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詐欺師の霊に逆霊感商法で勝負! 順当に強敵が出てくるバトル展開な第2巻-『幽霊詐欺師ミチヲ 招かざる紳士淑女たち』

『幽霊詐欺師ミチヲ 招かざる紳士淑女たち』

黒史郎/2011年/248ページ

今晩、寝室に次々と女(幽霊)がやって来る。お前は彼女たちを抱きしめ、一人残らず昇天させてやるんだよ―図らずも幽霊詐欺師の道を歩き始めたミチヲは、怪しげなホテルで出会った謎のイケメン・サカキに恐怖の「幽霊夜這いゲーム」を仕掛けられる。サカキに寝とられた最愛(!?)の幽霊マミコを取り戻すため、ミチヲはやむなくゲームに挑むことになるが…かくしてミチヲの最悪の一夜が幕を開ける!シリーズ戦慄の第2弾。

(「BOOK」データベースより)

 

 前作から比べると一気にギャグ方面に舵を切った印象。幽霊を詐欺でカモって金品を巻き上げるミチヲたちと対称的なライバルとして、幽霊を遊び感覚で消滅させたり売り物にしたりする一派が登場。最悪な連中に思えるが、ライバルたちは「死人に大切な人を殺されている」という大義名分があるので、いろいろ加味したうえでどっこいどっこいのライバルと言えよう。詐欺は詐欺でヒドいので。

「神のいる町」-教祖として多数の信者から神格化されていた霊・ツクヨミに対して、こともあろうに霊感商法を仕掛けることになったミチヲ。その辺で拾ったツボを5億で売りつけようとするが、さすがにツクヨミは手ごわく、自分のほうが丸め込まれて首を吊りそうになるのであった。人心掌握術に長けた霊に詐欺勝負で勝てるのか!?
「招かざる客」-ミチヲの雇い主・カタリが「最低最悪」と称する一派、ミシェルたちがロンドンから来日。ミシェルの配下、サカキにマミコ(ミチヲに憑いている悪霊)を寝取られてしまったミチヲは、霊を片っ端から昇天させる幽霊夜這いゲームに挑戦させられることになるのであった。

 出てくる霊の見た目がヤバいだけでまったく怖くはないが、唯一無二の題材の面白さで読ませてくれる。好シリーズである。

★★★(3.0)

 

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