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恋のライバルがいいヤツ過ぎて困惑する主人公。ミステリとしても恋愛物としても安定の好シリーズ-『ホーンテッド・キャンパス 桜の宵の満開の下』

『ホーンテッド・キャンパス 桜の宵の満開の下』

櫛木理宇/2013年/344ページ

幽霊が視えてしまう体質の大学生、八神森司。その能力を生かし(?)、オカルト研究会で、美少女こよみに密かに片想い中。しかしオカ研には、恐怖の依頼が続々と、凍死寸前の男が訴える「雪おんなの祟り」や隙間から覗く眼など、難問奇問を調査する中、恐れていた出来事が!それは、こよみの元同級生だという、爽やか系今どき男子(しかも好青年)小山内の登場で!?ホラーなのに胸キュンと大人気、青春オカルトミステリ第3弾。

(「BOOK」データベースより)

 

 こよみちゃんの元同級生の男がなれなれしくエンカウントしてきて、しかもそいつがハイスペックな上に性格もわりといい好青年なので無下にもできずウギャー、というラブコメのお約束みたいな展開。こういうのでいいんだよ的な安心感があると同時に、オカルトミステリとしても真相の適度な意外っぷりがちょうどよい。シリーズものとしては完璧。

 「月の世がたり」では、日中でも異様な寒さに襲われる男がオカルト研究会に来訪。雪女の祟りを訴えるが…。「覗く目」では家具の隙間から誰のものとも知れない「目」に射すくめられる女学生、「泣きぼくろの人」では急に彼女に対して異常な怒りを覚えてしまう男、「白丁花の庭」では教授のパワハラに耐え兼ねた院生が起こすポルターガイスト、「水辺の恋人たち」では恋人たちに心中を強要する沼の怪異が語られる。

★★★★(4.0)

 

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