角川ホラー文庫全部読む

ホラー小説のレビューブログ。全部読めるといいですね

コミック

漫画作品。あるいは漫画作品が多数含まれている作品集。

まだまだいるぞヘビ女! 「ヘビになってしまう恐怖」が少女を襲う-『ゾク こわい本6 怪2』

『ゾク こわい本6 怪2』 楳図かずお/2025年/368ページ 楳図かずお恐怖の妄想の世界へようこそ。 むつみと俊彦は人もうらやむ恋人同士。ある下校時、俊彦がむつみを崖から突き落としたことにより、頭の上に燃えるような青い火を見るようになってしまった。…

やや入手難だった『怪』を再編集。おみっちゃんの顔怖すぎない?-『ゾク こわい本5 怪1』

『ゾク こわい本5 怪1』 楳図かずお/2025年/336ページ ほほほ。わたしは きれいなのがきらいなのさ。お前にこぶをうつしてやる いとこのアグリの家に世話になるため引っ越してきた優子。アグリには顔にこぶがあり、何かにつけて優子にいじわるをするのだっ…

恐怖の毒蛾・恐怖のつり鐘・恐怖のサンタクロース!学校であった怖すぎる話-『ゾク こわい本4 恐怖2』

『ゾク こわい本4 恐怖2』 楳図かずお/2025年/384ページ 楳図かずおの愛と哀しみと恐怖の世界へようこそ。 みやこ高校新聞部のエミ子が怪異を追う高校生記者シリーズの中から、映像化された「うばわれた心臓」ほか、「われたつり鐘」「サンタクロースがや…

バラエティ豊かな学校ホラーシリーズに名作「ねがい」をプラス-『ゾク こわい本3 恐怖1』

『ゾク こわい本3 恐怖1』 楳図かずお/2025年/384ページ 楳図かずおの恐怖と妄想の世界へようこそ。 みやこ高校2年生のエミ子は学校新聞部の記者。好奇心旺盛で、いつも奇妙な事件に巻き込まれる――。降霊術をきっかけに女性の執念が甦る「800年のミイラ」…

比較的レアな珍品に加え、ドラマ・映画化もされた「蟲たちの家」等を収録-『ゾク こわい本2 奇跡』

『ゾク こわい本2 奇跡』 楳図かずお/2025年/384ページ 楳図かずお全巻監修の「ゾク こわい本」シリーズ。いよいよスタート! 山へ行ったきり帰ってこない夫を待ち続ける妻。お互いを信じ仲睦まじい2人の想いが時を経て運命の奇跡を呼ぶ「愛の奇蹟」。NASA…

遺志を継いだゾク編始動。タマミ大暴れの表題作&隠れた逸品「影姫」を収録-『ゾク こわい本1 赤んぼ少女』

『ゾク こわい本1 赤んぼ少女』 楳図かずお/2025年/384ページ 楳図かずおの恐怖と妄想の世界へようこそ。 ある夫妻が暮らす洋館の屋根裏に幽閉され、隠された存在であったタマミ。そんな中、施設から引き取られた実の娘がやってきた。幸せそうで無邪気な美…

艶のあるタッチと緻密な表現に唸る。原作に勝るとも劣らない理想のコミック-『お江戸ふしぎ噺 あやし』

『お江戸ふしぎ噺 あやし』 宮部みゆき(原作)、皇なつき(作画)/2021年/208ページ 江戸の長屋に住む少女“おえん”に料理屋での奉公話が舞い込んだ。話がまとまりかけていたところ、約束は突然反故にされる。醜女を嫌った料理屋が、代わりに器量のいい娘を雇…

角川ホラー文庫オリジナル巻。単行本初収録のレア短編から、残酷度No.1の戦慄作まで!-『こわい本11 猫』

『こわい本11 猫』 楳図かずお/2022年/480ページ 猫嫌いの城主の長男・秀信が残虐な仕打ちを繰り返す「猫面」。加賀の領主は娘の雪姫を毒殺。姫が最期に彫った猫の置物が、現代の加賀家末裔の庭から掘り起こされると異変が……「ねこ目の少女」。城主・柴田…

“顔”が本質をさらけ出す! 美しく醜く、そして恐ろしき5編-『こわい本10 顔』

『こわい本10 顔』 楳図かずお/2022年/368ページ きれいになりたい。あの人の心を手に入れたい――。 お前なんかガケから落ちて死んじまえ! 岩で顔を打ってもっと不細工になれ――少女が怒りにまかせて書いた手紙が、婚約したばかりの女性の運命を変えていく……

暗い影がもうひとりの自分を映し出す。楳図少女漫画のホラー4編-『こわい本9 影』

『こわい本9 影』 楳図かずお/2022年/368ページ 私を妬んでいるのは鏡の中の自分?鏡の中にいる私が抜け出してきて―― 主人公の絵美にお屋敷は、幼いころから鏡の前で美しい自分の姿を見るのが大好きだった。だが恵美はいつも誰かからの憎しみの視線を感じな…

