角川ホラー文庫全部読む

全部読めるといいですね。おすすめ作品等はリストから

異形コレクション(旧)1200編からガチでベスト10を選ぶ

 『異形コレクション』は、1998年に刊行された文庫本シリーズ。毎巻決められたテーマをもとにホラー・SF・ミステリ・ファンタジー・実験小説といったさまざまな「異形」の作品が集められたオリジナルアンソロジーである。

 1冊につき20作前後を収録しており、5~600ページと分厚くボリュームはたっぷり。しかも既刊62巻(2024年6月現在)と相当な読み応えである。さらにスピンオフ9巻、別冊1巻、傑作集1巻も出ており、日本を代表するホラーアンソロジーと言って過言ではないだろう。

 

 

 本シリーズ自体は角川ホラー文庫とは関係ないのだが、参加者の顔触れは非常に豪華であり、角川ホラー文庫でもおなじみの面々が揃っている。編纂者の井上雅彦は序文、構成、各作品の紹介において完璧な仕事を見せてくれるし、参加者も名だたる短篇の名手、怪奇のベテランが勢ぞろい。菊地秀行、横田順彌、山田正紀、朝松健、梶尾真治、加門七海、津原泰水、久美沙織、倉阪鬼一郎、篠田真由美、平山夢明、小中千昭、渡辺浩弐、上田早夕里、小林泰三、澤村伊智、田中啓文、最東対地…。複数回登場している寄稿者をパッと目に付くだけ挙げてみても、そうそうたるメンバーであることがわかるだろう。オリジナルアンソロジーは玉石混交と言われるが、各作品のクオリティもかなりのものだ。

 今回は思い入れ深い『異形コレクション』のうち、1巻「ラヴ・フリーク」から48巻「物語のルミナリエ」までに収録された約1200編の中から「私的ベスト作品10」を紹介する。49巻以降もコンスタンスに刊行されているのだが、シリーズが一段落した48巻をとりあえずの区切りとさせていただく(48巻から49巻刊行までは9年が経過してたりする。とは言え、全体の雰囲気も各作品の切れ味の鋭さもまったく変わっていない)。

 

 じゃあ、以下順不同で私的ベスト10です。

 

 

 

●DECO-CHIN(中島らも/30巻『蒐集家(コレクター)』収録)

 

【あらすじ】音楽雑誌記者が出会ったバンド「コレクテッド・フリークス」には、他のバンドとは決定的に違う箇所があった。彼らにしか生み出しえない音楽の魅力にどんどん彼は引き込まれていくのだが…。

 

 中島らもの遺作だが、氏の小説の持ち味すべてをブチ込んだような奇跡の傑作に仕上がっている。10周年記念の別冊『異形コレクション讀本』で、参加作家に「いちばん心に残っている作品は?」とアンケートする企画があったんやけど、もっとも票を集めたのがこの作品だったほど。闇の中でしか生きられない「異形」への温かい視点、劇中バンドの詞の格好よさに加え、グロテスクと笑い、純愛とトンデモ、様々な要素が混然となった奇想天外としか言えない一編。
 中島らもは本作のほか、わりと凡庸な怪談「コルトナの亡霊」23巻『キネマ・キネマ』収録)、実体験そのまんまとしか思えないアル中小説「頭にゅるにゅる」24巻『酒の夜語り』収録)を寄稿している。

 

 

●サラ金から参りました (菊地秀行/12巻『GOD』収録)

 

【あらすじ】金融会社の取立人である「おれ」が向かうのは、とある新興宗教団体の本部。3000万耳揃えてキッチリ払ったらんかい! と乗り込むも、建物のなかはもぬけの殻で、信者の服だけが残されていた。なぜ服だけが? なんらかの存在が、彼らの肉体だけを消し去ったとでも言うのか? 馬鹿らしい。おかしな手品でごまかすくらいならさっさと金払ったらんか~い!

