角川ホラー文庫全部読む

全部読めるといいですね。おすすめ作品等はリストから

映画版よりグロ描写がマイルドになったぶん、登場人物のガバさが目立つ-『ソウ3 ―SAW3』

『ソウ3 ―SAW3』

行川渉(著)、ジェームズ・ワン、リー・ワネル(原案)/2006年/167ページ

女刑事ケリーは、小学校でおこった殺人現場に呼び出される。鎖に繋がれ、爆弾で飛び散っていた死体が行方不明となっていたエリック刑事でなかったことに、胸をなでおろす。しかし、ジグソウはもう動けないはずなのに、いったい誰が?その日の夜、ケリーは何者かに拉致され、気が付くと、どこかの地下室に監禁されていた…。新たなゲームが、スタートしたのだろうか。

(「BOOK」データベースより)

 

 前作『2』のラストをそのまま引き継いで始まる第3作。映画では前2作と比べるとグロ描写がエスカレートしており、痛々しさと気持ち悪さもアップしている。何の救いも無い陰惨なラストもこの作品においてはプラスになり得る。
 ノベライズ版はさすがに映像のグロテスクさを再現しきれていないが、逆に言えば読みやすい…と言えるのかな。登場人物の視点を切り替えつつ描写する手法は前作までと同じだが、そのおかげで一部キャラクターの「愚かさ」がより鮮明になってしまっている。ジグソウとケリーに嫉妬するアマンダのシーンなんて昔のラブコメかと思うくらい。

★★★(3.0)

 

◆Amazonで『ソウ3 ―SAW3』を見る(リンク)◆

www.amazon.co.jp