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級友たちの不審死は殺人鬼の呪い? トンデモすれすれの超展開ミステリ-『レスト・イン・ピース 6番目の殺人鬼』

『レスト・イン・ピース 6番目の殺人鬼』

雪富千晶紀/2018年/368ページ

これは〈殺人館〉の呪いなのか? 予想を覆す衝撃のラストに瞠目せよ!

大学生の友哉は、中学の同窓会に参加することに。
しかし集まったメンバー達は、一様に何かに怯えていた。
そんな中、一人が突如変死する。
実は既に元級友が6人も、謎の死を遂げているという。
更に続く旧友の死に、友哉は元彼女のリカらと共に調査を開始。
近現代の連続殺人犯たちをモチーフにした、
テーマパークのホラーハウス〈殺人館〉の呪いではと推測するが……。

このてどんでん返し、予測不可能!
究極形のホラーミステリ、登場!!

――徹夜覚悟で、読んでください。

(Amazon解説文より。原文ママ)

 

 中学校の同窓会に出席した越智友哉は、同級生たちが次々に怪死していることを知った。同窓会の最中にもひとりが呼吸不全で突然死し、何らかの呪いがかけられているに違いないと考える。生き残ったメンバーで呪いの正体を暴くための調査を始めるが遅々として進まず、その間にもひとり、またひとりと犠牲者は増え続ける…。

 友哉たちは、呪いの根源が遠足で訪れた遊園地の「殺人館」にあると推測。殺人館に所蔵されている、シリアルキラーやその被害者たちの所有物の中に呪われた物品があったのではないか。殺人館のオーナーだったアメリカの資産家・ネヴィルと、彼のことを調査しているシリアルキラー専門のライター・レイモンドのことを突き詰めた友哉たちは、藁にも縋る思いでレイモンドに連絡。そして友哉と級友のひとり・細川は、レイモンドに会うためアメリカに旅立つ…。

 

 死の呪いから逃れるため、主人公たちがその正体を調べていくうちにおぞましい真実が浮かび上がる…というホラーミステリ。かの『リング』を始め、わりとお馴染みの構成だが、本作はとにかくその調査がスムーズにいかず、「事情を知っていそうな人を見つけては空振りに終わる」という展開が連続する。とは言え彼らは探偵でもない素人の集まりだし、呪われる心当たりもないし、ある意味リアルではある。そもそも、本当に彼らには「呪われる心当たりがない」のだろうか…と不穏さを煽る描写もあるため、退屈さは感じない。

 ただ、舞台がアメリカにまで広がった辺りで「この話はどこまで行ってしまうのか」と少々不安になってくる。中学校のクラスメイトへの呪いという、学校の怪談じみた話だったのがなぜミシシッピ州に行くハメに…? しかも特に収穫はないまま友哉たちは帰国、さらにレイモンドも事故で死亡してしまう。で、いろいろあって呪いの正体はあの日の遠足で姿を消した元クラスメイトだということをようやく認めた友哉たちは、とうに廃墟と化した殺人館へと向かう…というのがクライマックスである。その後の「どんでん返し」については「いくらなんでも大掛かり過ぎるだろ」としか言いようがなく、ぶっちゃけトンデモの域に達している。いろいろとブレてしまっている気もするが、本作の主軸は呪い云々ではなく「サイコパスの恐ろしさ」、すなわち「6番目の殺人鬼」の正体であり、その主軸自体は非常に読みごたえがある。とにかく読んでみてくれとしか言いようがない作品。

★★★☆(3.5)

 

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