角川ホラー文庫全部読む

全部読めるといいですね。おすすめ作品等はリストから

★★★

  読んで損なし、読書時間に見合っただけの満足感をもたらしてくれる良作。

深く立ち込めた霧を晴らす家族愛。王道かつ理想的な大団円!-『キリノセカイ Ⅲ.目醒のウタ』

『キリノセカイ Ⅲ.目醒のウタ』 湖山真(原作:平沼正樹)/2013年/372ページ 仙堂、間山たちの調査が功を奏し、ようやく霧の正体が明らかになりはじめる。なんと長年東京を覆い続けるこの霧は、ある目的のための準備段階に過ぎなかったのだ!計画の中心人…

風刺に妖怪、海外小説。水木入門として悪くない1冊-『畏悦録 ~水木しげるの世界~』

『畏悦録 ~水木しげるの世界~ ホラーコミック傑作選 第2集』 水木しげる/1994年/361ページ 霊界の女に魅入られた男の不気味な恋の行方を描く、「終電車の女」。吸血鬼にあこがれる少年の悲劇的な結末を描いた「血太郎奇談」。 猥雑な人間界に対する鋭い…

勉強最高! 勉強第一! カルト宗教「勉教」信者の天才児たちが現代社会に牙を剥く-『警視庁超常犯罪捜査班 File♯2 勉教』

『警視庁超常犯罪捜査班 File♯2 勉教』 吉村達也/2012年/368ページ 大脳が異常発達した小学生5人が信仰する最悪の宗教、それが「勉教」。その布教活動を、絶対に止めなければならない。担任の吉野亞夜花は、その決意を元恋人に託して自殺した。しかし彼女…

幾多の怪談の中で、姿を変え何度も現れる謎の女たちの正体は?-『拝み屋念珠怪談 奈落の女』

『拝み屋念珠怪談 奈落の女』 郷内心瞳/2022年/400ページ かつての相談客・裕木が拝み屋・郷内のもとへ持ち込んだ、200話にも及ぶ生々しい怪談実話。突如校庭に現れた生首、遊びに誘いにくる死んだはずの子供。写真に写り込んだ、異様な巨体をもつ女……。奇…

この絶望的な宿命を「せつなさ炸裂!」で済ませてよいものだろうか-『記憶屋0』

『記憶屋0(ゼロ)』 織守きょうや/2019年/240ページ つらい記憶を消してくれる都市伝説の怪人「記憶屋」。それに頼ることを選んだ彼らはどんな想いを胸に抱えていたのか―。弁護士の高原は、過去の交通事故の記憶に苦しむ依頼人・美月と出会う。支え合って生…

デート先でも容赦ない怪異と、それを乗り越えるふたり。甘々か?-『ホーンテッド・キャンパス きみと惑いと菜の花と』

『ホーンテッド・キャンパス きみと惑いと菜の花と』 櫛木理宇/2016年/320ページ ついに森司がこよみとデート!?映画化もされた大ヒット作、待望の最新刊! 雪越大学 オカルト研究会に所属する、超草食系大学生の森司。しかし、奇跡は起きた。なんと、こよみ…

記憶に囚われた過去から未来へと踏み出す、前向きで爽やかな青春モノ-『記憶屋Ⅲ』

『記憶屋Ⅲ』 織守きょうや/2016年/237ページ 高校生の夏生が、4年前に巻き込まれた集団記憶喪失事件。「記憶屋」の関与を疑う新聞記者の猪瀬に頼まれ、夏生は記憶屋探しに協力していた。だが、手掛かりとして接触した料理人の男性の記憶が消えてしまい、…

不条理話に感動の結末を付けて精神的グロさが増した珍作-『恐怖の報酬』

『恐怖の報酬』 赤川次郎/2004年/311ページ 会社で、家庭で、学校で。小さな出来事をきっかけにおこる恐怖を描く作品集 昭子は庶務課に勤務するOL。伝票のミスで大切な来客の駐車場を予約しそこなったことから、恐怖の体験が始まった!日常の些細な出来事…

親友の正体は都市伝説? もうひとつの記憶屋の物語-『記憶屋Ⅱ』

『記憶屋Ⅱ』 織守きょうや/2016年/272ページ 高校生の夏生はかつて、友人達と一斉に、記憶を失うという不可解な経験をしていた。夏生を訪ねてきた猪瀬という新聞記者は、それは彼が追っている「記憶屋」の仕業だという。忘れたい記憶を消してくれる、記憶…

「忘れたい痛み」と「忘れられた痛み」がすれ違うノスタルジックホラー-『記憶屋』

『記憶屋』 織守きょうや/2015年/304ページ 大学生の遼一は、想いを寄せる先輩・杏子の夜道恐怖症を一緒に治そうとしていた。だが杏子は、忘れたい記憶を消してくれるという都市伝説の怪人「記憶屋」を探しに行き、トラウマと共に遼一のことも忘れてしまう…

