角川ホラー文庫全部読む

全部読めるといいですね。おすすめ作品等はリストから

シリーズ

吸血鬼の主と忠実な執事の、愛憎渦巻く関係性にスポットを当てた耽美ホラー-『夜の紅薔薇 ヴェネツィア・ヴァンパイア・サーガ』

『夜の紅薔薇 ヴェネツィア・ヴァンパイア・サーガ』 篠田真由美/2019年/301ページ 世界が災厄に見舞われた後のヴェネツィアで、少年ヒカルは不思議な力を持つ美少年と出会った。菫色の眸を持つ彼の名はアナスタシオ――闇の聖天使。彼は300年の時を生き…

穢れた水の都を守護る吸血美青年と、天照らす力を持つ少年の邂逅!-『闇の聖天使 ヴェネツィア・ヴァンパイア・サーガ』

『闇の聖天使 ヴェネツィア・ヴァンパイア・サーガ』 篠田真由美/2018年/336ページ 1999年、世界は数々の怪奇現象に見舞われていた。東京直下大地震を生き延びた少年ヒカルは、ヴェネツィアに流れ着く。瀕死の彼を救ったのは、アラブ系らしい彫り深い…

「らしさ」を出しつつストレートな怖さを追求する、ホラーマエストロ6人の競演-『慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー』

『慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー』 有栖川有栖、北沢陶、背筋、櫛木理宇、貴志祐介、恩田陸/2024年/336ページ 主役級にこわおもしろいホラー、6作品! 角川ホラー文庫30周年を記念し、最大の恐怖を詰め込んだアンソロジー、待望の第3弾。有栖川有栖×霧…

人体どろどろなんでも溶かす、脳喰いアメーバの侵攻を食い止めろ!-『アポピスの復活 微生物研究室特任教授・坂口信』

『アポピスの復活 微生物研究室特任教授・坂口信』 内藤了/2024年/272ページ ”人喰いの怪物”、全国に感染拡大! 「微生物研究×ホラー」戦慄の第2弾 ドロドロに液体化した男性の遺体の一部が都内で発見された。死亡したのは坂口の友人・古屋教授。現場からは…

テロ組織のゾンビ・ウイルス爆弾に65歳のおじいちゃん教授はどう立ち向かう!?-『メデューサの首 微生物研究室特任教授・坂口信』

『メデューサの首 微生物研究室特任教授・坂口信』 内藤了/2024年/336ページ 女刑事×微生物学者のタッグがテロリスト集団を追う、驚愕のサスペンス! 微生物研究者の坂口信は、恩師が遺したウイルスを大学の保管庫で発見する。それはインフルエンザの感染…

咲き乱れるは彼岸花ではなく百合の花。大失敗ゲームの原作にしてノイズまみれの怪作ミステリ-『彼岸花』

『彼岸花』 長坂秀佳/2000年/479ページ 何者かに誘われるように晩秋の京都に出かけた、女子大生の有沙、融、菜つみは偶然、新幹線の中で知り合い、すっかり意気投合する。楽しい旅行のはずだったが、やがて3人は身の毛もよだつ恐怖に、次々と襲われる。追…

少女妖鬼の終わりなき旅路。文章の一行一行が染み入る和風ファンタジーの傑作-『皐月鬼』

『皐月鬼』 田中青蛙/2010年/224ページ “火の山”への旅から戻った妖鬼の皐月と魂追いの少年縁は、再び村で暮らし始めるが、縁は行く先も告げず、ふらりと遠出することが多くなった。あることがきっかけで、一緒に暮らすことになった河童の子ネネは、なぜか…

連続バラバラ殺人の‟欠片”から完成したパズルが、ただ1つの真実を指し示す…!-『PUZZLE 東京駅おもてうら交番・堀北恵平』

『PUZZLE 東京駅おもてうら交番・堀北恵平』 内藤了/2020年/336ページ 年の瀬が迫り、慌ただしくなる東京駅。新人女性警察官の恵平は、置き引き犯からスーツケースを押収する。中には切断された男性の胸部がー翌日から、都内各所で遺体の一部が次々に発見…

因習村で埋蔵金探し! 襲い来る悪意と人の業をかき消す青春模様-『ホーンテッド・キャンパス 墓守は笑わない』

『ホーンテッド・キャンパス 墓守は笑わない』 櫛木理宇/2018年/304ページ 「宝探しに行こう!」黒沼部長の号令で、キャンピングカーを借り山間の集落へ旅にでた、オカルト研究会一同。草食系大学生の森司は、片想いのこよみと狭い車内でドキドキの連続。…

魔女関係なさすぎるよ! どうなってんの!?-『魔女調伏師は闇に笑う 禁忌の魔術』

『魔女調伏師は闇に笑う 禁忌の魔術』 篠原美季/2016年/272ページ 金髪碧眼の美青年・理人は、現代にも存在する「魔女」の悪事を取り締まる魔女調伏師だ。行方不明の前任者の足取りをつかんだ理人は、旧友で臨床心理士の玲李を誘い、長崎の離れ島へ調査に…

