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ストーリーが凡庸なためノベライズ化しても面白みがイマイチ。シリーズの停滞期-『ソウ5 ―SAW5』

『ソウ5 ―SAW5』

行川渉(著)、パトリック・メルトン、マーカス・ダンスタン(原案)/2008年/237ページ

九死に一生を得て助かったFBI捜査官ストラムは、傷一つ負わずにゲームからサヴァイバルしてきたホフマン刑事こそジグソウの後継者ではないかと疑う。しかし、満身創痍で入院中のうえ、上司からは捜査を外れて休養するよう命令されてしまう。一方、ジグソウの妻ジルは、弁護士に預けられていた遺言と遺品を渡され大きな衝撃を受ける…。そしてまたどこかの密室では新しいゲームが始まろうとしていた―。

(「BOOK」データベースより)

 

 前作の生存者・ストラム捜査官とジグソウの後継者・ホフマン刑事との対決、5人の男女を集めての新たなゲーム、ホフマンの過去とジグソウとの出会いが並行して描かれる。ちょっと詰め込み過ぎ感があるうえ、「意味ありげに出てきて正体が明らかにならないジグソウの遺産」という次作への露骨な引きもあり、どうもスッキリしない出来。ゲームの内容が凝り過ぎてて「めちゃイケ」みたいなバラエティ番組を観ているようだし、正直なところストラムもホフマンもキャラとしての魅力が薄く、何をしようが別にどうでもいい気分になってしまう。ストーリー構成は複雑なもののノベライズ化するとゲーム部分以外の盛り上がりがあまり無く、シリーズの繋ぎといった印象。ただこのノベライズ版、映画版には無かったシリーズお約束のセリフ「ゲームオーバー」がちゃんとあるのは偉いです。

★★☆(2.5)

 

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