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秀逸な青春ラブコメを収録。面白いけど「こわい本」ではない!?-『ゾク こわい本7 学園』

『ゾク こわい本7 学園』

楳図かずお/2025年/506ページ

憧れの美しい先生がミイラに?! 学園中が恐怖に巻き込まれていく――

聖白バラ女学院の女学生の憧れの美しい先生が、祈りの最中に地下の礼拝堂に安置されていたミイラに手をつかまれ……。墓地で教室でスキー場で繰り返される惨劇。やがて学園中が恐怖に巻き込まれていく。 美に憑りつかれた恐ろしいミイラと少女達の運命は……哀しくも怖い学園ホラーの傑作の「ミイラ先生」。60年代の名作ラブコメとして名高い、美男子が転校してきたことをきっかけに、仲良し女の子たちの惚れ薬をめぐって繰り広げられる笑いあり、涙あり、ちょっぴりせつない失恋ありの学園ラブコメの原点とも言われている傑作を収録。

(Amazon解説文より)

 

 「ミイラ先生」「続ミイラ先生」-聖白バラ女学院の地下には、かつて幕府に迫害された修道女・アンヌのミイラが安置されていた。だが雨漏りの水によりミイラが復活し、絵美子たちの担任・葉山先生と入れ替わってしまう。葉山先生に成りすましたミイラは美しい絵美子の血を吸い、若さを取り戻そうとたくらむ。雪山の別荘へ絵美子たちを旅行に誘い、正体を現したミイラに襲われる絵美子たち。絶体絶命のピンチの中、葉山先生を慕う田中先生が現れて…

 「雪山とミイラ」という珍しいシチュエーションがなかなかの迫力。学校、自宅、工事現場と、しつこく襲撃してくるミイラがとにかくパワフルで、勢い重視ながらその“勢い”が最初から最後まで持続するB級傑作。

 

 「ロマンスの薬」「ロマンスの薬2」-花小路春名のクラスに絶世の美少年・小野たかしが転校してきた。春名を含めた女子生徒たちは、たかしをボーイフレンドにしようと大騒ぎ。そんな中、春名はおばあちゃんが蔵の中にしまい込んでいた「ほれ薬」を発見する。この薬を好きな人といっしょに1粒ずつ飲めば、たちまち恋が叶うのだという。薬を使ってたかしと恋仲になろうとする春名だったが、その様子はクラスのチュー子に見られてしまっていた。翌日、チュー子の情報を聞いた女子たちは、春名から取り上げたほれ薬をいっせいに飲んでしまうが、それは春名がすり替えていた下剤だった。体育の授業が大惨事になる中、春名はたかしにこっそり近づいて後ろからブン殴り、むりやり薬を飲ませようとするが…!?

 ほれ薬を巡って巻き起こるドタバタ学園ギャグ。主人公の春名がかなりメチャクチャな人間で、ライバルになる秋子もやることがけっこう卑劣だったりする。最後は春名と秋子で「おシリひっぱたき対決」を行うものの、お互いのおシリを378回ブッ叩いたあげく、決着がつかず引き分けとなる。果たして、たかしが最終的にガールフレンドとして選んだのは…? 面白いか面白くないかで言えば相当面白いのだが、これを「こわい本」シリーズに入れるのはちょっと違うのではという気がどうしてもしてしまう。

★★★(3.0)

 

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