『マッチング TRUE LOVE』
内田英治/2026年/320ページ
謎と愛情が交錯する、パニック必至のサバイバル・スリラー!
唯島輪花が「アプリ婚連続殺人事件」に巻き込まれてから2年。恋人・吐夢と支え合いながら暮らしてきたが、白いバラの花びらを残し、彼は唐突に姿を消してしまう。行方不明の吐夢を捜す中で、彼女はスタッフとしてマッチングツアーに同行することになる。舞台は南の孤島。恋人を見つけて楽しむ参加者たちだったが、偽りの愛を裁くという、2年前を彷彿とさせる事件が起こり始める。映画「マッチング TRUE LOVE」原作小説。
(Amazon解説文より)
「マッチングアプリ婚連続殺人事件」がきっかけで知り合った唯島輪花と永山吐夢は、今ではお互いに支え合う恋人同士だった。イベント企画会社「EO社」に転職し、新たな生活を始めた輪花だったが、ある日を境に吐夢が姿を消してしまう。
EO社で輪花の友人・佐々木万由子が企画した、行き先シークレットのマッチングツアー「南の島で恋してみました」が開催されることになる。マッチングにトラウマを抱いていた輪花だったが、以前の事件で殺害された親友・伊藤尚美の妹である愛羅がツアーに当選したことを知る。万が一、愛羅の身に危険が及んだら自分が守るしかないと決心した輪花は、スタッフとしてツアーに参加することにした。
そして、沖縄諸島の小さな島「星影島」でマッチングツアーがスタート。プロアスリートの天野由太郎と、実家の呉服店を手伝っているという松橋梨絵。脳外科医の一条克彦と、エステティシャンの日向ゆら。軽薄な動画配信者の清水海斗と、「愛が重い女」を自称する氷室瑠璃。ルックスも財力も気配りも完璧なイ・ソンイルと、交際歴ゼロで内気な高田綾子。次々とカップルが生まれていく中、愛羅は美大生の野村安蘭とマッチングする。“死”の放つ美しさに囚われているという安蘭は、愛羅の姉がマッチング婚殺人事件に巻き込まれて死んだことを知っているようだった。安蘭のエキセントリックな言動に、輪花は嫌な予感を覚える。
ツアー3日目の夜。マッチング成立したカップルが「執行人」を名乗る謎の人物によって惨殺され、その現場が動画サイトで配信されるという凄惨な事件が起きる。顔中を斬り刻まれた犠牲者の姿は、2年前に起きたマッチング婚殺人事件を思い出させるものだった。あの悲劇が再び繰り返されようとしているのか? 「執行人」の正体と目的とはいったい…?
同名映画の公開に先駆けて刊行された原作小説。ぶっちゃけた話、映画のキャスティングを見れば誰が黒幕なのかはバレバレだが、まあこれは媒体の特性上仕方ないだろう。第一章では前作『マッチング』のストーリーや登場人物が細かく説明されているので、内容を忘れてしまった人でも安心だ(前作未読の人には壮大なネタバレになってしまうが)。
ストーリー自体は正直言って「普通のサスペンス」である。マッチングアプリ殺人鬼という理解不能の偏執的な犯人に加え、ヒロインの周りで過剰なほどに悲惨な出来事が巻き起こった前作と比べると、今作はよくあるクローズド・サークルものという印象が強い。お約束の王道展開に程よい意外性が混じる構成自体は悪くなく、求心力があってサクサク読めるのだが、ホラーとして見るとだいぶ物足りないのも確かである。
★★☆(2.5)

