角川ホラー文庫全部読む

全部読めるといいですね。読んだ上で、おすすめしたい作品は全力で推します。

シリーズ-江戸川乱歩ベストセレクション

陰で暗躍する獣と、陰でしか生きられないけだもの。これぞ乱歩中の乱歩!-『陰獣 江戸川ベストセレクション④』

『陰獣 江戸川ベストセレクション④』 江戸川乱歩/2008年/204ページ 探偵作家の寒川に、資産家夫人、静子が助けを求めてきた。捨てた男から脅迫状が届いたというが、差出人は人気探偵作家の大江春泥。静子の美しさと春泥への興味で、寒川は出来るだけの助力…

明智小五郎入門編。一時の享楽と長年の怨讐、正反対の性質を持つ2つの怪事件-『屋根裏の散歩者 江戸川乱歩ベストセレクション③』

『屋根裏の散歩者 江戸川乱歩ベストセレクション③』 江戸川乱歩/2008年/241ページ 世の中の全てに興味を失った男・郷田三郎は、探偵・明智小五郎と知り合ったことで「犯罪」への多大な興味を持つ。彼が見つけた密かな楽しみは、下宿の屋根裏を歩き回り、他…

怪奇と猟奇が濃厚に匂い立つ特選短編集。外れ無しの入門編-『芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション②』

『芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション②』 江戸川乱歩/2008年/196ページ 時子の夫は、奇跡的に命が助かった元軍人。両手両足を失い、聞くことも話すこともできず、風呂敷包みから傷痕だらけの顔だけ出したようないでたちだ。外では献身的な妻を演じながら、…

今さら感が無くも無いが、色褪せぬ名作ぞろい。人間椅子のオチは何度読んでもヒドい-『人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション①』

『人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション①』 江戸川乱歩/2008年/213ページ 貧しい椅子職人は、世にも醜い容貌のせいで、常に孤独だった。惨めな日々の中で思いつめた男は、納品前の大きな肘掛椅子の中に身を潜める。その椅子は、若く美しい夫人の住む立派…