 

 メチャクチャにやばい「神的存在」と、それをまったく意に介してないチンピラとの対比が愉快な1編。神をテーマにしたこの巻『GOD』では、ホラー界隈では有名過ぎるあの神とその眷属もバンバン出てくるが、まさかサラ金と組み合わされるとはな~! 『異形コレクション』ほぼ全巻に寄稿しているレギュラー作家の菊地秀行、さすがの巧者っぷりである。

 

 

●3D (町井登志夫/23巻『キネマ・キネマ』収録)

 

【あらすじ】首の激痛を訴える主婦が病院に担ぎ込まれる。CTスキャンを撮ることになるが、「フィルム現像機の臭いを気にする」「造影剤に発作を起こす」など、奇妙な点がいくつも見られた。さらに患者の幼い息子は「お母さんの作る料理が急にまずくなり、とても食べられない」と訴える。
 検査結果からはガンであるとも腫瘍であるとも言い切れず、医師たちは患者の首を3D-CTで撮影してみることに。医師たちの目前に映し出された写真は、異様極まるものだった…。


 この巻のテーマは「映画」。この作品にも確かにフィルムもムービーも出てくるのだが、反則ギリギリの離れ業。町井登志夫の『異形コレクション』寄稿作には、毎回「現代の妖怪」という裏テーマがあるようだ。自身が得意とする医療関係の舞台設定・描写もうまく搦めてあり、さながら「映画・医療・妖怪」の三題噺のような巧みな構成を楽しめる。
 町井氏の『異形』作品の中でも本作はひねくり方が際立っていて、ラストも「なんで“映画”テーマでこんなことになってしまうんだよ!」と叫びたくなるような凄惨さでインパクト大。地獄絵図としか言いようがなく、読んでる方も思わず大喝采のスタンディングオベーションである。

 

 


●新鮮なニグ・ジュギペ・グァのソテー。キウイソース掛け (田中啓文/9巻『グランドホテル』収録)

 

【あらすじ】そのホテルのフレンチレストランでは、ヴァレンタインデーの夜にのみ提供される特別料理が密かな人気を呼んでいた。味も香りも食感も極上、一口食べれば忘れられないという究極の美味。その料理の材料は、シェフただ1人しか知らないという…。

 

 6巻『トロピカル』収録の「オヤジノウミ」、14巻『世紀末サーカス』収録の「にこやかな男」、21巻『マスカレード』収録の「牡蠣喰う客」など、田中啓文の寄稿作品はグチャグチャでゲロゲロな作品ばかりで素敵すぎ! 本作も“ニグ・ジュギペ・グァ”という語感からぼんやりと不穏なものを想像する人もいるかもしれんけど、おめでとう! 正解です。この世の物ならざる美味な料理と、実際にこの世のものならぬ醜悪なアレ。振り幅広い描写の冴えがすばらしく、グロテスクなのについつい読み進めてしまう喉越しの良さが一流シェフのワザマエ。
 この巻は文字通りの「グランドホテル」方式。舞台となるグランドホテルの構造や主要人物・施設名を寄稿者で共有し、とあるヴァレンタインデーの夜を描くという凝った構成。いつものテーマ・アンソロジーとはまた異なる味わいを持つ傑作巻で、26巻『夏のグランドホテル』という続編も出ております。

 

 

●げろめさん (田中哲弥/19巻『夢魔』収録)

 

【あらすじ】男はいつしか夜の学校にいた。混濁する意識の中、学校を探索する彼の脳裏に浮かぶのは連絡のつかない妻、そして「げろめさん」なる怪異のことだった…。

 

 時に甘酸っぱく、時には不快な過去との邂逅。混乱する時間感覚。ありえない構造の建築物。グロテスクな人外の怪物…。悪夢にありがちなモチーフが散りばめられた、要約不能な1篇。

 げろめさんはその名の通り、目玉が吐瀉物でできているというオバケ。いくら怪談でもあんまりというか、雑にキモチ悪いビジュアルを持つげろめさんが八面六臂の大活躍! …するかというかそうでもなくて、あくまでげろめさんは主人公の心象を反映させた存在にすぎないというか。そういう幻想的な作品である。どうもグロい作品ばかり続いている気がするけど、やはりインパクトが強いのと、おれ自身の好みがアレなのでそこは申し訳ないです。
 田中哲弥の『異形』寄稿作ではビジュアルイメージが凄まじい「猿駅」6巻『トロピカル』収録)、リョナという言葉が生まれる前に書かれたリョナ文学「初恋」12巻『GOD』収録)が思い出深いし、これらの作品や「げろめさん」も収録された短編集『猿駅/初恋』(早川書房)は傑作揃いの異形短編集なんでぜひ読んで!

