玉石混淆な短編集-『ルージュ 恐怖を運ぶ六人の女』

『ルージュ 恐怖を運ぶ六人の女』 鎌田敏夫/1993年/247ページ 季節はずれの別荘で、ひとり男を待つ女。何者かが彼女に忍び寄る。孤独、不安、男への疑い、人生への後悔。彼女を追いつめ、つき動かしたものは何か?拭い去る事のできない凌辱の記憶。抑えきれ…

遺産相続のため一族が集まった豪邸で殺人が! テンプレ展開に終始して盛り上がりイマイチ-『闇の影』

『闇の影』 竹河聖/1995年/274ページ 小曾根圭子は祖母の兄である柳沢泰造の遺産相続のため、他の親族と共に孤島に呼び集められた。圭子は島に向かう船の中で、得体の知れない黒いものを、目撃する。島に渡ってからも、それは続いた…。そして遺産をあてに…

マイナスの気を絶って神に近づこう! 後半大失速するプロパガンダホラー-『ボルネオホテル』

『ボルネオホテル』 景山民夫/1993年/330ページ 小さな島に建つ古いホテルに泊まり合わせることになった九人の男女。吹き荒れる嵐が橋を奪い、通信の手段もない。館は完全に外界から閉ざされてしまった。――そして、最悪の夜が始まった。邪悪な霊が、プール…

原作とはまったく異なるテレビ版。展開は悪くないが間延び感アリ-『着信アリ テレビドラマ版』

『着信アリ テレビドラマ版』 大石哲也/高山直也(脚本)、蒔田陽平(ノベライズ)、秋元康(原作)/2005年/302ページ 未来の自分から、携帯電話に「死の着信」を受けた人間が、次々と死亡するという怪事件が発生する。その謎を追う雑誌記者・由美は、自分の母…

『妖怪ウォッチ』制作会社による幻の未発売作品がなぜか小説化-『うしろ ふきげんな死神。』

『うしろ ふきげんな死神。』 後藤リウ/2014年/224ページ 「おまえの命と引き換えに、願いをひとつ叶えてやろう」高校生の西崎七名子が校舎の屋上で出会ったのは、ふつうの人には見えないはずの「死神」だった。うしろ―宇城霊一郎と名乗るその死神は、不思…

クライマックスに向け収束に向かいつつも、いつも通りのほのぼの展開は変わらず-『幽落町おばけ駄菓子屋 星月夜の彼岸花』

『幽落町おばけ駄菓子屋 星月夜の彼岸花』 蒼月海里/2016年/208ページ 夏休みを持て余していた御城彼方は、水脈や真夜と一緒に湘南の海に出かける。しかし、水脈の目的は江の島に来ている忍に会う事だった。忍となぜか一緒にいた朱詩と合流した彼方たちは…

新顔の妖怪たちが続々登場、すっかり日常モノの小話に-『幽落町おばけ駄菓子屋 夕涼みの蝉時雨』

『幽落町おばけ駄菓子屋 夕涼みの蝉時雨』 蒼月海里/2016年/208ページ 大学生の御城彼方は、あの世とこの世の境界に存在する幽落町に下宿し、駄菓子屋“水無月堂”の店主で大家でもある水脈さんとアヤカシたちの憂いを解決する日々。ある日、駄菓子屋の用心…

贖罪のため善行を積む黒づくめ医師&元人間の鬼コンビの余話がイイ感じ-『幽落町おばけ駄菓子屋 晴天に舞う鯉のぼり』

『幽落町おばけ駄菓子屋 晴天に舞う鯉のぼり』 蒼月海里/2016年/202ページ 御城彼方は、大学2年生になった。生身の人間ながら、人ならざるものが住む常世の町「幽落町」に下宿して、2年目の春。のんびりキャンパスを歩いていたら、突然ハーレーに乗った都…

連続殺人をワインで強引解決! ソムリエ向け(?)非ホラーミステリ-『悪魔のワイン』

『悪魔のワイン』 和田はつ子/2006年/215ページ 第一の殺人現場には、血痕がついたブドウ畑の絵葉書が遺されていた。第二の殺人は、毒入りワインによるものだった。そして第三の殺人では、被害者の頭部が切断され、ワインで煮込まれていた。次々に起きる連…

謎解き部分は少々無理があるが、新解釈されたアヤカシたちが魅力的なシリーズ-『幽落町おばけ駄菓子屋 思い出めぐりの幻灯機』

『幽落町おばけ駄菓子屋 思い出めぐりの幻灯機』 蒼月海里/2014年/205ページ 東京の有楽町と間違えて、おばけの町―幽落町に引っ越した僕・御城彼方。生身の人間なのに“あの世”と“この世”の中間の不安定な存在として、この町で1年間暮らさなければならなく…

妖怪が棲む町を舞台に、心温まる謎解き物語。スレたホラー読者にはヌルいかも-『幽落町おばけ駄菓子屋』

『幽落町おばけ駄菓子屋』 蒼月海里/2014年/205ページ このたび晴れて大学生となり、独り暮らしを始めることになった僕―御城彼方が紹介された物件は、東京都狭間区幽落町の古いアパートだった。地図に載らないそこは、妖怪が跋扈し幽霊がさまよう不思議な…

