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顔見せと設定紹介で終わってしまう第1巻。本領発揮は次巻で…-『モノノケ杜の百鬼夜行』

『モノノケ杜の百鬼夜行』

蒼月海里/2020年/208ページ

東京都台東区御森。またの名をモノノケ杜と呼び、御神木に巫女が嫁入りしたという伝説があった。その末裔の百目木一華は常世の者と心を交わし妖怪と暮らす少年。同じクラスに転校してきた藤谷潤は森に迷い込んだところを一華に助けられ、仲良くなりたいと思う。しかし、なぜか「僕に近付かないように」と言われてしまう。それでも諦めず一華の家に通うのだが…。二人の少年と仲間の妖怪たちによる、怪事件謎解き青春物語。

(「BOOK」データベースより)

 

 台東区の御森に引っ越してきた、霊感持ちの気弱な高校生・藤谷潤。森に迷い込んだ潤は、妖怪と共に暮らす美少年・百目木一華と出会う。奇しくも転校した先のクラスメイトだった一華と親交を深めたい潤は、彼のもとに舞い込む物の怪や幽霊についての相談事を共に引き受けることにするのだった。

 

 異常に話のテンポが良く、爆速で怪異に出会って爆速で妖怪と顔見知りになる展開はもうちょっと含みを持たせてもいいんじゃないかと思うほど。妖怪と暮らしつつ、おばけ関係のトラブルを解決していく一華はゲゲゲの鬼太郎過ぎる。

 サブキャラクターは顔見せ程度の活躍しかなく、1巻目とは言え設定を紹介するだけの話になっている感が強い。この作者の悪い面が出ている。いつもの東京御当地ネタも妖怪ネタも薄く、「う~ん」以外の感想が…。これなら先に2巻のほうを読んでもらいたい気もする。

★★(2.0)

 

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