 

 

●ママ・スイート・ママ (安土萌/2巻『侵略!』収録)

 

【あらすじ】みよちゃんが幼稚園から帰ると、ママがお菓子になっていました…。


 本シリーズのアンソロジストである井上雅彦は「星新一ショートショート・コンテスト」がデビュー。このコンテスト出身の作家は枚挙にいとまがないが、『異形コレクション』でもコンスタントにショートショートを寄稿していたのが安土萌と江坂遊の2人。その作品の水準の高さは初期の「ショートショートの広場」でもひときわ輝いておりました。江坂遊作品は氏の短編集で読むことができるんやけど、寡作の安土萌にはいまだまとまった短編集が無いらしい。ほんと、安土作品を読むには『異形コレクション』を追いかけるくらいしかなかったりする。
 2巻『侵略!』はSFホラーが多く集まった巻だが、「ママ・スイート・ママ」はその中でもとりわけ奇妙な、それでいてまぎれもなく恐ろしい“侵略”を描いている、一度読んだら忘れられない4ページ作品。本当に、どこかで安土萌作品集出してくれないかな…。

 

 

●魚舟・獣舟 (上田早夕里/36巻『進化論』収録)

 

【あらすじ】ほぼすべての大陸が海に沈んだ世界。海上民としての暮らしを捨て、陸上民としての人生を選んだ「私」は、獣舟討伐隊の任務に就いていた。海上民は必ず双子として産まれる。一方はヒトの姿だが、もう一方は魚の形をして産まれてくる。やがて成長したヒトと海へ返された魚は〈操舵者〉と〈舟〉として関係を結ぶが、〈操舵者〉に捨てられた〈舟〉は獣舟へと姿を変え、陸にあがって資源を食い荒らす害獣となる。
 とある満月の夜、私は立ち入り禁止区域に美緒と名乗る海上民が侵入したとの報告を受ける。彼女はかつて、私と同じコロニーで暮らした幼なじみだった。美緒は「獣舟狩りを中止して欲しい」と私に訴える。かつて彼女の朋であった魚が、獣舟となって上陸してくるのだという…。


 一読後、その濃密な世界設定にすっかりやられてしまった。わずか30ページに収まっているのがとても信じられないレベル。本作の世界観は「オーシャンクロニクルシリーズ」としてその後も展開され、長編作品にも発展している(その中の1作『華竜の宮』は日本SF大賞受賞作品)。
 36巻『進化論』にはSF作品も多く収録されていけど、脳内で容易に再現可能な本作のビジュアルは際立っていた。水没する高層ビル、一生を船上で暮らす海上民の生活、平成ガメラを思わせるような異形の進化存在、ラストで「私」が思い描く壮大なる外海のイメージ…。映画1本観終えたかのような読後感。
 上田早夕里の『異形コレクション』寄稿作品は、単行本『魚舟・獣舟』『夢みる葦笛』(ともに光文社)でまとめて読めます。個人的に38巻『心霊理論』収録の「くさびらの道」も忘れがたい。「人間に寄生し憑り殺すキノコ」というB級映画のような題材を恐ろしくももの哀しい幽霊譚に仕上げた一編で、これがまたイイのだ。

 

 

●穴 (高橋葉介/8巻『月の物語』収録)

 

【あらすじ】傍らに転がった女の死体をよそに、青年はスコップで穴を掘る。ようやく深い穴を掘り終え、女を埋めて安堵の表情を浮かべる。しかし、ふと横を見るともう1つの死体が…。

