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マッチング婚は許さない純愛連続殺人鬼。一周回って予想外のラスト!-『マッチング』

『マッチング』

内田英治/2024年/288ページ

恋愛に奥手なウェディングプランナーの輪花は、親友の勧めでマッチングアプリを始め、吐夢という男性と会うことに。だが彼は、プロフィールとは別人のような不気味な男だった。以来、彼からメッセージが届き続け、外を歩くと視線を感じるようになる。同じ頃、巷では“アプリ婚”をした夫婦が顔にバツ印を刻まれて殺される、猟奇的な連続殺人事件がー。出会いに隠された恐怖を描く、新感覚サスペンス!映画『マッチング』原作小説。

(「BOOK」データベースより)

 

 巷ではアプリ婚した男女の顔に×印を刻み、殺害する連続殺人事件が発生していた。犠牲者はみな、話題のマッチングアプリ「ウィルウィル」の利用者ばかりだった。
 幼少期のトラウマから、自身の恋愛には及び腰のウェディングプランナー・唯島輪花(演:土屋太鳳)は、出会いを求めてウィルウィルに登録することに。マッチングした相手・トムこと永山吐夢(演:佐久間大介)と会うが、吐夢は写真でのイケメンぶりからは想像できないほどのヤバい奴だった。逃げだすようにして別れた輪花だったが、吐夢はすでに輪花のスマホにスパイアプリを仕込んでいた…。

 イメージ回復を図りたいウィルウィルは、輪花の勤めるブライダル企業とコラボすることに。打合せで出会ったウィルウィルの開発者・影山(演:金子ノブアキ)と親交を深める輪花だったが、彼女の周囲には不穏な影が見え隠れするように。執拗にメッセージを送り続ける吐夢。男でひとつで輪花を育ててきた父親・芳樹(演:杉本哲太)のもとにかかってきた「マリア」を名乗る女性。輪花によこしまな欲望を向けるウィルウィルの役員・和田。さらに殺人事件の犠牲になったカップルのうち2組が輪花の担当だったことが判明し、警視庁の警部補(演:真飛聖)も調査を開始する。そして輪花の同僚が、和田が、そして父親までが次々と命を落とすことになり…。卑劣な猟奇殺人鬼の正体は、そしてその目的はいったい何なのか?

 

 翌月に公開された映画の書き下ろし原作小説で、実質ノベライズと言ってもいいだろう。読みやすさと適度なハラハラを備えたエンタメスリラー。マッチングアプリで結婚する輩に真の愛を教える! とばかりに連続殺人を繰り返すサイコ野郎という、大変分かりやすくも今どきな殺人鬼が登場する。「怪しい人物」がかなり初期の段階で絞り込まれており、映画版の俳優を見れば誰がどうでどうなのかはさらに見当つきやすかったり。

 なんとなく「これはこうなんやろうなあ」と思っていた通りの真犯人ではあるが、エピローグに向けてさらに一転、ついでにもう一転する展開は良い感じ。「一周回って逆に!?」と驚いてしまった。

★★★(3.0)

 

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