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『奇妙な味の菜館 現代ホラー傑作選第6集』 阿刀田高(編)/1996年/395ページ こってりとした奇妙な味わい。逸品揃いの恐怖のメニューを、とくとご賞味あれ。収録作品志賀直哉「剃刀」芥川龍之介「さまよえる猶太人」横溝正史「あかずの間」結城昌治「惨事」中島敦「…
『幽霊詐欺師ミチヲ3 時計仕掛けのファンタスマゴリア』 黒史郎/2012年/346ページ サカキとのゲームに大勝利を収めてしまったミチヲの背中に、めでたく戻ってきたマミコ。その愛情アピールは激しさを増し、今や披露宴を夢見る乙女となっていた。そんな中、…
『パノラマ島綺譚 江戸川乱歩ベストセレクション⑥』 江戸川乱歩/2009年/219ページ 売れないもの書きの廣介は、極貧生活ながら、独特の理想郷を夢想し続けていた。彼はある日、学生時代の同窓生で自分と容姿が酷似していた大富豪・菰田が病死したことを知り…
『忍びの森』 武内涼/2011年/486ページ 時は戦国。織田の軍に妻子を殺された若き上忍・影正は、信長への復讐を誓い紀州をめざす。付き従うは右腕の朽麿呂、くノ一の詩音ら、一騎当千の七人。だが山中の荒れ寺に辿りついた彼らを異変が襲う。寺の空間が不自…
『ホーンテッド・キャンパス 死者の花嫁』 櫛木理宇/2013年/352ページ 大学生が一番ときめく季節、夏。雪越大学オカルト研究会では、夏合宿をすることに!幽霊が視える草食男子大学生・森司も、片想いの美少女こよみとのお泊まりを夢見て、試験勉強に励む日…
『人獣細工(にんじゅうざいく)』 小林泰三/1999年(復刊:2023年)/256ページ パッチワークガール。そう。私は継ぎはぎ娘。 先天性の病気が理由で、生後まもなくからブタの臓器を全身に移植され続けてきた少女・夕霞。専門医であった父の死をきっかけに、彼女…
『虜囚の犬 元家裁調査官・白石洛』 櫛木理宇/2023年/400ページ 残酷でおぞましい事件に隠された真実とは。衝撃的結末に、撃ちぬかれる。 穏やかな日常を送る、元家裁調査官の白石洛(しらいし らく)は、友人で刑事の和井田(わいだ)から、ある事件の相談を…
『逢魔宿り』 三津田信三/2023年/327ページ 雨の日には、読まないでください。 元編集者で現ホラー・ミステリ作家の「僕」のもとに、昔仕事をしたデザイナー・松尾から連絡が入った。「小説 野性時代」に連載している連作怪奇短篇について、話したいことが…
『ホーンテッド・キャンパス 桜の宵の満開の下』 櫛木理宇/2013年/344ページ 幽霊が視えてしまう体質の大学生、八神森司。その能力を生かし(?)、オカルト研究会で、美少女こよみに密かに片想い中。しかしオカ研には、恐怖の依頼が続々と、凍死寸前の男が訴…
『パンドラ 猟奇犯罪検死官石上妙子』 内藤了/2017年/336ページ 検死を行う法医学部の大学院生・石上妙子。自殺とされた少女の遺書の一部が不思議なところから発見された。妙子は違和感を持つなか、10代の少女の連続失踪事件のことを、新聞と週刊誌の記事…
『したたるものにつけられて 自選恐怖小説集』 小林恭二/2001年/237ページ ふとした出会いから日常が歪み、狂いゆく過程を静かに追う表題作「したたるものにつけられて」。ほか、伝説の女形・沢村田之助の鬼気迫る恋物語「田之助の恋」、世界の終末を描くS…
『私の骨』 高橋克彦/1997年/287ページ 実家の床下から偶然見つかった古びた壷。中には朽ち果てた人骨が詰まっていた。そして、その壷には何故か私の生年月日が記されていた。それでは…自分は、いったい誰なんだ。三十数年前の自身の揺るがざる死亡証拠を…
『拝み屋怪談 禁忌を書く』 郷内心瞳/2016年/293ページ 最期まで優しい母として逝った依頼主、忌まわしき白無垢姿の花嫁、昵懇の間柄だったひと、心に怪物を抱えた女――。四人の女性の存在と彼女たちとの顛末を中心に、現役の拝み屋が体験・見聞した最新怪…
『拝み屋怪談 逆さ稲荷』 郷内心瞳/2015年/272ページ 如何にして著者は拝み屋と成り得たのか―。入院中に探検した夜の病院で遭遇した“ノブコちゃん”。曾祖母が仏壇を拝まない理由。著者の家族が次々に出くわす白い着物の女の正体とは。霊を霊と認識していな…
『人間競馬 悪魔のギャンブル』 山田正紀/2010年/254ページ 新宿副都心。ビルとビルの隙間にわずかな時間立ち現れる古い城郭。空の高みで人間競馬に興じるガーゴイルたち。下界では、三人の男と一人の女がパドックを周回する競走馬さながらに互いを尾行し…