 

 『異形コレクション』には小説だけのアンソロジーではなく、漫画、絵物語、グラビアなども掲載されていた。本作を描くのは怪奇幻想の大ベテラン・高橋葉介で、漫画ならではのビジュアルイメージがオチに繋がる異形作品だ。
 漫画家の中で『異形コレクション』参加回数がいちばん多いのが高橋氏である。42巻『幻想探偵』で「夢幻紳士 怪奇編」を寄稿しているほか、20巻『玩具館』27巻『教室』では各作品の扉絵も担当しているのだが、ただのイラストではなく、それぞれ「玩具」「教室」をテーマにしたヒトコマ漫画として成立しているのが流石。ちなみに週刊チャンピオン連載作品『恐怖症博士(ドクター・フォービア)』は、『異形コレクション』の22巻『恐怖症』をヒントに生まれた、という裏話もあります。

 

 

●ロコ、思うままに (大槻ケンヂ/33巻『オバケヤシキ』収録)

 

【あらすじ】少年・ロコが暮らす世界には、人形のフリークスたち、「イエス様」を自称する狂った父親が住まう蝋人形館しか存在していなかった。しかし蝋人形館を訪れた少女・リサと出会ったことで、ロコは新たな衝動に突き動かされる。

 

 オーケンの小説は軽く平易な文体で書かれていて、パッと見では彼の歌唱力と同じくずいぶんプリミティブであるなあなどと思ってしまうのだが、これは作中人物ではなく作者自身に感情移入させるためのテクニックやないかと思うんよね。オカルトや電波な人といったはぐれもの(それこそ「異形」と言っていいかもしれない)への「憧れ」と「ひねくれた視線」が両立するオーケン小説は、唯一無二の読書体験をもたらしてくれる。
 「ロコ、思うままに」はオーケンがアーティストとしても第二の全盛期にあった(と個人的に思ってる)ノリノリの時期に書かれた1作で、少々甘ったるさが過ぎる気もするが、本作で描かれる『オバケヤシキ』の定義にはかなりの感銘を受けた。ホラーというジャンルそのものの存在意義と言ってもいい解答かもしれない。
 ちなみにオーケンの寄稿作のうち、インパクトだけで選ぶなら「龍陳伯著『秘伝・バリツ式携帯護身道』」(35巻「闇電話」収録)やね。“異界や冥界から電話がかかってくる”以外に書きようがない「電話」というある意味難しいテーマに対して、反則と悪ノリで挑んだクソバカ小説。いや。小説じゃないな。なんだこれは。としか言いようがないアレ。

 

 

●ミライゾーン (間瀬純子/40巻『未来妖怪』収録)

 

【あらすじ】脚本家の高杉敬二は、40年前の特撮ヒーロー番組「ミライゾーン」のリバイバルアニメを担当していた。シナリオの参考にするためテレビ版を撮影した老監督の話を聞く敬二だが、「ミライゾーン」の脚本家はカルト教団に関わっていただの、ミライゾーンは未来から来なかったことにしてほしいだの、胡乱な発言ばかり繰り返す監督に辟易する。
 改めて新作「ミライゾーン」の脚本に取り掛かる敬二。しかし、“未来から来たヒーロー”であるミライゾーンは、いつしか敬二自身の体験を侵食していた。敬二の過去と現実が、ミライゾーンに取り込まれていく…。

 

 「特撮ヒーローのシナリオと自分の過去がリンクする」という本来ならワクワクするような出来事を、どうしてここまで不穏に描けるのか。おれが無職のころ、ヒマにあかせて品川水族館から東京港野鳥公園へのコンボをキメた日にポカポカ陽気のもとベンチに座りながら読んだ1作。なんでそんなことを覚えているかというと、読書体験が異常過ぎてその日のことが脳裏に焼き付いているからである。幻想的というよりは風邪で寝込んだ日の悪い夢のような作品でありながら、文章には鮮烈なリアリティがある。これは白昼夢ではなく、まぎれもない現実であると突き付けられているような感覚に汗が冷えるというか…。解説不能なラストシーンは、ヒーロー番組の単純明快さとは真逆の妖しく深い霧に包まれていて、本当に忘れがたい。
 特撮というネタを扱っておきながら、いわゆるオタク的なくすぐりを一切やっていないのもミソ。ファン心理とは無縁の視点から描かれた特撮ヒーローの姿は、確かに「未来の妖怪」と呼ぶにふさわしいものかもしれない。個人的には怪奇小説オールタイムベスト10に入る傑作。

