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残忍かつ滑稽、周到にて杜撰、美麗で醜悪。バラエティ豊か過ぎる殺人カタログ-『美しき殺人法100』

『美しき殺人法100』

桐生操/1996年/255ページ

遥かなる昔から、人は人を殺すために、様々な手法を編み出してきた。バラの花びらや接吻を使った奇想天外の殺人法から、残虐きわまりない逆さはりつけや塗りこめまで、そのアイディアと多様さには、目を見張るばかりである。この本は、古今東西の殺人史を彩った殺人法の数々をサンプルした、怖るべき百選である。

(Amazon解説文より)

 

 「美しき」とは到底言い難い、欲望にまみれた醜悪な殺人の手段×100。古代ローマ、中国の皇帝、戦国武将、軍隊、現代のシリアルキラー…生まれも身分も異なる様々な人々がいかにして他人をブチ死なしたのかを延々と語る、恐るべき歴史読本。項目名がそのまま殺人の凶器や手段を表しているわけではなく、例えば「ペニス」の話はなにもペニスで殺人を犯したのではなくて、ペニスを切り落とされて死んだ男の話である(「尻」は本当に尻で圧死させてしまった話だが)。やはりナチスによる「人体実験」や、「キリシタン迫害」などの大量殺戮の記録は読んでいて気が滅入る。中には「鏡に映った像に念じて、未来を操って事故死させれば完全犯罪!」というトンチキ話「鏡」、静電気が溜まりやすい体質の女性が激しいセックスで夫を死なせてしまう「感電」など、東スポの与太記事みたいなものもあるが。

★★★☆(3.5)

 

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