角川ホラー文庫全部読む

全部読めるといいですね。おすすめ作品等はリストから

角川ホラー文庫リスト(1993/04~2024/4)

随時更新中。抜け・ミス等あればご指摘ください。レビューを書いた作品はタイトル部分にリンクを貼っています。刊行月ごと、著者・編者名五十音順(海外作品は別枠)で掲載。新装版・復刻版はタイトル・内容等、大幅に変更があった場合のみ別途掲載していま…

恐怖新聞の予言に抗う男がたどり着く、絶望を超えた無限の絶望!-『予言 J-HORROR THEATER』

『予言 J-HORROR THEATER』 林巧(原作:つのだじろう『恐怖新聞』)/2004年/234ページ J HORROR は、ついにここまで到達した!娘の死を予言する新聞を目にした男。それが現実になった日から想像を超えた悪夢がはじまる。念写を行う霊能力者や特殊能力をもつ…

犯罪者への強烈な怒りが、後戻りできないスイッチをONにする。犯人目線で1作目を描くスピンオフ-『OFF 猟奇犯罪分析官・中島保』

『OFF 猟奇犯罪分析官・中島保』 内藤了/2020年/352ページ 見習いカウンセラーの中島保は、殺人者の脳に働きかけて犯行を抑制する「スイッチ」の開発を進めていた。殺人への欲望を強制的に痛みへ変換する、そんなSFじみた研究のはずが、実験は成功。野放し…

別れと出会いの春に新メンバー加入、そしてホワイトデーで苦悩。もはや何も言うまい-『ホーンテッド・キャンパス 春でおぼろで桜月』

『ホーンテッド・キャンパス 春でおぼろで桜月』 櫛木理宇/2016年/320ページ そして新しい春。――新学期にぴったりの青春オカルトミステリ、第9弾! 雪まだ深い春休み。大学生の森司は、来たるホワイトデイのことで気もそぞろ。とはいえ通常とは逆で、片想い…

すべて手遅れ、忌まわしき因習の果て。詰み状態で始まり詰んだまま終わる絶望の土着ホラー-『極楽に至る忌門』

『極楽に至る忌門』 芦花公園/2024年/352ページ 最強の拝み屋・物部斉清ですら止められなかった土地の怪異 四国の山奥にある小さな村。そこには奇妙な仏像があり、大切に祀られていた。帰省する友人・匠に付き添い、東京から村を訪れた隼人は、村人たちの…

主人公たち強過ぎ、ミスしなさ過ぎのTASノベライズだがラストは「ホラー」してて好印象-『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ SIDE B』

『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ SIDE B』 牧野修/2008年/239ページ 製薬企業、アンブレラ社の陰謀により死人がゾンビ化する世界。ラクーン市(シティ)壊滅後、新たな陰謀が、アンブレラのロシア工場にて計画されていた。アンブレラ社の計画、事…

オートスクロールのガンシューティングをゲーム性も含めて完璧にノベライズ-『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ SIDE A』

『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ SIDE A』 牧野修/2007年/268ページ 黄道特急の中でゾンビと化した乗客に襲われるレベッカとビリー。洋館で命がけの戦いを下クリスとジル。それに続くラクーン市(シティ)の壊滅。これらの事件には、すべて巨大…

斬られた首を取り戻しに来る「などらき」の正体は? シリーズの世界観を広げる好短編集-『などらきの首』

『などらきの首』 澤村伊智/2018年/304ページ 第72回推理作家協会賞短編部門受賞作収録! 比嘉姉妹シリーズ最新刊! 【第72回推理作家協会賞短編部門受賞「学校は死の匂い」収録!】 雨の日にだけ、体育館に幽霊が出る――。 小学六年生の美晴は、学校に伝わる…

100リツイートされないと脳味噌が融ける! 相変わらずの近距離パワー型ナスティホラー-『#拡散忌望』

『#拡散忌望』 最東対地/2017年/320ページ ある高校の生徒達の噂。“ドロリンチョ@MW779”このアカウントからのツイートには要注意。晒された人は、頭の中身がどろどろに溶けて噴き出すんだって―。その噂は本当だった!晒された者はメッセージを拡散せよ。失…

周囲も自分も‟リセット”して姿を消す連続殺人鬼を追うサスペンス-『デジタルリセット』

『デジタルリセット』 秋津朗/2021年/352ページ 第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉受賞作! 許すのは5回まで。次は即リセット――。理想の環境を求めるその男は、自らの基準にそぐわない人間や動物を殺しては、別の土地で新たな人生を始める「リセ…

異様な食卓で異様な食体験。グロ皆無でもここまで怖い、新感覚のグルメ小説-『美食亭グストーの特別料理』

『美食亭グストーの特別料理』 木犀あこ/2019年/288ページ グルメ界隈で噂の店、歌舞伎町にある「美食亭グストー」を訪れた大学生の一条刀馬は、悪魔のような料理長・荒神羊一にはめられて地下の特別室「怪食亭グストー」で下働きをすることになる。真珠を…

ひたすら奇怪で淫猥、非常に人を選ぶホラー小説大賞受賞作-『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』

『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』 あせごのまん/2005年/196ページ クリクリとよく動く尻に目を射られ、そっと後をつけた女は、同級生服部ヒロシの姉、サトさんだった。ヒロシなら、すぐ帰ってくるよ―。風呂に入っていけと勧められた鍵和田の見たも…

いろいろアレだった原作映画を補完する、優秀なノベライズ。必読!-『バイオハザードⅢ』

『バイオハザードⅢ』 キース・R・A・デカンディード(著)、富永和子(訳)/2007年/382ページ T・ウイルスの感染により、世界はアンデッドで埋め尽くされた砂漠と化す。アリスはアンブレラ社に監視衛星で追跡・コントロールされていることを知り、仲間たちから離れ…

そびえたつ象徴、破滅の凶兆…アンソロジーの名手が編む13本の恐怖-『塔の物語 異形アンソロジー タロット・ボックスⅠ』

『塔の物語 異形アンソロジー タロット・ボックスⅠ』 井上雅彦(編)/2000年/305ページ 私は、今ここに、少年の日の密かなる愉しみを再現しようとしているのかもしれない。タロット・カードを創ろうというのである。テラー博士よろしく、オムニバスの物語を…