得体の知れない存在が潜む蔵で始まる‟ひとり百物語”。シリーズを補完するボーナストラック-『拝み屋怪談 幽魂の蔵』

『拝み屋怪談 幽魂の蔵』 郷内心瞳/2020年/288ページ 不穏な漆黒に支配された闇の中、私は心の中で孤独な怪談語りを始めたー。古い母屋を改築した歪な蔵に現れるという“得体の知れないお化け”。お祓いと原因究明を依頼された拝み屋である著者は、「蔵の怪…

恐ろしき妖術師に物悲しき奇術師、読者を惑わす作家という魔術師たちの饗宴-『魔術師 異形アンソロジー タロット・ボックスⅡ』

『魔術師 異形アンソロジー タロット・ボックスⅡ』 井上雅彦(編)/2001年/419ページ たった今、貴方は絵札を引き当てた。これは〈魔術師〉の絵札……。と、そう言って、「博士」は、長い指で、一枚を宙に翳す。アルカナ・ナンバー「Ⅰ」、これがすべての魔術の始ま…

予言者、洗脳者、念動力者襲来! 苦悩の旅はサイキックバトルと化す-『NIGHT HEAD/邂逅』

『NIGHT HEAD/邂逅』 飯田譲治/2000年/510ページ サイコキネシス能力を持つ兄・直人とリーディング能力を備えた弟・直也は、隔離されていた超能力研究所から外の世界へと脱出した。しかし、彼らは運命の歯車の中に放り出されてしまったのだ。平成のノスト…

脳をえぐり肉を削ぐ、猟奇食人鬼の正体を文化人類学でプロファイリング!-『多重人格殺人』

『多重人格殺人(サイコキラー)』 和田はつ子/1996年/237ページ 次々と発見される女性と幼女の死体。その頭からは、脳がえぐり出され、肉がそぎ取られていた。警視庁捜査一課の女刑事水野薫は、犯行の異常性から、民間の文化人類学者と組んで、犯人の心理分…

死から蘇った司祭はキリストの再来か。完全無欠な‟奇跡”の真実は…?-『バチカン奇跡調査官 千年王国のしらべ』

『バチカン奇跡調査官 千年王国のしらべ』 藤木稟/2011年/416ページ 奇跡調査官・平賀とロベルトのもとに、バルカン半島のルノア共和国から調査依頼が舞いこむ。聖人の生まれ変わりと噂される若き司祭・アントニウスが、多くの重病人を奇跡の力で治癒した…

級友たちの不審死は殺人鬼の呪い? トンデモすれすれの超展開ミステリ-『レスト・イン・ピース 6番目の殺人鬼』

『レスト・イン・ピース 6番目の殺人鬼』 雪富千晶紀/2018年/368ページ これは〈殺人館〉の呪いなのか? 予想を覆す衝撃のラストに瞠目せよ! 大学生の友哉は、中学の同窓会に参加することに。しかし集まったメンバー達は、一様に何かに怯えていた。そんな中…

恐怖新聞の予言に抗う男がたどり着く、絶望を超えた無限の絶望!-『予言 J-HORROR THEATER』

『予言 J-HORROR THEATER』 林巧(原作:つのだじろう『恐怖新聞』)/2004年/234ページ J HORROR は、ついにここまで到達した!娘の死を予言する新聞を目にした男。それが現実になった日から想像を超えた悪夢がはじまる。念写を行う霊能力者や特殊能力をもつ…

主人公たち強過ぎ、ミスしなさ過ぎのTASノベライズだがラストは「ホラー」してて好印象-『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ SIDE B』

『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ SIDE B』 牧野修/2008年/239ページ 製薬企業、アンブレラ社の陰謀により死人がゾンビ化する世界。ラクーン市(シティ)壊滅後、新たな陰謀が、アンブレラのロシア工場にて計画されていた。アンブレラ社の計画、事…

オートスクロールのガンシューティングをゲーム性も含めて完璧にノベライズ-『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ SIDE A』

『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ SIDE A』 牧野修/2007年/268ページ 黄道特急の中でゾンビと化した乗客に襲われるレベッカとビリー。洋館で命がけの戦いを下クリスとジル。それに続くラクーン市(シティ)の壊滅。これらの事件には、すべて巨大…

周囲も自分も‟リセット”して姿を消す連続殺人鬼を追うサスペンス-『デジタルリセット』

『デジタルリセット』 秋津朗/2021年/352ページ 第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉受賞作! 許すのは5回まで。次は即リセット――。理想の環境を求めるその男は、自らの基準にそぐわない人間や動物を殺しては、別の土地で新たな人生を始める「リセ…