グロテスクな精神と感情が肉体を蝕む、哀しき異形に暗い感動を覚える1冊-『こわい本8 異形2』

『こわい本8 異形2』 楳図かずお/2021年/352ページ この肉体の変異は、もう誰にも止められない。 千年後には地球が海に覆われ、人類は魚の姿になり生き延びる――予言を裏付けるかのように、エラや鱗、水かきを持った姿に 変貌していく青年の姿に戦慄す る「…

シリーズ傑作巻! あの手この手で心の闇を描く作者の手腕に見惚れる-『こわい本7 闇』

『こわい本7 闇』 楳図かずお/2021年/384ページ 夫婦や恋人など、それぞれの人間が持つ内面の深い闇――。心の中はいつも闇 人間の内面に存在する「闇」をテーマに収録。「闇のアルバム」全24話はブラック・ユーモアやSF、ファンタジーなどオムニバス形式の…

ちぎれる手足! もげる首! ひときわバイオレンスな作品が集う-『こわい本6 怪物』

『こわい本6 怪物』 楳図かずお/2021年/368ページ 孤独な破壊者か、 未来を創造する救世主か? 生命をコントロールすることに取り憑かれた博士が創り出した怪物――破壊と暴力に満ちた一夜を描く「恐怖人間」。海辺の村で出会った少年と幼い怪獣が友情を育む…

お約束展開から脱する「ひとひねり」が巧みな傑作怪奇コミック。作者の実話怪談も拾い物-『生霊 ささやななえこ恐怖世界』

『生霊(いきすだま) ささやななえこ恐怖世界』 ささやななえこ/1996年/349ページ 良二に恋い焦がれる浅茅優子の怨霊が“生霊”となって、恋敵の真理子と明美を襲う「生霊」。すさまじい嫉妬から自殺した女子高生の呪いがとりつく「鉄輪」、死霊が籠り復活する「…

蝶が、蛇が、新しいお母さんが少女を追い詰めるこわ~い話-『こわい本5 執念』

『こわい本5 執念』 楳図かずお/2021年/384ページ 執念によって心理的に追い込まれていく少女の恐怖を描くミステリー 裕福な家に生まれたものの、母が亡くなり継母に育てられためぐみ。なぜか幼いころからずっと蝶が怖くて仕方なかった。父に連れられ母の…

風刺に妖怪、海外小説。水木入門として悪くない1冊-『畏悦録 ~水木しげるの世界~』

『畏悦録 ~水木しげるの世界~ ホラーコミック傑作選 第2集』 水木しげる/1994年/361ページ 霊界の女に魅入られた男の不気味な恋の行方を描く、「終電車の女」。吸血鬼にあこがれる少年の悲劇的な結末を描いた「血太郎奇談」。 猥雑な人間界に対する鋭い…

恨みと呪いがもたらす自縄自縛! 長編「紅グモ」に傑作「ダリの男」ほかを収録-『こわい本4 呪縛』

『こわい本4 呪縛』 楳図かずお/2021年/368ページ これは呪いか、愛か――あなたを捕らえて離さない楳図かずおの恐怖譚 人の身体に巣食う恐ろしい蜘蛛に捕らわれた、美しい姉妹が味わう恐怖を描く「紅グモ」。すべて競い合ってきた兄弟の憎悪の深さに震撼す…

必読の最恐作・珍怪作も。人の内面の歪みを暴く時代物ホラー集-『こわい本3 狂乱』

『こわい本3 狂乱』 楳図かずお/2021年/384ページ 楳図かずおの恐怖短編時代劇の名作を収録。 江戸時代。美しい娘のいる家に小判がふれば娘は殺される――。たたりの原因を調べる親分は何者かに切られ、娘のひとみが犯人を追ううちに、死体の頭に恐ろしい傷…

地球滅亡! 異形化した新人類が理性と尊厳を脅かす、楳図印の終末SF-『こわい本2 異形』

『こわい本2 異形』 楳図かずお/2021年/352ページ 天才・楳図かずおの珠玉の恐怖シリーズ『こわい本』。充実の巻末企画付き! 「笑い仮面」では太陽の黒点の異常によって焼け野が原になる地上で生き延びるためにアリのような新人類が誕生する。これは「進化…

執念深きヘビのうらみ! ヘビ少女にヘビおばさんが美少女の首筋を這いまわる!-『こわい本1 蛇』

『こわい本1 蛇』 楳図かずお/2021年/320ページ 幸せに暮らしていた沼田家の姉妹を、突然の悲劇が襲った。姉が、手足が動かなくなる原因不明の病に倒れたのだ。献身的に看病する妹だったが、姉の奇怪な行動に不審を抱き、姉の正体は蛇で、自分を殺そうとし…

