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全部読めるといいですね。

伝説のオカルト廃墟スポット「山の牧場」後日談を含む、建物にまつわる実話怪談-『怪談狩り 禍々しい家』

『怪談狩り 禍々しい家』

中山市朗/2017年/256ページ

怪奇蒐集家・中山市朗が狩り集めた戦慄の建物怪談。人の気配がない角部屋から聞こえる妙に大きな生活音、引っ越し先で見つけた不気味なビデオテープ、誰もいない子ども部屋で突然鳴りだすおもちゃの音、夜の駐輪場の地面に這うモノ…。「新耳袋」で話題騒然、今もさまざまな憶測を呼ぶ「山の牧場」の、ここでしか読めない後日譚6話も収録。どの町にもある普通の建物が、異様なものを孕む空間かもしれない。文庫オリジナル。

(「BOOK」データベースより)

 

 今回は「建物」にまつわる実話怪談を中心に収録されている。だいたいの実話怪談は何かしらの建物内で起きることが大半のような気がするが、幽霊屋敷・幽霊物件モノのほかにも、家族や家系についての「家ホラー」も含まれている。ある意味クラシックなカサコソ系幽霊が登場する「角部屋からの訪問者」、聞いたことのあるようなないような心霊儀式のリアリティが厭な「心霊遊び」、あまりにシンプルかつ怪異なオチが逆に印象的な「ルームシェア」など、ストレートな怪談が多めの印象。

 注目すべきは、本書の4分の1を占めるボリュームで語られている、伝説級の現代怪談「山の牧場」の後日談。『新耳袋 第四話』で語られて以来、あまりの不可解さにさまざなオカルト系サイト・書籍・番組等で紹介されてきた有名な廃墟スポットで、概要と後日談の両方が収録されている。初見の人は本書を読みつつ、画像検索などもしてみてほしい。ホント不気味で正体不明で、魅力的な廃墟なのだ。

★★★★(4.0)