ストーリーが凡庸なためノベライズ化しても面白みがイマイチ。シリーズの停滞期-『ソウ5 ―SAW5』

『ソウ5 ―SAW5』 行川渉(著)、パトリック・メルトン、マーカス・ダンスタン(原案)/2008年/237ページ 九死に一生を得て助かったFBI捜査官ストラムは、傷一つ負わずにゲームからサヴァイバルしてきたホフマン刑事こそジグソウの後継者ではないかと疑う。しか…

他人の家庭事情から垣間見える漆黒。小説2編は傑作だが、コミック7編の印象がイマイチ薄め『ワイドショー』

『ワイドショー 内田春菊ホラー傑作選』 内田春菊/2004年/236ページ 気がつくと、ワイドショーを見ていないのは私だけだった。「なんで見ないの?」と訝しがられるがそれって、そんなに変なことなの?遊びに行った恋人の家にも、ワイドショーを見る母親が。…

強引極まりないデスゲーム。壮大なオチとゲーム内容との釣り合いが…-『放課後デッド×アライブ』

『放課後デッド×アライブ』 藤ダリオ/2012年/320ページ 「あなたたちはアセンションされました。これから、命をかけたゲームをやってもらいます」クラスで忘年会をしていた高校3年生の啓太たちは、突然不気味な仮面の人物によって体育館に監禁される。ここ…

映画にもない描写や脚本家自らの解説など、資料としては貴重な一冊-『映画版脚本集 リング リング2』

『映画版脚本集 リング リング2』 原作:鈴木光司、脚本:高橋洋/1999年/301ページ ちまたに頻発する原因不明の突然死。呪いが込められたビデオテープの存在は都市の人々の間に急速に広まって…。映画「リング」とその最悪の続編として、さらなる恐怖をフィ…

よくあるタイプの末代まで祟る怨念話をテンポよく描くノベライズ。サクっと読めはするが…-『怪談』

『怪談』 行川渉(箸)、三遊亭円朝(原作)、奥寺佐渡子(脚本)/2007年/189ページ 放蕩三昧の藩士、深見新左衛門は、借金の督促に訪れた皆川宗悦を酒の勢いで斬り捨て、遺体を下総の累ケ淵へ沈めてしまう。やがて新左衛門は宗悦の怨念にとりつかれ、錯乱…

異常世界で異常人物が異常言動を繰り広げ、怪談どころじゃなくなってるホラーコメディ-『怪談撲滅委員会 幽霊の正体見たり枯尾花』

『怪談撲滅委員会 幽霊の正体見たり枯尾花』 黒史郎/2014年/342ページ 超ド級の怖がり・大神澪は、事情により七不思議ならぬ“二十一の怪談”がある白首第四高校に入学してしまった。友達も作らず怪談を避ける日々を過ごしていたが、突然、破天荒な不良・雲…

掲載誌がやや変わり種の未収録作品12編。読み応えある解説が13編目?-『13の幻視鏡』

『13の幻視鏡』 吉村達也/2013年/211ページ 純子が体験した“血の凍るような恐怖”。それが起こったのは、深夜のタクシー乗り場だった。残業後、ひとりタクシーを待っていると背後から…(「HEY!TAXI!」)、ヨセミテ国立公園の断崖から身を投げようと決意した城…

世紀末予言がことごとく大ハズれしたことを知った身で読むと味わい深い一冊-『千年世紀末の大予言』

『千年世紀末の大予言』 桐生操/1996年/224ページ ヨハネやノストラダムスなど、数多の大予言者たちが説いてきた“世界の終末”は、なぜか偶然のごとく、今世紀末に集中している。偉大な大予言者たちは、もう何百年も前から、この千年世紀末に訪れるであろう…

怪事件の犯人は、正体不明の物の怪だった! …で終わる仰天ミステリ-『血ぬられた鏡像』

『赤かぶ検事奮戦記 血ぬられた鏡像』 和久峻三/1993年/177ページ 赤かぶ検事の相棒ともいうべき行天燎子警部補が、殺人事件の容疑者として取調べを受けた。彼女に瓜二つの制服姿の婦警が、若い女性を残虐に殺害したのだ。身に覚えのない彼女は赤かぶ検事…

よくある悪霊モノかと思いきや、正体不明の大いなる禁忌が黒幕。面白いのはそこだけ-『オトシモノ』

『オトシモノ』 福澤徹三/2006年/198ページ 駅でオトシモノの定期券を拾った人々が、次々と行方不明になる事件が発生した。戻ってきた彼らは、見るも恐ろしい異形の姿になっているという。大人たちが固く口を閉ざす中、ヤエコという名の女性の霊が関係して…

お手本のようにシンプルなデスゲーム。それ以上でもそれ以下でもなし-『出口なし』

『出口なし』 藤ダリオ/2010年/304ページ 完全な密室に拉致された男女5人。机の上には1台のPC。残された酸素は12時間。制限時間までにマスターから出題されるクイズに答え、ゲームに勝ってここから脱出せよ。間違えれば即刻死が待っている―!不条理な極限状…