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前作の怨霊より強いヤツを出したはずが盛り上がりゼロ。台湾行く必要ある?-『着信アリ2』

『着信アリ2』

秋元康/2004年/209ページ

久しぶりに恋人の尚人に会うため、彼のアルバイト先の中華料理店へ向かった保育士の杏子は、そこで薄気味悪い着メロを耳にする。それは、1年前、人々を恐怖に陥れた“死の予告電話”のメロディだった。まもなく尚人の身辺に悲惨な第一の死が訪れる。呪いはまだ終わっていなかったのだ…。

(「BOOK」データベースより)

 

 美々子の「着信アリ」の呪いはまだ終わっていなかった…。前作の生き残りキャラが呪いでどんどん死んでいく。被害者の胃には台湾の炭鉱で採れる石炭が入っていた。美々子の祖父は実は台湾生まれだったのだ! 知り合いの台湾料理屋店主が天婦羅になって死亡してしまった杏子と尚人、あと台湾に恋人がいる孝子というジャーナリストがぞろぞろと台湾まで行くのだが、なんかいろいろあって人がたくさん死んでしまった。完。というお話。

 前作は「ワシにも『リング』くらい作れるわ~~い!」という秋元御大のノリノリっぷり(おもにテレビ局での大惨事シーン)が楽しい一作だったが、今回は話が取っ散らかり過ぎていてどうにも。実は美々子よりヤバい怨霊がいた! それも台湾に…! というロケ地タイアップ消化のためのような取って付けた設定が降って湧いてきたのも、イマイチ霊としての恨みつらみが感じられなかった美々子に変わってわかりやすい悲惨な過去の持ち主・リリィを担ぎ出してきたのも白けるばかり。面白い部分がまったく無い。

★☆(1.5)

 

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