『華舞鬼町おばけ写真館 夜の語り部とふっくらカルメ焼き』
蒼月海里／2019年／208ページ
「虚路は、人から忘れられそうになったら姿を現す」なぜなら忘れられるとその概念が消えてしまうから、と狭間堂から説明を受ける那由多。一方、浮世と華舞鬼町では拍子木の怪談と神隠しの事件が増えていた。夜回りの時に打つ拍子木を追いかける別の拍子木。二番目に聞こえた音を聞いた人が消えてしまうのだ。そして那由多の姉・茜も行方不明に。姉を捜してある映画館に入った那由多は、祖父の形見のカメラを壊してしまう。
(｢BOOK｣データベースより)
虚路との決戦を描きつつ、狭間堂と円の濃厚な絡みが見られるという最終回っぽい雰囲気の巻。もうちょっとだけ続くんじゃ。
第一話｢那由多と送り拍子木｣では、本所七不思議・送り拍子木の怪談に那由多の姉である茜が取り込まれてしまう。狭間堂の協力で茜を探しだす那由多だが、祖父の形見である過去を映し出すカメラが虚路の攻撃で壊れてしまい…。。第二話｢那由多と消える住民｣では祖父のカメラを失ったことを悔やむ那由多だが、友人らのフォローで少しずつ立ち直る。都会のど真ん中で人が消えるという神隠しの怪談に対し、カメラの能力とはまた異なる現代的なある手段で対抗する。第三話｢那由多とふたりの絆｣では、華舞鬼町への侵攻を開始した虚路との決戦。狭間堂と那由多、そして前回虚路によってセーラー服の美少女にされてしまった円の3人が、虚路の待つ“十二階”へ向かう…。余話｢狭間堂とかけがえのない友人｣は、クリスマスイブに池袋でイチャイチャする狭間堂と円の話。話としては正直今回ですべて一区切り付いた感じがあるが、次巻以降はどうなるのだろうか。
★★★（3.0）