『お葬式』 瀬川ことび/1999年/197ページ 授業中に突然鳴り出したポケベルの電子音。あわてて見た液晶画面に表示されたメッセージは『チチキトク』。病院で、豪華なカタログをかかえてやってきた葬儀社を丁重に追い返して母は言った。「うちには先祖伝来の…
『拝み屋怪談 花嫁の家』 郷内心瞳/2022年/384ページ 「嫁いだ花嫁が3年以内にかならず死ぬ」――。 忌まわしき伝承のある東北の旧家・海上家では、過去十数代にわたり花嫁が皆若くして死に絶えていた。この家に嫁いだ女性から相談を受けた拝み屋・郷内は、…
『ホーンテッド・キャンパス 幽霊たちとチョコレート』 櫛木理宇/2013年/310ページ 幽霊が「視えてしまう」草食系大学生の八神森司。怖がりな彼がオカルト研究会に属しているのは、ひとえに片想いの美少女こよみのため。霊にとりつかれやすい彼女を見守る…
『ステーシー 少女ゾンビ再殺談』 大槻ケンヂ/2000年/191ページ 近未来。そこでは15歳から17歳の少女たちが突然原因不明の死をとげ、人間を襲う屍体・ステーシーとなって蘇える“ステーシー化現象”が蔓延していた。増え続ける彼女たちを再び殺すには165以上…
『拝み屋怪談 怪談始末』 郷内心瞳/2018年/288ページ ―「拝んで」始末した怪異を、怪談として「仕立てる」。戸の隙間からこちらを覗く痩せこけた女。怪しげな霊能者に傾倒した家族の末路。著者につきまとう謎の少女。毎年お盆に名前を呼ぶ声…。東北は宮城…
『黒魔術白魔術』 桐生操/1995年/259ページ 大災害や大事件がひんぱんに発生する世紀末のいま、世界は明らかに大変動をきたしているといえよう。その暗黒世界に対応するには、世界史上“裏の学問”として迫害され続けてきたオカルトの世界を、正しく理解する…
『異形探偵メイとリズ 燃える影』 荒川悠衛門/2022年/304ページ 漫画家を目指す高校生の秋人(しゅうと)はある晩突然、不気味な「何か」に襲われる。直後、唯一の理解者の兄が行方不明に。兄を捜すべく訪れた奇妙な探偵事務所で秋人は、奇怪な存在「異形…
『夢魔の幻獣辞典』 井上雅彦/2007年/310ページ 夢魔が紐解く辞典がある。ドラゴン、一角獣、ヒトニグサ、ケルピー、グレムリン…神話や伝説、虚構世界に息づく幻獣たちに魅入られ、憑かれた者たちの悪夢で書き綴られた闇色の手帖…。ボルヘスや澁澤龍彦らが…
『人間腸詰 夢野久作怪奇幻想傑作選』 夢野久作/2001年/413ページ 明治の末、渡米した大工のハル吉は、あるアメリカ人の屋敷に招かれる。秘密の錠前作りの依頼を断った彼が見せられた光景は、想像を絶する地獄だった…。夢と現実が妖しく交錯する幻想世界。…
『あやかしの鼓 夢野久作怪奇幻想傑作選』 夢野久作/1998年/416ページ 鼓作りの男が想い焦がれた女性へ、嫁ぐ時に贈った自作の鼓。その音色は尋常とは違い、皆を驚かせた。それは恐ろしく陰気な、けれども静かな美しい音であった…。夢と現実とが不思議に交…
『犯罪乱歩幻想』 三津田信三/2021年/336ページ “退屈病”に冒された青年が、引っ越し先の部屋で感じた異変の数々(「屋根裏の同居者」)。ある日突然届いたのは、猟奇を楽しむ、特別な倶楽部の招待状だった(「赤過ぎる部屋」)。G坂に住むミステリ作家志望の“…
『怪談稼業 侵食』 松村進吉/2018年/288ページ ―これは、まともな稼業ではない。徳島で建設業に従事しながら怪異体験談を採集し、誌面に発表してきた著者。「怪談稼業」ともいうべき生業を12年間続けるうち、いつしかいくつもの影が心を侵蝕していって…。…
『現代百物語』 岩井志麻子/2009年/224ページ 屈託のない笑顔で嘘をつく男。出会い系サイトで知り合った奇妙な女。意外な才能を見せた女刑囚。詐欺師を騙す詐欺師。元風俗嬢が恐怖する客。殺人鬼を取り押さえた刑事。観光客を陥れるツアーガイド。全身くま…
『ボクサー』 吉村達也/2010年/323ページ 男らしさが何よりの自慢だった自分の肉体が、徐々に女になっていく!ボクシング世界王者の芹沢哲が衝撃の事実に気づいたのは、タイトル防衛戦の最中だった。その奇病のために哲はボクサーの栄光と、人間としての尊…
『忌談 終(つい)』 福澤徹三/2015年/208ページ 疎遠だった祖父の葬式に出席した大学生の身体に生じた異変とは(「血縁」)。キャバクラに居た不思議な力を持つ女のその後(「霊感のある女」)。キャンプ場の木に吊るされていた奇妙なロープ(「縊死体のポ…