『着信アリ Final』
秋元康/2006年/216ページ
修学旅行で韓国に行くことになった安城高校2年C組。草間えみりはネットで知り合った韓国の男友達アンジヌと会えることを楽しみにしながらも、小学校からの幼馴染みでクラスメートの松田明日香が参加できなかったことを残念に思っていた。そんな修学旅行のさなかにクラスメートの一人の携帯から聞き覚えのある着信メロディが流れる…。最後にして究極のサバイバルホラー!映画化原作。
(「BOOK」データベースより)
韓国を修学旅行中の高校生たちが、本人の死の時刻と死にざまを告げる“着信アリ”の呪いで次々と死んでいく。呪いのメールを送っているのは怨霊・美々子と同調した引きこもりのいじめられっ子だった。もうそんなことしちゃダメ―! と言っても聞かなかったので、みんなで一斉にそいつのパソコンにスパムメールを送ったらパソコンの電源が落ちて助かったのでヨカッタネという話。あとヒロインの彼氏のチャン・グンソクも死んだ。
今回は学園ホラーとなり、「いじめ」という題材に加えて韓流ブームにもタダ乗り成功、かつ「呪いのメールを転送すれば死なない」というルールを生徒たちに周知させることで、友人関係や信頼をブチ壊す醜い押し付け合いも展開される。題材は見事なのだが調理の仕方がヘタなのかまったく怖くない。「いやぁ~」「ひぃ~」という断末魔も萎えさせてくれるし、「Final」の名にふさわしくない投げっぱなしのラストも消化不良。美々子は結局どうなったの? あれだけ大暴れした信一は? 前作のリリーは無かったことになったの? スパムメールでパソコン落ちたりする? グンソクの手話設定必要? とか無限に疑問が湧いて出てくる。
★☆(1.5)