ひたすら奇怪で淫猥、非常に人を選ぶホラー小説大賞受賞作-『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』

『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』 あせごのまん/2005年/196ページ クリクリとよく動く尻に目を射られ、そっと後をつけた女は、同級生服部ヒロシの姉、サトさんだった。ヒロシなら、すぐ帰ってくるよ―。風呂に入っていけと勧められた鍵和田の見たも…

いろいろアレだった原作映画を補完する、優秀なノベライズ。必読!-『バイオハザードⅢ』

『バイオハザードⅢ』 キース・R・A・デカンディード(著)、富永和子(訳)/2007年/382ページ T・ウイルスの感染により、世界はアンデッドで埋め尽くされた砂漠と化す。アリスはアンブレラ社に監視衛星で追跡・コントロールされていることを知り、仲間たちから離れ…

そびえたつ象徴、破滅の凶兆…アンソロジーの名手が編む13本の恐怖-『塔の物語 異形アンソロジー タロット・ボックスⅠ』

『塔の物語 異形アンソロジー タロット・ボックスⅠ』 井上雅彦(編)/2000年/305ページ 私は、今ここに、少年の日の密かなる愉しみを再現しようとしているのかもしれない。タロット・カードを創ろうというのである。テラー博士よろしく、オムニバスの物語を…

自ら呪われて強引に祓う「祟られ屋」がギリシャ神話由来の呪いと激突!-『祟られ屋・黒染十字 その呪い、引き受けます』

『祟られ屋・黒染十字 その呪い、引き受けます』 敷島シキ/2020年/288ページ お人よしカウンセラー・白崎の元に痩せ細った女性患者がやってきた。ところが助言に激昂した彼女は呪いの言葉を残し去る。夜、ふと目を覚ました白崎が見たのは、床を蛇のように…

霊感ゼロの紙芝居中年と、霊感教師の微妙で絶妙な関係性が良し-『なぞとき紙芝居 思い出の幽霊』

『なぞとき紙芝居 思い出の幽霊』 中村ふみ/2015年/240ページ 高校生の木崎奏が近ごろ親しくなった年上の友人・御劔耕助は、物語を考え、絵を描き、自分で上演する紙芝居屋だ。ただし観客のニーズに応じないバッドエンド仕様が祟って、まったく商売にはな…

ビンゴが揃えば列の全員が死ぬ! ビンゴとホラーの合わせ技、だいたい滑る説-『ビンゴ』

『ビンゴ』 吉村達也/2005年/562ページ 東北の小さな高校で一人の女子生徒が首を吊った。黒板には、誰が書いたか席割りと同じ5×5のビンゴの図。その中央が彼女の席だった。森に響き渡る「リーチ!」「ビンゴ!」の声。そして、恐怖が始まった。 (Amazon…

首切り道化師の伝説と、教会で起きる奇跡が超アクロバティックに結びつく!-『バチカン奇跡調査官 闇の黄金』

『バチカン奇跡調査官 闇の黄金』 藤木稟/2011年/320ページ イタリアの小村の教会から申告された『奇跡』の調査に赴いた美貌の天才科学者・平賀と、古文書・暗号解読のエキスパート、ロベルト。彼らがそこで遭遇したのは、教会に角笛が鳴り響き虹色の光に…

恨みと呪いがもたらす自縄自縛! 長編「紅グモ」に傑作「ダリの男」ほかを収録-『こわい本4 呪縛』

『こわい本4 呪縛』 楳図かずお/2021年/368ページ これは呪いか、愛か――あなたを捕らえて離さない楳図かずおの恐怖譚 人の身体に巣食う恐ろしい蜘蛛に捕らわれた、美しい姉妹が味わう恐怖を描く「紅グモ」。すべて競い合ってきた兄弟の憎悪の深さに震撼す…

そんなに謎解きも紙芝居もしていないのに、やたらと面白いのは作者の筆力ゆえか-『なぞとき紙芝居』

『なぞとき紙芝居』 中村ふみ/2015年/256ページ 高校生の木崎奏が出会ったのは、職業も風体もどこか浮世離れした御劔耕助という男。常に和服で丸眼鏡、紙芝居屋を自称し、喫茶店“ひがな”の地下室で昭和レトロな品々に囲まれて暮らす謎多き人物だ。観客のニ…

キワモノ揃いの超能力捜査班の活躍を上回る、スーパー総理大臣無双!-『ミステリオ 警視庁超常犯罪捜査班 File#1』

『ミステリオ 警視庁超常犯罪捜査班 File#1』 吉村達也/2011年/304ページ 厳戒態勢の首相官邸で、史上初の殺人事件が発生した。被害者はなんと官房長官!犯行予告をしたのは、眼球を失った女性が死体で見つかる連続猟奇事件の犯人。なぜ双方の事件がつなが…