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死から蘇った司祭はキリストの再来か。完全無欠な‟奇跡”の真実は…?-『バチカン奇跡調査官 千年王国のしらべ』

『バチカン奇跡調査官 千年王国のしらべ』

藤木稟/2011年/416ページ

奇跡調査官・平賀とロベルトのもとに、バルカン半島のルノア共和国から調査依頼が舞いこむ。聖人の生まれ変わりと噂される若き司祭・アントニウスが、多くの重病人を奇跡の力で治癒したうえ、みずからも死亡した3日後、蘇ったというのだ! いくら調べても疑いの余地が見当たらない、完璧な奇跡。そんな中、悪魔崇拝グループに拉致された平賀が、毒物により心停止状態に陥った──!? 天才神父コンビの事件簿、驚愕の第4弾!

(Amazon解説文より)

 

  プロローグから平賀がテロリストに襲撃され、息を引き取るという衝撃の幕開け。今回の奇跡調査は小さな教会の司祭、アントニウス十四世が起こした数々の御業。アントニウスは癌をはじめとする人々の病を治癒したばかりではなく、反カソリック勢力に額を撃ち抜かれても3日後に蘇ったという。死からの復活はキリストのみが起こせる奇跡。彼が本当に死後蘇ったとすれば、バチカンは彼をキリストの生まれ変わりと認めざるを得なくなってしまう。

 平賀とロベルトはアントニウスの教会へと向かうが、どれだけ調査を尽くしても、彼が死後に蘇ったこと、人々の病を治したことは事実であるという結果しか出なかった。アントニウスは本物の聖人なのか…。だが、調査を進める彼らの周囲に不穏な影が見え隠れする。教会の神父の1人が局部を切断されて死亡。アントニウスを悪魔憑きとののしったムスリムの指導者が、公衆が見つめる中で突然燃え上がり焼死。そして平賀は悪魔崇拝組織「サタンの爪」に誘拐され、毒により危篤状態に陥る。心停止した平賀を蘇らせたのは、かのアントニウス司祭だった。ついに本当の奇跡と出遭うことができたのだと感動に打ち震える平賀とロベルトだったが…?

 

 あらゆる科学調査が「本物」と認める奇跡との対峙。やはりというかなんというか、その裏には恐るべき黒幕がいたわけだが、いくらなんでも最強すぎる相手であった。平賀、ロベルトがほぼ完敗を喫するというエピソードで、これまた因縁が生まれそうな展開。安定した面白さだが、トリックに関しては少々既視感があるので、今後はちょっと目先を変えてもらいたいところ。

★★★☆(3.5)

 

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