『黒鷺死体宅配便 1』
原作:大塚英志、漫画:山崎峰水/2006年/253ページ
死体の声を聞くイタコ、死体を探すダウジング、死体修復のエンバーミング、情報収集のハッキング、宇宙人と交信するチャネリング。それぞれ特技をもった仏教大学の学生5人が作ったのは、望まぬ形で死を迎えた依頼人の声を聞き、望み通りに埋葬する会社『黒鷺死体宅配便』。死体となった依頼人をどこにでも宅配します。
謎のルーツを明治に追う「松岡國男妖怪退治」収録!
(裏表紙解説文より)
死体に関するスペシャリストたちが、死体の声を聞いて最後の望みを叶えてやる会社。それが黒鷺死体宅配便である。彼らの能力はわりとチート級で、原作者が書いたゲーム原作映画ノベライズ『零 女の子だけがかかる呪い』(角川ホラー文庫)にゲスト出演した時は、あまりに有能すぎるせいで完全に作中の緊張感を削いでしまっていたほど。まあ本書を読めば、彼らはそのチート能力に反してけっこうなピンチに陥りがちなことがわかる(敵役もかなりヤバい相手が多いので)。
角川コミックス・エースの1巻収録分である4つの単発エピソードに加え、原作者のあとがき、劇中のとあるキャラと関わりが深い読み切り番外編「松岡國男妖怪退治」を収録している。ぶっちゃけ、わずか4年前に単行本が出たコミックスをわざわざ文庫化する意義はイマイチよくわからない。内容自体はエグい死体描写と乾いたユーモアのミステリで、確かに角川ホラー文庫の雰囲気はあるのだが。
★★★(3.0)