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痛さと痛快さはシリーズ随一、伏線回収でスッキリ。クライマックス間近!-『ソウ6 ―SAW6』

『ソウ6 ―SAW6』

行川渉(著)、パトリック・メルトン、マーカス・ダンスタン(原案)/2009年/249ページ

FBI捜査官ストラムが死体となって見つかる。ジグソウの後継者と疑われていたストラムの死で、一連の事件に終止符が打たれたかのように思えた。しかし、ストラムの上役だったFBI捜査官のエリクソンは、世間のそうした風評に疑問を抱き、ホフマン刑事の周辺を調べ始める…。一方、元妻ジルは、ジグソウの遺言と遺品を目の前に、思案に明け暮れるのだった…。またしても始まる新しいゲーム。果たして、ジグソウの真の後継者は誰なのか。

(「BOOK」データベースより)

 

 残虐さに関しては続編を重ねるごとにエスカレートしているこのシリーズ。肉を削ぐ、頭蓋骨を穿つ、猛毒で肉をドロドロに溶かすなどゲームのエグさはトップクラスで、「誰を殺して誰を生かすか」を直接ゲーム参加者に委ねる意地の悪さもかなりのもの。今回の被験者でメインとなるのは、かつてジョン(=ジグソウ)の保険金支払いを拒んだ保険金会社の副社長・ウィリアム。これまでの参加者の中でも特に鼻持ちならないイヤな奴として描写されているので、観ているこちら側も逆方向に応援できるのがよいところ。ストーリー的には『3』と『5』でジグソウの残したあるものに関しての謎が明らかになるほか、ノベライズならではのミスリードによる終盤のとある仕掛けが巧くなかなか読みごたえがある。今回は見事に騙されてしまった。

★★★(3.0)

 

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