角川ホラー文庫全部読む

ホラー小説のレビューブログ。全部読めるといいですね

コミック

死体を甦らせてまた殺す葬儀屋VS死体宅配便。死者蘇生能力がニッチな商売に!?-『黒鷺死体宅配便 2』

『黒鷺死体宅配便 2』 原作:大塚英志、漫画:山崎峰水/2008年/218ページ 死体の声を聞き、その依頼に応じて報酬を得る黒鷺死体宅配便。手違いから死刑囚の死体を手に入れた唐津。その死体の望みは、殺してしまった一家の、生き残った子供に会って謝ること…

死体にまつわるスペシャリスト達が、死体の最期の望みを叶えます。内容はともかくなぜホラー文庫?-『黒鷺死体宅配便 1』

『黒鷺死体宅配便 1』 原作:大塚英志、漫画:山崎峰水/2006年/253ページ 死体の声を聞くイタコ、死体を探すダウジング、死体修復のエンバーミング、情報収集のハッキング、宇宙人と交信するチャネリング。それぞれ特技をもった仏教大学の学生5人が作った…

耽美・グロに特化した、ディープなオーケンファンに(のみ)刺さるコミック-『ステーシー』

『ステーシー』 原作:大槻ケンヂ、漫画:長田ノオト/2001年/182ページ ――近未来。一五歳から一七歳の少女が原因不明の死をとげ、人間を襲う屍体となって蘇る現象が世界中で蔓延していた。彼女らは“ステーシー”と呼ばれ……。大槻ケンヂ入魂の純愛ホラー小説…

様々な視点から読み解ける名作群。圧倒的な絵のパワーに改めて感銘を受ける-『のろわれた手術』

『のろわれた手術(オペ) ~手塚治虫怪奇アンソロジー~』 手塚治虫/1995年(復刊:2023年)/362ページ ※復刊版表紙 漫画の神様が遺した十二の恐怖マンガアンソロジー。ホラー漫画の原点! 表題作となったブラック・ジャックの奇跡の手が、千五百年前のミイ…

絶叫、咆哮、鬼気迫る形相。いい顔特盛り、グロ描写連発のトラウマ作『妖虫』も完全収録-『死霊の叫び』

『死霊の叫び ~古賀新一恐怖傑作集~』 古賀新一/1997年/391ページ 手首が蠢めき、人間を飲み込む怪物――。脳や心臓が消失し、昆虫のように脱皮する奇病に冒された人間が増殖する戦慄を描いた「妖虫」。健気な少女に浮遊霊がしのびよる「死霊の叫び」、静…

ホラー漫画史を語るには外せない、巨匠ぞろいのアンソロジー。「聖なる恐怖」って何?-『HOLY』

『HOLY ホラーコミック傑作選 第1集』 手塚治虫、美内すずえ、諸星大二郎、日野日出志、丸尾末広、内田春菊、花輪和一、永井豪、萩尾望都/1993年/377ページ 日本を代表する九人の巨匠たちが紡ぎ出す、「聖なる恐怖」。名作中の名作を厳選した待望のコミッ…

伝奇ホラー、超能力、人形怪談、ピカレスクロマン…『ガラスの仮面』以前の怪奇傑作集-『人形の墓』

『人形の墓 美内すずえ作品集』 美内すずえ/1994年(復刊:2023年) /432ページ 『ガラスの仮面』の美内すずえの初期のホラー傑作短篇! 「黒百合の花が咲くとき、誰かが死ぬ」。不吉な”黒百合伝説”の影に脅かされる少女・安希子。そして彼女はこの呪われた家…

時には淡々と、時にはユーモラスに市井の人々のドス黒さを描く短編小説+コミック-『隣人』

『隣人 内田春菊ホラー傑作選』 内田春菊/2002年/258ページ とある集合住宅で新生活を始めた共働きのカップル。夫はコピーライター、妻はスタイリスト。まわりは専業主婦ばかりらしい。最初は至極快適に思えた住まいだったが、やがてふたりの身辺に、不可…

子供目線の恐怖、思春期の暴走、SF、下ネタ、豪ちゃん全部盛り!-『切れた糸 ~永井豪自選作品集~』

『切れた糸 ~永井豪自選作品集~』 永井豪/2001年/354ページ 登校途中のススムは、公園で若い母親が我が子を撲殺する現場を目撃する。しかし、大人達が無感動に子供達を殺す怪奇現象は街中に広がっていた。逃げ惑いながら少年達は気づく。自分と親をつな…

今なお貴重な「マタンゴ」「くだんのはは」コミカライズを収録!-『歯車 ~石ノ森章太郎プレミアムコレクション~』

『歯車 ~石ノ森章太郎プレミアムコレクション~』 石ノ森章太郎/2002年/375ページ 『仮面ライダーアギト』、『サイボーグ009』と代表作がTV放送中と、その死後も人気の石ノ森章太郎の傑作選。今なお人気の高い『マタンゴ』や小松左京原作の『くだんのはは…

ホラー視点で読むヒーロー漫画。コンセプトは新しいが企画倒れ気味-『マスカーワールド ~石ノ森章太郎恐怖アンソロジー~』

『マスカーワールド ~石ノ森章太郎恐怖アンソロジー~』 石ノ森章太郎/2001年/315ページ すでに描かれていた21世紀の恐怖! 「変身忍者嵐」「仮面ライダー」「ロボット刑事」「イナズマン」「佐武と市捕物控」など、名作に秘められていた恐怖のメッセージ…

楳図入門編として無難な1冊。大槻ケンヂとのぶっちゃけ過ぎ対談が見もの-『赤んぼう少女 楳図かずお作品集』

『赤んぼう少女 楳図かずお作品集』 楳図かずお/1994年/452ページ 屋根裏部屋に幽閉された悪魔の子タマミの、養父への激しい復讐心と、その娘葉子に対する嫉妬心への恐怖を描く表題作。呪われた家系に生まれたネコ少女の数奇な運命を描いた「黒ねこ面」他…

絶望的な結末が救いに見えるほどに、悲惨極まりないトラウマ作品-『灰になる少年 ~ジョージ秋山恐怖劇場~』

『灰になる少年 ~ジョージ秋山恐怖劇場~』 ジョージ秋山/1997年/393ページ 「おまえが幸せに暮らせるのも、今のうちだぜ」――。潮少年は見知らぬ男に囁かれた言葉が耳から離れない。お手伝いさんの首なし殺人事件が恐怖へのプロローグなのか!? 潮少年に迫…