角川ホラー文庫全部読む

ホラー小説のレビューブログ。全部読めるといいですね

角川ホラー文庫リスト(1993/04~2026/2)

随時更新中。抜け・ミス等あればご指摘ください。レビューを書いた作品はタイトル部分にリンクを貼っています。刊行月ごと、著者・編者名五十音順(海外作品は別枠)で掲載。新装版・復刻版はタイトル・内容等、大幅に変更があった場合のみ別途掲載していま…

人知を超えた異形がもたらすのは破滅か、創世か。幻想に満ちた伝奇&SFホラー短篇集-『最後の子』

『最後の子』 岸田理生/1993年/336ページ ふとしたことから私の家に住みついた、人形のように従順で、蛇のようになめらかな肌を持つ少女。奇妙に淫らな匂いを放つその体に、いつしか私は狂っていた。やがて臨月に産み落とされたのは、しかし白く柔らかな無…

7人の犯人に7回殺された被害者。真犯人の正体…よりも心理描写の巧さが見どころ-『僕が殺しました×7』

『僕が殺しました×7』 二宮敦人/2012年/352ページ 僕は恋人のリエを殺した。いや、殺したはずだったー。だが僕が警官に連行された先は、封鎖された会議室らしき場所。しかもそこには5人の男女が集められ、警官を含めた全員が驚愕の告白を始めていく。「私…

傑作ショートショートと特撮ホラーが白眉。ボリュームたっぷりの恐怖万博開催!-『異形博覧会』

『異形博覧会 怪奇幻想短篇集』 井上雅彦/1994年/512ページ 劇場の幽霊。屍肉を掘り出す少女。孤島を覆いつくす蟹の群れ。仮面の食人鬼。サーカスの機械人形……。SFXを駆使したホラー・ムーヴィーや怪獣映画の洗礼を受けた現代の異色作家による、ビザールで…

原稿に書かれた怪異“崩れ顔の女”が編集者を襲う! エピソードゼロとしては完璧な逸品-『忌木のマジナイ』

『忌木のマジナイ 作家・那々木悠志郎、最初の事件』 阿泉来堂/2021年/336ページ ホラー作家、那々木悠志郎の担当編集となった久瀬古都美は、彼が初めて体験したという怪異譚を題材にした未発表原稿を読むことに。そこに書かれていたのは、心霊現象に懐疑…

トラウマ・スペクタクル快作「妖怪肉玉」も収録! 猫又少年の孤独な旅路-『ゾク こわい本8 人の闇/猫目小僧1』

『ゾク こわい本8 人の闇/猫目小僧1』 楳図かずお/2025年/348ページ 楳図かずおの恐怖と妄想の世界へようこそ。 異色のダークヒーロー、猫目小僧登場!300年に一度しか生まれない猫又の子として誕生した「猫目小僧」。だが、人間に似た姿で生まれたことか…

秀逸な青春ラブコメを収録。面白いけど「こわい本」ではない!?-『ゾク こわい本7 学園』

『ゾク こわい本7 学園』 楳図かずお/2025年/506ページ 憧れの美しい先生がミイラに?! 学園中が恐怖に巻き込まれていく―― 聖白バラ女学院の女学生の憧れの美しい先生が、祈りの最中に地下の礼拝堂に安置されていたミイラに手をつかまれ……。墓地で教室で…

見ると必ず死ぬ“呪夢”が伝染する…! ホラーの王道を秘伝技で調理した快作-『夢詣』

『夢詣』 雨宮酔/2025年/368ページ 第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞読者賞受賞作! その悪夢、見れば、死ぬ――”順番”が来るまでに、解呪の鍵を探し出せ。 「もうすぐ私が御血をいただける順番です」“死に至る夢”を見ると訴えていた女性と老人が突然死し…

台湾製学園ホラーゲームの30年後を描く。繊細な青春模様が光る秀逸ノベライズ-『返校 影集小説』

『返校 影集小説』 李則攸・巫尚益(著)、公共電視(監修)、七海有紀(訳)/2021年/320ページ 世界で話題沸騰!台湾発ホラーゲーム「返校」の実写ドラマを完全ノベライズ 世界を魅了した台湾発のホラーゲーム「返校」の30年後の世界を描いた決定版! 劉芸…

傑作も佳作も凡作も、エッセイも評論も揃えた「ラヴクラフトを知るため」の1冊-『ラヴクラフト恐怖の宇宙史』

『ラヴクラフト恐怖の宇宙史』 H・P・ラヴクラフト+C・ウィルソン(著)、荒俣宏(編)/1993年/647ページ 恐怖小説の極北に怪しく光るラヴクラフトが紡ぐ壮大な幻想世界。そこにはモダン・ホラーの原型ガある。その膨大な作品群から厳選した傑作と奇才コリン・ウ…

氷狼と炎狼のラグナロク殺人事件。北欧神話の奇跡の陰で黒幕が再び動き出す…!-『バチカン奇跡調査官 月を吞む氷狼』

『バチカン奇跡調査官 月を吞む氷狼』 藤木稟/2014年/384ページ 春祭で賑わうノルウェーの田舎町で、獣の唸り声が聞こえたかと思うと、忽然として満月が赤く呑まれ、暗闇の広場に轟音が響き渡った。人々が「ラグナロク」という言葉を囁くなか、すぐ側の屋…

宮沢賢治は風水師だった⁉︎ 岩手遷都計画の裏にうごめく野望を砕け-『闇吹く夏』

『闇吹く夏 シム・フースイversion4.0』 荒俣宏/1999年/345ページ 異常気象―その年、黒く怪しい闇が夏を阻んでいた。雨が降り続け、人々は不安にかきたてられ、東京はカビに覆われようとしていた。時を同じくして、遙か南太平洋では、エルニーニョ現象が起…

まだまだいるぞヘビ女! 「ヘビになってしまう恐怖」が少女を襲う-『ゾク こわい本6 怪2』

『ゾク こわい本6 怪2』 楳図かずお/2025年/368ページ 楳図かずお恐怖の妄想の世界へようこそ。 むつみと俊彦は人もうらやむ恋人同士。ある下校時、俊彦がむつみを崖から突き落としたことにより、頭の上に燃えるような青い火を見るようになってしまった。…

連続殺人鬼はかつての戦友か? 遺体に残されたトランプが忌まわしい記憶を呼び覚ます…-『ココ』

『ココ(上)』 ピーター・ストラウブ/1993年/534ページ その名はココ。残忍な手口でつぎつぎと人を殺し、知るものの恐怖を呼び覚ますもの。マイケル・プールは戦友たちと再会するために、ベトナム帰還兵のパレードに参加していた。再会の喜びとお互いの無事…

やや入手難だった『怪』を再編集。おみっちゃんの顔怖すぎない?-『ゾク こわい本5 怪1』

『ゾク こわい本5 怪1』 楳図かずお/2025年/336ページ ほほほ。わたしは きれいなのがきらいなのさ。お前にこぶをうつしてやる いとこのアグリの家に世話になるため引っ越してきた優子。アグリには顔にこぶがあり、何かにつけて優子にいじわるをするのだっ…