 

 

●+αの6作

最初にベスト10と言ったが、あれはウソだ。

 

・花菖蒲 (横田順彌/2巻『侵略!』収録)

  横田順彌は古典SF研究家でもあり、実在した明治の冒険小説家・押川春浪についての著作も多いが、『異形コレクション』でも押川春浪が主役のシリーズ作品を寄稿している。もちろん評伝の類ではなく、春浪とその周辺の人物が語るSF連作集で、明治の時事風俗の描写がメッチャ面白い。この連作をまとめた『押川春浪回想譚』は超オススメ。
 「花菖蒲」は、死期を悟った春浪の「失われた作品」についての奇譚。『押川春浪回想譚』では最終話として収められているだけあって、これがまたなかなか衝撃的な幕切れになっている。

 

 

・椰子の実 (飯野文彦/11巻『トロピカル』収録)

 泥酔明けの朝。肌を焼く日差し。神経を苛立たせながら渋谷の街をふらふら歩く主人公は、偶然出会った知り合いから椰子の実を受け取るが…というお話。短いながらも恐怖度ではトップクラスで、かつて「怪奇探偵小説」と言われていた類の雰囲気も備えた一品。むわっとした不快な熱気が漂ってきそう。『トロピカル』収録の話がちょくちょく出てきてるけど、個人的にはかなり好きな巻かもしれない。

 

 

・宇宙麺 (とり・みき/15巻『宇宙生物ゾーン』収録)

 宇宙生物がテーマのこの巻、とり・みきが描いたのはラーメン状のエイリアンだった! バカバカしくもグロテスクな笑いで、『異形コレクション』のコミック作品の中でもひときわ印象深い1作。

 

 

・ランチュウの誕生 (牧野修/36巻『進化論』収録)

 すさまじい胸糞ホラーで、品種改良という名のいびつな進化を遂げたランチュウの境遇に、複雑な思いを抱かざるを得ない傑作。どうも単行本未収録らしいんやけど、もったいないとしか言えない。この凄まじい悪意の奔流、もっと人の目に触れるべき邪悪なアレである。

 

 

・苦艾の繭 (吉川良太郎/24巻『酒の夜語り』収録)

 いろいろな「酒」がテーマの巻やけど、本作で取り上げられているのはアブサン(ニガヨモギを使用したリキュール)である。それをこういう使い方するのかよ! というアイデアだけでもう度肝を抜かれてしまった。ハードボイルドな文体もテーマに合っていて雰囲気良し!

 

 

・フォア・フォーズの素数 (竹本健治/20巻『玩具館』収録)

 『玩具館』は古典的な人形怪談からドリキャスの『シーマン』まで、多彩なおもちゃが勢ぞろいした巻。本作で登場するおもちゃは「数字」。4つの「4」と4つの記号を使った自然数を作るというパズル遊びのことである。少なくともホラーではない気はするけど、小説としては間違いなく「異形」で、改めて本シリーズの幅の広さというものを思い知らされた1編。

 

 

 本当にキリないからこの辺にしときます。さっきWikipediaチェックしてたら「そういえばこんなんもあったわ」ってのがバリバリ出てきたけど、いずれ1200編再読してみたいし、もちろん49巻以降の収録作品も別の機会にご紹介したい。49巻以降もホント、寄稿作家が豪華すぎてたまらん。以上です。

 

※この原稿は同人誌「二級河川22 怪奇は踊る」収録の原稿に加筆修正したものです。

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