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未練残す死者のメッセージ、意外と温かく恨み節は少なめ、かと思いきや…-『怪談狩り 黄泉からのメッセージ』

『怪談狩り 黄泉からのメッセージ』

中山市朗/2018年/256ページ

あの世からのメッセージは、さまざまな形でこの世に出現し、私たちに語りかけてくる――。親族に不幸があるたびに夢枕に現れる生首、幼い子どもをひき逃げした犯人を探し求める刑事が見つけた金属片、夜道に佇む男の子が手にした新聞紙、「俺は16歳までに死ぬ」が口癖だった同級生の家を代々襲う数奇な運命……。日常に潜む小さな違和や怪異を丁寧にすくいあげる。「新耳袋」の著者が全国から蒐集・厳選した戦慄の怪談実話集。

(「BOOK」データベースより)

 

 安定のクオリティとボリュームを持つ実話怪談集第5弾。理解不能ながら妙に怖い「身の上話」、ストレートな怪談「布団で寝るな」「助手席の女」、都市伝説枠「私、どんな感じ?」辺りが個人的にベスト。サブタイトル通り、死者がメッセージを伝えてくる話もいくつかあるのだが、そもそも実話怪談の多くはそーいう話のような気がする。

 先だった家族が残された家族を想う…みたいな「イイ話」がそこそこ多く、怖い話は少なめ。シリーズの中ではちょっとインパクトに欠けるかな…と思っていると、ラスト一編「七代祟る」にゾクリとさせられる。

★★★(3.0)

 

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