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そもそも死体から依頼を受けてもたいして金にならないのでは? と今さら気づく第3巻-『黒鷺死体宅配便 3』

『黒鷺死体宅配便  3』

原作:大塚英志、漫画:山崎峰水/2008年/188ページ

「頼む、カラダを戻してくれ」……死体からしか聞こえないはずの声が、死ぬ間際のホームレスから聞こえてきた。壊死した腎臓が病院で摘出され、ホームレスは息を引き取った。声はどうやらこの腎臓から聞こえてきたらしい。死体の願いを叶える「黒鷺死体宅配便」のメンバーは、腎臓の本来の持ち主を追ううち、思いがけない事実に突き当たることに……。ますます快調、大好評コミックの角川ホラー文庫版、第3巻。

(裏表紙解説文より)

 

 海外労働者のホームレスの死体と臓器売買の闇を追ううちに、当時戦争真っ只中のイラクにまで行くハメになる前後編エピソード「矢切の渡し」「喝采」、訪問販売員の残すマーキングから、殺人バトルロワイアルゲームの意外な真相が明らかになる「X+Y=LOVE」、聴くと自殺したくなってしまう謎のメロディを追う「円舞曲(わるつ)」の4編を収録。1巻のころから薄々気づいていたことだが、この宅配便、どう考えても儲けにならない仕事が多い。そもそも死体が報酬を払えるケースがメチャクチャ少ないに決まっているので…。

 時事ネタを躊躇なくブッ込んでいくスタイルは好印象。イラクに行った時点で話がオチてしまったのは少々唐突感があったが。本巻のみ原作者のあとがきは無し。う~ん。普通に面白いのだが、やはり文庫化する意義があまり見られないシリーズではある。

★★★(3.0)

 

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