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世紀末予言がことごとく大ハズれしたことを知った身で読むと味わい深い一冊-『千年世紀末の大予言』

『千年世紀末の大予言』

桐生操/1996年/224ページ

ヨハネやノストラダムスなど、数多の大予言者たちが説いてきた“世界の終末”は、なぜか偶然のごとく、今世紀末に集中している。偉大な大予言者たちは、もう何百年も前から、この千年世紀末に訪れるであろう終末に対して、警告を発しつづけているのだ。天変地異や政変が頻発し、世界中を危機感が取り巻くいまこそ知りたい、大予言のすべて。

(「BOOK」データベースより)

 

 本書が発売された1996年と言えば、阪神大震災やオウム真理教によるテロの記憶も生々しく、多かれ少なかれ終末感が世間に漂っていた頃。令和の世に生きる我々は、本書に載っているような大予言がせいぜい警告、戒めくらいの意味しかないことを知っているが、やはり「ノストラダムスの大予言」が…正確に言えば「研究家たちによるノストラダムスの大予言の解釈」が大ハズレだったことの影響は大きいだろう。

 ノストラダムスはもちろん、ヨハネの黙示録、ファティマ第三の予言、アガスティアの葉、死海文書といったオカルトの基礎教養みたいな有名どころがいろいろ載っており、(それらの世紀末に関する予言がことごとくハズれている点も含めて)勉強になる一冊。ただ、五島勉などの研究者のタワ言をまとめた結果「世界は反キリストとかのせいでもうすぐ滅びるからやべぇ~」という主張のみが目立つ内容になってしまった。資料的価値はあるが、今となってはエンターテインメント性に欠ける印象は拭えない。

★★☆(2.5)

 

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