『ラストファミリー』 森村誠一/2002年/221ページ 八十歳に近い高齢で、死を待つだけになった老婆・横尾こう。こうには先に死んでしまった息子と娘の、嫁と夫に財産を残したくないという憎悪があった。こうの死の床に立ったのは、あろうことか死へのお迎え…
『感染 J-HORROR THEATER』 塚橋一道/2004年/155ページ その病院は建物の老朽化に加え、経営危機から薬や備品が圧倒的に不足している状況が続いており、多くの患者が、生死の境をさまようことが日常と化していた。医師や看護師たちの精神と肉体も限界に達…
『怪談歳時記 12か月の悪夢』 福澤徹三/2011年/224ページ 初詣の夜に妻を見失った男。帰ってきた妻は、以前とはなにかがちがっていた。老人の語りが戦慄を呼ぶ「鬼がくる家」。女子大生の“あたし”は真夏の山中で、われにかえった。見知らぬ車に見おぼえの…
『フランケンシュタインの子供』 風間賢二・編/1995年/370ページ 名作「フランケンシュタイン」の後、人造人間をモチーフとした様々な形の小説が誕生した。死者を蘇らせること、人間を創造することにとり憑かれてしまった者の苦悩と狂気に満ちた運命の数々…
『夏風モノクローム ハサミ少女と追想フィルム』 佐島佑/2015年/291ページ 道郎の通う帝陽美術大学の上空に突如、カラスの大群が現れた。教室で映画撮影の稽古をしていた道郎は、ホラー映画から飛び出してきた謎の少女・カルミンとともに解決に乗り出すが…
『ハサミ少女と追想フィルム』 佐島佑/2014年/323ページ 美術大学に入学した内気な男子、道郎は、おかしな先輩・桧垣に誘われてホラー映画を作ることに。桧垣に渡されたホラー映画を見ていると、なんと画面から、大ハサミを持った少女が飛び出してきた!カ…
『楽園(ラック・ヴィエン)』 岩井志麻子/2003年/141ページ 灼熱の夏が永遠に続く国ベトナム。ホーチミンを訪れた「私」は夏の国の男に出会う。彼は綺麗な南の地獄そのものだった―。名前も素性も知らぬまま、ただ享楽的なセックスに溺れるふたり。―床惚れ―…
『牛家』 岩城裕明/2014年/197ページ ゴミ屋敷にはなんでもあるんだよ。ゴミ屋敷なめんな―特殊清掃員の俺は、ある一軒家の清掃をすることに、期間は2日。しかし、ゴミで溢れる屋内では、いてはならないモノが出現したり、掃除したはずが一晩で元に戻ってい…
『湘南人肉医』 大石圭/2003年/302ページ 湘南で整形外科医として働く小鳥田優児は、神の手と噂されるほどの名医だった。数々の難手術を成功させ、多くの女性を見違えるほどの美人に変貌させていた。しかし、彼は小さな頃から人肉に対して憧れを持っていた…
『ぼぎわんが、来る』 澤村伊智/2018年/384ページ “あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。それ以降、秀樹の周囲で起こる部下の原因不明の怪我や不気味な電話などの怪異。…
『フルコースな女たち』 新津きよみ/2015年/268ページ 小学校教師の水川には給食で食べられなくなった物がある。それはうずらの卵。その理由には、彼女の母親のある「奇行」にまつわる、強烈なストレスが関係していて…(「転落―食前酒」)。智恵子、敦子、真…
『ブレーキ』 山田悠介/2008年/284ページ ―死ぬのか、俺は―!?生命をかけた熾烈な死の遊戯。生き残りたければ、勝つしかない!!ブレーキを踏むと囚われた幼なじみが処刑される。彼女を救うためには、時速100キロで走る車を操りながら、ブレーキを踏まずに20…
『屑籠一杯の剃刀 自選恐怖小説集』 原田宗典/1999年/193ページ ……「恐怖」に至る一歩手前で感じられる「奇妙」という感覚を描いてみたかった。日常と非日常、あるいは現実と非現実との境界線上に、きわどく存在する奇妙な世界。それを物語ることはぼくに…
『三丁目の地獄工場』 岩城裕明/2016年/245ページ 「代わりましょうか?」仕事に疲れ果てていた私は、居酒屋で謎の男に声をかけられ、ヤケクソで「代われるもんならね」と応えてしまう。気がつくと本当に男と入れ替わり、毎朝“地獄”に出勤するはめに―「地獄…