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クライマックスに向かいつつも、いつも通りのほのぼの展開は変わらず-『幽落町おばけ駄菓子屋 星月夜の彼岸花』

『幽落町おばけ駄菓子屋 星月夜の彼岸花』

蒼月海里/2016年/208ページ

夏休みを持て余していた御城彼方は、水脈や真夜と一緒に湘南の海に出かける。しかし、水脈の目的は江の島に来ている忍に会う事だった。忍となぜか一緒にいた朱詩と合流した彼方たちは、江の島の岩屋へと五頭龍を訪ねる船の中で「海坊主」の噂を耳にする。五頭龍も多発する水難事故を憂えて、一行に真相究明を依頼する。彼方の将来への思い、都築の生い立ちの謎と決着…。大人気のシリーズはいよいよクライマックスへ!

(「BOOK」データベースより)

 

 シリーズも終盤。都築に関するエピソードが決着を見せるほか、巻末には設定資料を収録している。

 「第一話 りゅうのすみか」では、五頭龍に会うため江の島の岩屋まで向かう一行。しらす丼を食べたりしつつ、海坊主事件を解決したりする。ホント、うまい具合におなじみの観光スポットを抑えてくる。「第二話 なつかしいばしょ」ではブリキの金魚のおもちゃに憑いた霊の最後の心残りを晴らすため、霊の思い出を頼りに桜餅を探すお話。「第三話 おわりのはなし」では、都築とその弟・隼人をめぐる一族の呪いの元凶が明らかになり、完全なハッピーエンドで解決する。

 主人公・彼方の進路についての話も少しずつ進み、物語がまとめに近づいているのを感じる。とは言え特に緊迫した雰囲気はなく、平常運転なのがこのシリーズらしいところ。

★★☆(2.5

 

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