『COPY 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』
内藤了/2018年/320ページ
鑑識官・三木と麗華の結婚式も束の間、比奈子らに事件に知らせが入った。心臓が刳り抜かれた2遺体が八王子の廃ビルで見つかったのだ。一昨日も日本橋で同様の3遺体が発見され、現場には血痕で「魔法円」で描かれていた。12年前と30年前の未解決事件との類似を聞かされる比奈子。同じ犯人が再び活動しているのか?そして保が身を隠すセンターでは少年、永久がある発見をしていた…。大人気警察小説シリーズ第9弾!
(「BOOK」データベースより)
懐かしい過去キャラ総出演の結婚式で安らいだのも束の間、30年前・12年前の未解決事件と同じ手口の凄惨な魔法円殺人事件が発生、猟奇犯罪捜査班の出動となる。血で描かれた魔法円の中心にくり抜かれた心臓を捧げられるという、常軌を逸した殺人犯の目的とは何か。これらの事件は同一犯の仕業なのだろうか?
今回は最終章の半分まで読み進めても犯人らしい犯人像がつかめず、これまでのシリーズ作品とはやや異なる構造になっている。読者的には前回で明らかになった組織“スヴェート”が黒幕であることは察しはつくのだが、事件の全貌はなかなか複雑である。さすがに「この巻からでも問題なく楽しめる!」とは言い難くなってきたが、クライマックスに向けてのお膳立ては整ってきた感じ。しかしタイトルの「COPY」が示す意味、完全に予想が外れていた。てっきり事件がCOPYされていたのかと…。
★★★☆(3.5)