角川ホラー文庫全部読む

全部読めるといいですね。

シリーズ

食品偽装、家族の認知症、早すぎた埋葬…恐怖の質が生々しすぎる厭話シリーズ第4弾-『忌談4』

『忌談4』 福澤徹三/2015年/208ページ 誰もが知る有名ブランドショップで封印された怪異(「九つの御守り」)。凄惨な事故現場、押し潰された車体から発見されたのは(「手」)。吐き気を催す食品偽装の実態(「よだれ肉と注水牛肉」)。SMバーで知りあった女の…

頼もしくもわかりやすい仲間が続々集合。オーソドックスな異世界冒険譚になったが物足りなさは否めない-『戦争大臣Ⅱ 天鵞絨の死』

『戦争大臣Ⅱ 天鵞絨の死(ベルベット・デス)』 遠藤徹/2011年/269ページ 叛乱組織「蟻」のリーダー、フレイムは寛一の恋人・つみきだった。彼女の一言で自分を取り戻し、現実に戻った寛一。本の世界と呼応するように歪む世界を前にして、寛一はスナークとし…

シリーズ中ではヌルめの入門編だが、エグい話も粒ぞろい。生々しい家族の悪意に慄然-『無惨百物語 ておくれ』

『無惨百物語 ておくれ』 黒木あるじ/2015年/288ページ 火葬場の煙をビニール袋に入れて遊ぶ幼い息子。特種清掃員の自宅を訪れた老人の霊。最終便のバスに乗ると決まって現れる和服姿の母に似た女…。この世ならざるモノに出会い、常識では理解不可能な事象…

伝説のオカルト廃墟スポット「山の牧場」後日談を含む、建物にまつわる実話怪談-『怪談狩り 禍々しい家』

『怪談狩り 禍々しい家』 中山市朗/2017年/256ページ 怪奇蒐集家・中山市朗が狩り集めた戦慄の建物怪談。人の気配がない角部屋から聞こえる妙に大きな生活音、引っ越し先で見つけた不気味なビデオテープ、誰もいない子ども部屋で突然鳴りだすおもちゃの音…

うしろ、うしろ、うしろ、うしろ、うしろ、うしろ、うしろ、うしろ-『うしろ』

『うしろ』 倉阪鬼一郎/2007年/365ページ それは奇妙なマンションだった。女性専用で、セキュリティは万全、一見何の問題も無いように見える。だが、常に観察していれば気づくだろう、ここでは妙に人が入れ替わることに。そして、出て行く者の顔は必ず恐怖…

「シリーズものは巻数を重ねるごとに質が落ちる」と作者がボヤき始める第3弾-『忌談3』

『忌談3』 福澤徹三/2014年/208ページ 社内で起きた盗難事件、深夜に現場を撮影したビデオは封印された(「持ち禁」)。売れないキャバ嬢を大金でホテルに誘った客の正体は?(「実験」)。なぜかからみを厭がるAV女優、監督は撮影を強行したが…(「雨女」)。サ…

怪作ぞろいの曲者作家がラノベを書くと、何故か週刊少年チャンピオンの雰囲気に-『戦争大臣 I 嘲笑する虐殺者』

『戦争大臣 I 嘲笑する虐殺者(ニーズヘッグ)』 遠藤徹/2011年/331ページ 地球儀から消された国は、世界に宣戦布国する。致死性ウイルスが死の嵐を招いた世界。国家Jは患者の隔離所にされるが、憎悪を糧に生き延びた。ウイルスを克服した英雄は戦争大臣を…

記憶術と深層プロファイリングで人体切り取り魔の正体を暴け!-『CUT 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』

『CUT 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』 内藤了/2015年/400ページ 廃屋で見つかった5人の女性の死体。そのどれもが身体の一部を切り取られ、激しく損壊していた。被害者の身元を調べた八王子西署の藤堂比奈子は、彼女たちが若くて色白でストーカーに悩んでいた…

夏の怪談より他の季節の方が怖い。意外にエゲつない話多めの怪談歳時記-『怪談狩り 四季異聞録』

『怪談狩り 四季異聞録』 中山市朗/2017年/320ページ 「怖い怪談は、夏だけのものではない」と断言する怪異蒐集家・中山市朗が、四季折々の行事や情景を織り交ぜながら綴る怪談集。毎年3月3日の朝に天井からバサリと落ちてくる異様なモノ、真夏のキャンプ…

