角川ホラー文庫全部読む

全部読めるといいですね。おすすめ作品等はリストから

真っ暗な部屋の隅から隅へ歩くうち、招かれざる「もう1人」が現れる。死相もたらす魔の正体は?-『四隅の魔 死相学探偵2』

『四隅の魔 死相学探偵2』 三津田信三/2009年/352ページ 城北大学に編入して“月光荘”の寮生となった入埜転子は、怪談会の主催をメインとするサークル“百怪倶楽部”に入部した。怪談に興味のない転子だったが寮長の戸村が部長を兼ねており居心地は良かった。…

最強最悪のヴィランにやり込められたまま終わる最終巻。だが…?-『ラスト・メメント 兵士と死』

『ラスト・メメント 兵士と死』 鈴木麻純/2013年/287ページ お節介な写真家の卵・彩乃の誘いで、便利屋のバイトをすることになった和泉。老婦人の遺品整理を頼まれた先で、死を嫌悪する葬儀社の男・透吾と絵画蒐集のライバル・貴士に出くわす。故人の娘と…

死の影を視る探偵が、豪邸で起きた連続怪死事件に挑む。シリーズの1作目として完璧!-『十三の呪 死相学探偵1』

『十三の呪 死相学探偵1』 三津田信三/2008年/346ページ 幼少の頃から、人間に取り憑いた不吉な死の影が視える弦矢俊一郎。その能力を“売り”にして東京の神保町に構えた探偵事務所に、最初の依頼人がやってきた。アイドル顔負けの容姿をもつ紗綾香。IT系…

全然面白くない-『@ベイビーメール』

『@ベイビーメール』 山田悠介/2005年/254ページ 抉られた腹部にへその緒だけを残した女性の死体が発見された。彼女たちは、送信者不明のメールを受け取った一ヶ月後に殺されていた。そのメールは雅斗の恋人、朱美にも届き……戦慄の都市型ホラー小説! (Amaz…

呪禁師一族の宿命を友情・絆・恋のパワーで乗り越える熱血(?)ジュブナイル-『山内くんの呪禁の夏。夏の夕べに約束を』

『山内くんの呪禁の夏。夏の夕べに約束を』 二宮酒匂/2016年/240ページ 呪禁師の少女・紺によって、この世ならぬものが見える目にされてしまった山内くん。彼に呪いをかけた少年・青丹との対立や、自身の血の秘密といった出来事を経て、暑く長い夏が終わろ…

不幸体質の少年が過ごす、オカルトで甘酸っぱい夏休み。王道展開と癖のあるキャラが魅力-『山内くんの呪禁の夏。』

『山内くんの呪禁の夏。』 二宮酒匂/2016年/232ページ 小学六年生の山内くんは生まれもっての災難体質。昔そんな彼にお守りをくれたのは、口から火を吹く不思議な子・紺だった。「おまえに見せてやるよ。あっち側の世界を。隠り世を」紺と再会した山内くん…

乱歩が考える「恐怖」とは? レジェンド作家をより深く知るためのエッセイ・評論集-『火星の運河』

『火星の運河』 江戸川乱歩(著)、東雅夫(編)/2005年/312ページ 江戸川乱歩があこがれていた異世界、禁断の夢をえがいた表題作「火星の運河」。そして、ホラー、怪談、怪奇幻想文学関連の“乱歩随筆”の名品多数をふんだんに収載。乱歩の文章が本書のような形…

廃墟に潜む殺人鬼が映画クルーが血祭りに! ホラー映画愛が詰まりまくったパルプなミステリ-『スラッシャー 廃園の殺人』

『スラッシャー 廃園の殺人』 三津田信三/2024年/352ページ 正体不明の殺人鬼から逃げきれるのか。ノンストップ・ホラー・ミステリ! 異形のホラー作家・一藍が10億という巨額の費用をかけ、造りあげた廃墟庭園。そこでは行方不明者が続出し、遺体で発見さ…

グロテスクな精神と感情が肉体を蝕む、哀しき異形に暗い感動を覚える1冊-『こわい本8 異形2』

『こわい本8 異形2』 楳図かずお/2021年/352ページ この肉体の変異は、もう誰にも止められない。 千年後には地球が海に覆われ、人類は魚の姿になり生き延びる――予言を裏付けるかのように、エラや鱗、水かきを持った姿に 変貌していく青年の姿に戦慄す る「…

性と死の匂いが香り立つ‟平成の「雨月物語」”。幻想的な傑作短編も-『雨晴れて月は朦朧の夜』

『雨晴れて月は朦朧の夜』 夢枕獏/1999年/269ページ 耽美で心に泌み通るような幻想怪奇小説集。言葉が紡ぐ恐怖の限界に挑む傑作ホラー短篇集。幻想怪奇小説家、夢枕獏の原点ともいえる短篇を多数収録した平成の雨月物語。 (「BOOK」データベースより) 「蛇淫」…

シリーズ傑作巻! あの手この手で心の闇を描く作者の手腕に見惚れる-『こわい本7 闇』

『こわい本7 闇』 楳図かずお/2021年/384ページ 夫婦や恋人など、それぞれの人間が持つ内面の深い闇――。心の中はいつも闇 人間の内面に存在する「闇」をテーマに収録。「闇のアルバム」全24話はブラック・ユーモアやSF、ファンタジーなどオムニバス形式の…

窮地に陥った男の肉体に起こるおぞましき奇跡。分類不可能な異形作-『化身』

『化身』 宮ノ川顕/2011年/275ページ まさかこんなことになるとは思わなかったー。日常に厭き果てた男が南の島へと旅に出た。ジャングルで彼は池に落ち、出られなくなってしまう。耐え難い空腹感と闘いながら生き延びようとあがく彼の姿はやがて、少しずつ…

ちぎれる手足! もげる首! ひときわバイオレンスな作品が集う-『こわい本6 怪物』

『こわい本6 怪物』 楳図かずお/2021年/368ページ 孤独な破壊者か、 未来を創造する救世主か? 生命をコントロールすることに取り憑かれた博士が創り出した怪物――破壊と暴力に満ちた一夜を描く「恐怖人間」。海辺の村で出会った少年と幼い怪獣が友情を育む…

プロファイリングが示すたった1つの矛盾。FBI帰りの心理分析官vs猟奇殺人犯-『心理分析官』

『心理分析官』 和田はつ子/1998年/301ページ アメリカでFBI研修を終えようとしていた警視庁専属心理分析官・加山知子に至急帰国の命令が届く。捜査が難航する連続殺人事件のためだ。捜査権を与えられた知子は、妊婦を狙う残虐な手口の殺人犯を心理分析…