実話怪談のスタイルをいち早く成立させたホラーエッセイ。豪華漫画家ゲスト陣も!-『ゆうれい談』

『ゆうれい談』 山岸涼子/2023年/240ページ 全部、本当にあった怖くて摩訶不思議な話。 漫画家にとって最大の敵は睡魔。山岸プロでの眠気ざましの話題は“ゆうれい談”。萩尾望都、大島弓子など著名漫画家たちの不思議体験談を始め、アシスタントさんが経験…

超気まぐれヒロイン・黒井ミサの魅力。『エコエコアザラク』入門編+α-『魔女地獄』

『魔女地獄 ~古賀新一傑作集~』 古賀新一/1995年/407ページ 人間は所詮、運命には逆らえないもの…悪魔に魂を売った魔女黒井ミサのまわりで次々と起こる黒魔術の邪悪な事件。恐怖と不安に引きずり込むオカルト・ホラーコミックの傑作集。 (Amazon解説文よ…

濃密なストーリー展開を読みやすく仕上げた、しっかりと怖面白いホラーミステリ-『ミノタウルス』

『ミノタウルス』 ささやななえこ/2001年/348ページ 殺人・行方不明者が相次ぐ名門ロスター家。調査に赴いたカードとジョーカーを見つめるロスター婦人の視線、仮面の男の視線―。表題作他「サラの遺言」「霊送りの島」収録。心の奥底を震わせる恐怖コミッ…

曲者ホラー漫画家の怪演・狂演! パルプ感に満ちた楽しい1冊-『HOLYⅡ』

『HOLYⅡ ホラーコミック傑作選 第3集』 犬木加奈子、御茶漬海苔、風忍、谷間夢路、日野日出志/1996年/405ページ 日常と非日常が交錯する暗闇で、心の奥底に宿る残忍さと凶暴さが顔をのぞかせる…。狂気をはらみ、よこしまな計略を鮮烈に描くホラーコミック…

意外な巨匠たちの怪奇作品。菊地秀行の趣味全開、懐かし系コミックアンソロジー-『闇の画廊』

『闇の画廊 ホラーコミック傑作選第2集』 菊地秀行(選)/1996年/325ページ 闇に蠢く狂気と絶望、そして悲惨…。八人の巨匠が描くダーク・ギャラリー!! 時空を超えて、いま甦る傑作恐怖コミック集。〈収録作品〉関谷ひさし「恐怖の幻視人間ムーズ」武内つなよし…

横溝正史のジュブナイル探偵小説を少女ホラー漫画へと見事にリメイク-『血まみれ観音 ~高階良子傑作集~』

『血まみれ観音 ~高階良子傑作集~』 高階良子/1995年/410ページ 肩に刻みこまれた人面疽の謎を追い、血飛沫が飛び散り、恐怖が襲う「血まみれ観音」(横溝正史「夜光虫」より)。絶望の淵に立たされた少女を助けに来た天才医師が踏み入れたのは、破滅への道な…

他人の家庭事情から垣間見える漆黒。小説2編は傑作だが、コミック7編の印象がイマイチ薄め『ワイドショー』

『ワイドショー 内田春菊ホラー傑作選』 内田春菊/2004年/236ページ 気がつくと、ワイドショーを見ていないのは私だけだった。「なんで見ないの?」と訝しがられるがそれって、そんなに変なことなの?遊びに行った恋人の家にも、ワイドショーを見る母親が。…

文庫版最終巻にして、メンバーの過去にまつわる話を集めた入門篇。続きはコミックスで-『黒鷺死体宅配便 5』

『黒鷺死体宅配便 5』 原作:大塚英志、漫画:山崎峰水/2009年/174ページ 死体専門のダウジング能力を持つ沼田真古人は、幼いころ、その技術を教えてもらった師匠と再会を果たす。しかしそれは悲しい別れの始まりだった――!? “お届け物は死体です”。死んだ…

エピソードのトンデモぶりが極まった傑作巻。あまり死体を宅配してない気もするが…-『黒鷺死体宅配便 4』

『黒鷺死体宅配便 4』 原作:大塚英志、漫画:山崎峰水/2009年/218ページ あいかわらず仕事に恵まれない「黒鷺死体宅配便」のメンバーたちは、村起こしを目的としたミステリーサークル作りのアルバイトをしていた。偶然にもこの村には、40年ほど前に墜落し…

そもそも死体から依頼を受けてもたいして金にならないのでは? と今さら気づく第3巻-『黒鷺死体宅配便 3』

『黒鷺死体宅配便 3』 原作:大塚英志、漫画:山崎峰水/2008年/188ページ 「頼む、カラダを戻してくれ」……死体からしか聞こえないはずの声が、死ぬ間際のホームレスから聞こえてきた。壊死した腎臓が病院で摘出され、ホームレスは息を引き取った。声はどう…