『#拡散忌望』
最東対地/2017年/320ページ
ある高校の生徒達の噂。“ドロリンチョ@MW779”このアカウントからのツイートには要注意。晒された人は、頭の中身がどろどろに溶けて噴き出すんだって―。その噂は本当だった!晒された者はメッセージを拡散せよ。失敗した先に待つのはおぞましいペナルティ。生徒達は呪いを回避しようとあがく。そしてたどり着いた驚くべき真相とは!?底なしの闇に引きずり込まれる、読後感の悪さに要注意!でも最後まで読まずにいられない!!
(「BOOK」データベースより)
「ドロリンチョ@MW779」なる謎のツイッターアカウントが、暗号のような文章と共に真浦西高校の生徒たちを晒しツイートし始める。該当のツイートが100RTされなかった場合、その生徒は顔中の穴から煮えたぎって融けた脳味噌をぶちまけて昏睡状態になるという。その様はまるで「ドロリンチョチョコ イチゴ味」のCMのようだった。一連の事件をかつてCMに出ていた子役で、クラスのいじめられっ子だった少女の呪いと推測した生徒たちは、死なないためにいろいろ頑張るのであった。
学校を辞めた教師を探す方法が「住んでた町に行ってすべてのお店を廻る」だったり(もっと効率いいやり方あるだろ)、クライマックスで怪異と対決する際に特に理由もないのに1人だけ向かわせたり(全員で行けよ)、相変わらずの強引なストーリー展開。非常にしょうもない暗号、いくら何でもゴミ過ぎる一部の登場人物など粗を探そうとすればいくらでも見つかるのだが、この「読み終えても何も残らない」ラストに向けて全力疾走していくパワフルさは、B級ホラーというものをよく理解していないと出せないものだ。ただただ汚らしい脳味噌ドロリンチョシーンも頼もしさ満載。ほんのもう少しだけ、枝葉末節のリアリティに気を配ってくれれば化けると毎回思うのだが…。
★★☆(2.5)