金髪碧眼の魔女退治専門家が、一介の刑事にネチネチ厭味を言い放つオカルトミステリ-『魔女調伏師は闇に笑う』

『魔女調伏師(ヘクセンバナー)は闇に笑う』 篠原美季/2016年/258ページ ニコラス・理人・リューディガーは金髪碧眼の美青年。見た目は異国の王子様だが、中身は傲岸不遜な“魔女の専門家”だ。旧友の臨床心理士・都月玲李を訪ねたリヒトは、レイがある殺人事…

幾たびの試練を経て、超能力兄弟が救世主になるまでの物語。もうちっとだけ続くんじゃ-『NIGHT HEAD/未来』

『NIGHT HEAD/未来』 飯田譲治/2000年/668ページ 双海芳紀の肉体が崩壊し、意識の力で霧原兄弟に伝えた謎の言葉「ミサキデマツ」。その言葉は何を意味するのか?一方、ARKの奥原晶子は桐華高校に通う天元早紀枝に近づく。早紀枝は自分の感情をまわりに…

レギュラー陣の過去を深掘りするエピソード。短編集としても◎-『バチカン奇跡調査官 天使と悪魔のゲーム』

『バチカン奇跡調査官 天使と悪魔のゲーム』 藤木稟/2012年/288ページ 奇跡調査官の初仕事を終えた平賀は、ある少年と面会することに。彼は知能指数測定不能の天才児だが、暇にあかせて独自に生物兵器を開発するなど危険行為を繰り返し、現在はバチカン情…

宿敵のアジトへと向かう探偵一行! 最終決戦にふさわしいアクション活劇-『死相学探偵 最後の事件』

『死相学探偵 最後の事件』 三津田信三/2021年/432ページ 黒術師の居所を突き止めるべく奔走する黒捜課のメンバーと俊一郎たちは、候補地の1つである孤島に渡った。見晴らし台を備える元別荘で待ち受けていたのは、どこか言動が奇妙なスタッフと、人数分…

超能力者養成機関で起きる呪殺事件。オカルト対決を制するのは意外過ぎる人物!-『九孔の罠 死相学探偵7』

『九孔の罠 死相学探偵7』 三津田信三/2019年/288ページ 黒術師の右腕とついに直接対決!シリーズはいよいよ佳境へ! 超能力者を極秘で養成するダークマター研究所。そこでは、経費削減のため、成長が見込めない「年長組」の一部リストラが囁かれていた。そ…

異界に遭難したバスツアー客たちを襲う影! 正体は妖怪か殺人鬼か、それとも…!?-『八獄の界 死相学探偵6』

『八獄の界 死相学探偵6』 三津田信三/2016年/368ページ 黒術師を崇拝する者たちがいる。黒い欲望を持った人々を犯罪へいざなう、恐るべき呪術の使い手・“黒術師”。黒捜課の曲矢刑事から、黒術師が崇拝者を集めたバスツアーを主催すると聞かされた俊一郎は…

幽霊屋敷の交霊会調査のはずが、オカルトSFの全開の壮大なる野望にたどり着く!-『バチカン奇跡調査官 ラプラスの悪魔』

『バチカン奇跡調査官 ラプラスの悪魔』 藤木稟/2012年/416ページ アメリカ次期大統領候補の若き議員が、教会で眩い光に打たれ謎の死をとげた。議員には死霊が憑いていたとの話もあり、事態を重く見た政府はバチカンに調査を依頼。平賀とロベルトは、旧知…

複雑怪奇な黄道十二宮アスペクト殺人。幾重ものギミックが読者を襲う!-『十二の贄 死相学探偵5』

『十二の贄 死相学探偵5』 三津田信三/2015年/384ページ 中学生の悠真は、莫大な資産を持つ大面グループの総帥・幸子に引き取られた。7人の異母兄姉と5人の叔父・叔母との同居生活は平和に営まれたが、幸子が死亡し、不可解な遺言状が見つかって状況は一…

5つの凶器が巻き起こすホラー芸術展の惨劇。犯人当てはシリーズ最難級!-『五骨の刃 死相学探偵4』

『五骨の刃 死相学探偵4』 三津田信三/2014年/336ページ 怖いもの好きの管徳代と峰岸柚璃亜は、惨劇の現場“無辺館”に忍び込む。そこは約半年前に、5種類の凶器による残忍な無差別連続殺人事件が起こった場所だった。館で2人を襲う、暗闇からの視線、意味…

パーツを剥ぎ取り理想の女体を造る外法、‟六蠱の軀”を行う猟奇犯を追え!-『六蠱の軀 死相学探偵3』

『六蠱の軀 死相学探偵3』 三津田信三/2010年/304ページ 志津香はマスコミに勤めるOL。顔立ちは普通だが「美乳」の持ち主だ。最近会社からの帰宅途中に、薄気味悪い視線を感じるようになった。振り向いても、怪しい人は誰もいない。折しも東京で猟奇殺人…

