『TURN 東京駅おもてうら交番・堀北恵平』
内藤了/2020年/352ページ
生活安全課に研修先を移した新人女性警察官・恵平は、見回り活動中に郊外から来た女子中学生たちと出会う。急な生理で動けなくなった少女を助け、役に立てたと喜ぶ恵平。しかし数時間後、少女が出血多量で死亡して……。中学生の間に根を張り、妊娠をなかったことにする闇深いシステムとは? 一方、「うら交番」の情報を集める青年刑事・平野は、交番を訪ねた警察関係者が全員1年以内に死んでいると気づく。死の災いが恵平を襲うシリーズ第4弾。
(裏表紙解説文より)
生活安全課で研修中の恵平は、池田課長と共に繁華街を見回り中、女子中学生のグループと出会う。急な生理で動けなくなった少女・かなえのために、着替えと連絡先を渡す恵平たち。しかしその数時間後、「かなえが出血多量で亡くなった」という涙ながらの電話を受け、恵平は大きなショックを受ける。友人の優子によれば、かなえの出血は堕胎薬によるもので、その薬は中学生の間で話題の闇サイト「ターンボックス」経由で入手したものだという。
同じ頃、検視官・石上女史から「事故死とされた遺体が実は溺死していた」との連絡が入る。死亡したYouTuber「アナオ」は、泥酔状態でパルクール動画を撮影中に転落死したとされていたが、実際には溺死。辺りに水辺のない工事現場で、いったいなぜ…? アナオの死は殺人事件の可能性が高まっていく。
一方、恵平と先輩刑事の平野は、彼らがたびたび訪れる「東京駅うら交番」にまつわる噂を耳にする。その交番を訪れた者は、1年以内に命を落とすというのだ。やはりあの交番は、この世ならざる場所なのか――。地下道を抜けて再びうら交番にたどり着いた二人は、老警官・柏村の話から「ターンボックス」の恐るべき実態に気づく。そしてこの事件が、アナオの死と関係していることも…。
今巻は「事件の新事実が次々と明かされる」タイプの展開ではなく、比較的スローペースで物語が進み、最終章で一気に加速する構成。その代わりに「うら交番」に関する情報がいろいろと明らかになるほか、死神女子こと石上妙子の再登場、さらには壮大な組織の影も見えてくるなど、世界観の深掘りが中心となっている。
ターンボックスは「都合の悪いことをなかったことにしてくれる」というサイトで、事件の真相は過去最大級にヤバかったりする。あくまで研修中の身である恵平にできることは限られているのだが、それでもベストを尽くそうとする姿勢は良い。本当に応援したくなる主人公だ。
★★★☆(3.5)

