『警視庁超常犯罪捜査班 File♯2 勉教』
吉村達也／2012年／368ページ
大脳が異常発達した小学生５人が信仰する最悪の宗教、それが「勉教」。その布教活動を、絶対に止めなければならない。担任の吉野亞夜花は、その決意を元恋人に託して自殺した。しかし彼女の部屋からは、１５本もの指が発見される。連続猟奇殺人鬼フィンガー・ハンターの収集品だった。異常なのは生徒なのか教師なのか？警視庁超常犯罪捜査班チームクワトロは、謎のカルト宗教を操る驚異の存在を探り当てた。書き下ろし。
(｢BOOK｣データベースより)
犠牲者の手や足の指を切断する連続猟奇殺人鬼｢フィンガー・ハンター｣。自殺した小学校教師・吉野亞夜花の部屋から切断された指が見つかり、容疑者死亡として事件は幕を閉じたかに見えた。だが、亞夜花が担任していたクラスの5人の少年少女たちは、亞夜花を追い詰めた連中への復讐を開始する。何よりも勉強が第一と説く、大脳を信仰する宗教｢勉教｣。その信者であるIQ300以上の天才児たち5人が、未曽有のテロ事件を起こそうとしていた…！
便利過ぎる能力を持つ超能力者たちが、ムチャクチャな超常犯罪に挑むシリーズの続編。言うほど賢くは見えない勉教信者の子供たち、思ったより活躍が地味な超能力捜査班、言動が理解の範疇を超えすぎているフィンガー・ハンターとそのあっけない最期と、ツッコミが追い付かないとてつもないストーリーである。フィンガー・ハンターの凄惨な犯行を描くプロローグ、強引な展開の果てに辿り着く妙にイイ話っぽいエンディングと、導入と結末はそれなりに体裁が整っていてさすがベテランだとは思わされるが、まあマジメに読むような話ではないです。
★★★（3.0）