奇妙な連続溺死事件を追う刑事。禍々しき幽霊の‟叫び”が禁断の過去を呼び覚ます-『叫』

『叫(さけび)』 林巧/2007年/207ページ 東京湾岸埋め立て地で発生した死体遺棄事件を担当する刑事・吉岡は奇妙な感覚にとらわれていた。現場に残されたボタン、遺体の手首に残るロープの跡、すべてが奇妙な既視感を伴っている。おれは、何かを知っているの…

真っ暗な部屋の隅から隅へ歩くうち、招かれざる「もう1人」が現れる。死相もたらす魔の正体は?-『四隅の魔 死相学探偵2』

『四隅の魔 死相学探偵2』 三津田信三/2009年/352ページ 城北大学に編入して“月光荘”の寮生となった入埜転子は、怪談会の主催をメインとするサークル“百怪倶楽部”に入部した。怪談に興味のない転子だったが寮長の戸村が部長を兼ねており居心地は良かった。…

最強最悪のヴィランにやり込められたまま終わる最終巻。だが…?-『ラスト・メメント 兵士と死』

『ラスト・メメント 兵士と死』 鈴木麻純/2013年/287ページ お節介な写真家の卵・彩乃の誘いで、便利屋のバイトをすることになった和泉。老婦人の遺品整理を頼まれた先で、死を嫌悪する葬儀社の男・透吾と絵画蒐集のライバル・貴士に出くわす。故人の娘と…

死の影を視る探偵が、豪邸で起きた連続怪死事件に挑む。シリーズの1作目として完璧!-『十三の呪 死相学探偵1』

『十三の呪 死相学探偵1』 三津田信三/2008年/346ページ 幼少の頃から、人間に取り憑いた不吉な死の影が視える弦矢俊一郎。その能力を“売り”にして東京の神保町に構えた探偵事務所に、最初の依頼人がやってきた。アイドル顔負けの容姿をもつ紗綾香。IT系…

呪禁師一族の宿命を友情・絆・恋のパワーで乗り越える熱血(?)ジュブナイル-『山内くんの呪禁の夏。夏の夕べに約束を』

『山内くんの呪禁の夏。夏の夕べに約束を』 二宮酒匂/2016年/240ページ 呪禁師の少女・紺によって、この世ならぬものが見える目にされてしまった山内くん。彼に呪いをかけた少年・青丹との対立や、自身の血の秘密といった出来事を経て、暑く長い夏が終わろ…

不幸体質の少年が過ごす、オカルトで甘酸っぱい夏休み。王道展開と癖のあるキャラが魅力-『山内くんの呪禁の夏。』

『山内くんの呪禁の夏。』 二宮酒匂/2016年/232ページ 小学六年生の山内くんは生まれもっての災難体質。昔そんな彼にお守りをくれたのは、口から火を吹く不思議な子・紺だった。「おまえに見せてやるよ。あっち側の世界を。隠り世を」紺と再会した山内くん…

グロテスクな精神と感情が肉体を蝕む、哀しき異形に暗い感動を覚える1冊-『こわい本8 異形2』

『こわい本8 異形2』 楳図かずお/2021年/352ページ この肉体の変異は、もう誰にも止められない。 千年後には地球が海に覆われ、人類は魚の姿になり生き延びる――予言を裏付けるかのように、エラや鱗、水かきを持った姿に 変貌していく青年の姿に戦慄す る「…

シリーズ傑作巻! あの手この手で心の闇を描く作者の手腕に見惚れる-『こわい本7 闇』

『こわい本7 闇』 楳図かずお/2021年/384ページ 夫婦や恋人など、それぞれの人間が持つ内面の深い闇――。心の中はいつも闇 人間の内面に存在する「闇」をテーマに収録。「闇のアルバム」全24話はブラック・ユーモアやSF、ファンタジーなどオムニバス形式の…

ちぎれる手足! もげる首! ひときわバイオレンスな作品が集う-『こわい本6 怪物』

『こわい本6 怪物』 楳図かずお/2021年/368ページ 孤独な破壊者か、 未来を創造する救世主か? 生命をコントロールすることに取り憑かれた博士が創り出した怪物――破壊と暴力に満ちた一夜を描く「恐怖人間」。海辺の村で出会った少年と幼い怪獣が友情を育む…

プロファイリングが示すたった1つの矛盾。FBI帰りの心理分析官vs猟奇殺人犯-『心理分析官』

『心理分析官』 和田はつ子/1998年/301ページ アメリカでFBI研修を終えようとしていた警視庁専属心理分析官・加山知子に至急帰国の命令が届く。捜査が難航する連続殺人事件のためだ。捜査権を与えられた知子は、妊婦を狙う残虐な手口の殺人犯を心理分析…