角川ホラー文庫全部読む

全部読めるといいですね。おすすめ作品等はリストから

シリーズ-現代百物語

  全10巻。

最後の最後にして百物語らしくなった(?)大盤振る舞いの最終巻-『現代百物語 終焉』

『現代百物語 終焉』 岩井志麻子/2018年/224ページ すべてのものには終わりがくる。生命が終わり、死を迎えること―終焉。異世界の住人となった者たちに向かって飲み屋のママはこう語る。「あの世の人達って強い理由だけで出てこないし、正当な理由だけで動…

嘘つきエピソード大解放! 虚飾と欺瞞にまみれた不実な人々のオンパレード-『現代百物語 不実』

『現代百物語 不実』 岩井志麻子/2017年/224ページ 「自殺した彼女の人生を代わりに生きています」――滔々と壮絶な体験を語る作家志望の女。傷害事件にまで発展した気まぐれの作り話。芸人が体験した3つの謎と符合する実際の陰惨な話。息を吐くように嘘を…

やっぱり「生きてる人間のほうが怖い」のか。原点に立ち返った粒揃いの1冊-『現代百物語 因果』

『現代百物語 因果』 岩井志麻子/2016年/209ページ ダイヤが原因で滅びてしまった一家。夫が妻に語ったある夏の出来事。後輩に対して威圧的な振舞いを続けた男の末路。混線した電話から小さく聞こえる誰かの会話。欲望に支配された人の心の闇は深い。その…

幽霊なみに話が通じない、理解不能・コミュニケーション不能な人間の恐ろしさ!-『現代百物語 妄執』

『現代百物語 妄執』 岩井志麻子/2015年/224ページ 刑務所で病に伏せる罪人に高額な医療費を送りつける逆・死神。古書店で入手した一般人の日記帳に綴られた壮絶な書き込み。ファンから著者に贈られた鍵と簡素な地図。女性ライターの股間に憑いたインチキ…

彼岸此岸をたゆたう何者かの声。シリーズの中では比較的刺激強めの1冊-『現代百物語 彼岸』

『現代百物語 彼岸』 岩井志麻子/2014年/224ページ 庭にある鳥の巣箱に棲みついた邪悪な目。絶対に語ってはいけない話。聞いてはいけない話。書いてもいけない話。こちらが生きていることに気付かない、死者。霊を届ける女、受け取る男。「真っ黄色のワン…

ド安定の怪奇ゴシップエッセイ。知ったのを後悔する厭な芸能界話も…-『現代百物語 殺意』

『現代百物語 殺意』 岩井志麻子/2013年/224ページ 不思議な偶然が繰り返される女。いつの間にか入れ替わってしまった噂話。淫猥な生霊。延々と食べ続ける女。歪んだ正義感に駆られた人々の暴走。風に乗って窓から入ってくる「死んじゃえば?」というささや…

2ページ完結の実話怪談短編。1つ1つの話は面白いものの、若干マンネリを感じるのも確か-『現代百物語 悪夢』

『現代百物語 悪夢』 岩井志麻子/2012年/209ページ 奇妙な赤ちゃんの夢を見る女。モデルの女性が怯える、忌まわしい村のしきたり。留置場にただ一人いた親切な男の意外な過去。叔母を憎み、互いも憎みあう偽姉妹。もう一人の自分に電話を掛ける男。取り憑…

相変わらずキレのいい実話怪談集だが、同じ人物の話をコスり過ぎでは…?-『現代百物語 生霊』

『現代百物語 生霊』 岩井志麻子/2011年/224ページ 普段から恨みを買っていた不良女の交通事故。共依存する母子がお互いに抱く心の闇。いじめっ子の少年が落ちた陥穽。相性の悪いアシスタント同士の意外な関係。妻子ある男に恋した姉妹の相剋。実話になっ…

嘘をつかずにはいられない、業の深い人が続々登場!稀代のホラ吹き博覧会-『現代百物語 嘘実』

『現代百物語 嘘実(きょじつ)』 岩井志麻子/2010年/209ページ さらりと驚くような都市伝説を語る女。芸能界との繋がりを自慢する主婦。人を殺しかけた体験を語る男。雑誌に殺人事件をタレこむ女。凄絶な不良少女と友達だと吹聴するお嬢様。過去をなかった…

業の深い人勢ぞろい! 俗っぽくも恐ろしく、どこか可笑しい99の現代怪談-『現代百物語』

『現代百物語』 岩井志麻子/2009年/224ページ 屈託のない笑顔で嘘をつく男。出会い系サイトで知り合った奇妙な女。意外な才能を見せた女刑囚。詐欺師を騙す詐欺師。元風俗嬢が恐怖する客。殺人鬼を取り押さえた刑事。観光客を陥れるツアーガイド。全身くま…