なんちゃって帝都を舞台に、美男美女とからくりメイドが魔物退治。記者ならちゃんと取材して!-『帝都月光伝 Memory of the Clock』

『帝都月光伝 Memory of the Clock』 司月透/2011年/278ページ 魑魅魍魎の跋扈する帝都・東京。自ら命を絶った男が死後、幽鬼となって、横恋慕した女のもとを夜な夜な訪れ、ついには何処かへ攫ってゆく―…らしい。そんな謎の「神隠し事件」を追う弱小出版社…

「一番怖いのは人間」パターンを実話怪談でやってしまった焦土作戦。新境地には違いない-『忌談2』

『忌談2』 福澤徹三/2014年/191ページ 夜な夜なマンションの上の部屋から聞こえる電車の音の正体は(「電車の音」)。就活に悩む女子大生が遭遇した恐怖の体験(「最終面接」)。新米ホストが店からあてがわれた寮の部屋は、なぜか2DKだった(「過去のある部屋…

怖ければ怪奇現象でなくてもOK、 ひたすら厭な話だけを集めた実話集-『忌談』

『忌談』 福澤徹三/2013年/192ページ 上の階に住む同僚の部屋からもれてくる奇妙な物音を聞いたソープ嬢(「水音」)。とんでもなく怖い映像を見てしまったビデオ店店員(「裏ビデオ」)。会う度に顔の変わるキャバクラ嬢(「変貌」)。必ず“出る”から絶対プレイ…

濃いキャラ続出、グロ描写も盛り盛りの猟奇ミステリ。お手本のようなエンタメ作品-『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』

『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』 内藤了/2014年/270ページ 奇妙で凄惨な自死事件が続いた。被害者たちは、かつて自分が行った殺人と同じ手口で命を絶っていく。誰かが彼らを遠隔操作して、自殺に見せかけて殺しているのか?新人刑事の藤堂比奈子らは事件…

出どころ不明ながらも、猛烈で純然たる悪意。心冷える実話怪談集-『怪談狩り 市朗百物語 赤い顔』

『怪談狩り 市朗百物語 赤い顔』 中山市朗/2017年/255ページ 怪談蒐集家・中山市朗が満を持して放つ、本当に怖い話だけを厳選した百物語、第二弾。逆さに連なる首を切られたカラスの死骸、お札を貼られた井戸に潜むモノ、誰もいないはずの学校に現れる赤い…

ある時は家族の闇をえげつなく暴き、ある時はなんちゃって怪談で脱力させる。実話怪談集の忌み子シリーズ-『無惨百物語 みちづれ』

『無惨百物語 みちづれ』 黒木あるじ/2016年/273ページ “怪異”は、私たちの日常のかたわらに潜んでいる。携帯電話に登録されていた見知らぬ連絡先。不審死が連続するアパートの一室。浴槽の下に落ちていた古びた人形。神社に奉納されていた黒い絵馬。遊園…

「怪談の語り手」としての体験が活かされた実話怪談集。イヤさは折り紙付き-『怪談狩り 市朗百物語』

『怪談狩り 市朗百物語』 中山市朗/2016年/268ページ 「新耳袋」シリーズの著者・中山市朗が、現実世界の歪みから滲みだす恐怖と、拭いきれない違和感を狩り集める。モニターのノイズの中に映りこんだ拝む老女、六甲山を取材中にテレビのロケ隊が目撃した…

映画作りと青春とハサミ少女の夏。せっかく温まってきたのに最終巻とは…-『夏風モノクローム ハサミ少女と追想フィルム』

『夏風モノクローム ハサミ少女と追想フィルム』 佐島佑/2015年/291ページ 道郎の通う帝陽美術大学の上空に突如、カラスの大群が現れた。教室で映画撮影の稽古をしていた道郎は、ホラー映画から飛び出してきた謎の少女・カルミンとともに解決に乗り出すが…

ホラー映画から出てきた美少女が冴えない大学生と幽霊退治。怖さゼロ!-『ハサミ少女と追想フィルム』

『ハサミ少女と追想フィルム』 佐島佑/2014年/323ページ 美術大学に入学した内気な男子、道郎は、おかしな先輩・桧垣に誘われてホラー映画を作ることに。桧垣に渡されたホラー映画を見ていると、なんと画面から、大ハサミを持った少女が飛び出してきた!カ…

現代の不安と病理を取り込み、怪異はどこまでも力を増す。超興奮の超エンタメ-『ぼぎわんが、来る』

『ぼぎわんが、来る』 澤村伊智/2018年/384ページ “あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。それ以降、秀樹の周囲で起こる部下の原因不明の怪我や不気味な電話などの怪異。…