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あまりにも主人公がクズ過ぎるタイホラー映画のノベライズ。そりゃ霊だって怒るよ!-『心霊写真』

『心霊写真』

行川渉(著)、パークプム・ウォンプム、バンジョン・ピサンタナクーン(原案)/2006年/158ページ

パーティの帰り、道を横切る女を車で撥ねてしまった、カメラマンのタンと恋人のジェーン。恐怖に駆られ、動かぬ人影を残し、二人はそのまま走り去った。その日からタンの撮る写真には、人影が写りこむように―。暗室に漂う異常な気配。友人たちの謎の死。写真に写るのは誰なのか。アジア各国で記録的な大ヒットとなったホラームービーを完全ノベライズ。

(「BOOK」データベースより)

 

 上のあらすじを読めば「なるほど、轢き逃げされた女の霊が写真に写るようになったんだな」と誰でも思うだろうが、違うのである。タンとジェーンは自分たちが人を撥ねた現場を再度訪れるが、近くにいた警備員は事故のことなど知らないという。では彼らが写真に写る霊はなんなのか? という展開になり、その女がタンのかつての恋人であり、彼に捨てられて以降行方不明になっていることが判明する。タンとジェーンは女を探すために旅立つのだが、そこでまた新たな恐怖に見舞われる…。

 ともかくタンが最低過ぎて、因果応報以外の感想がない。女を手酷く振っただけでもまあまあ同情できないのに、ラストではさらにとんでもない真相が明かされ「そこまで堕ちるの!?」と言いたくなる。映画版は観ていないがけっこう好評らしく、ハリウッドでリメイクもされている。やはり心霊写真は画で見てナンボという気もする。

★★★(3.0)

 

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