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魔女、錬金術、秘密結社、呪術。ホラー&オカルトの基礎教養が満載の必携書-『黒魔術白魔術』

『黒魔術白魔術』

桐生操/1995年/259ページ

大災害や大事件がひんぱんに発生する世紀末のいま、世界は明らかに大変動をきたしているといえよう。その暗黒世界に対応するには、世界史上“裏の学問”として迫害され続けてきたオカルトの世界を、正しく理解する必要がある。黒魔術、悪魔礼拝、錬金術や呪い、秘密結社など、危険な知識の数々を、秘密のベールをはがし、いまここにご紹介しよう。

(Amazon解説文より)

 

 魔術や呪いについての歴史を学べる必携書。ホラーを楽しむうえで、基礎教養と言ってもいいほどのおなじみのネタが詰まっている。

 「魔術と魔女狩り」の章では魔術が人々とどう関わって来たかという大まかな歴史を解説する。16-17世紀のヨーロッパで行われた凄惨な魔女狩りについてはもちろん、魔女、ゴーレム、夢魔(インキュバス、サキュバス)についても触れられている。

 「秘密結社」の章では薔薇十字団、ブードゥー教、テンプル騎士団などについて、「錬金術」の章ではファウスト博士やサン・ジェルマンについて、いずれも名前だけはなんとなく聞いたことがあるような有名どころについて述べられている。「黒魔術の呪い」の章ではロウ人形や生贄などを用いた呪術の具体的なやり方や、現代の黒魔術師についてのエピソードを紹介。「呪われたものたち」の章ではホープのダイヤやツタンカーメンの呪いなど、これまた有名な「呪物」について紹介されている。

 眉唾ものの記述も少なくはないのだが、魔術・秘密結社・呪いといったオカルトは「なぜ、人々がそれを信奉するに至ったか」という部分も含めて面白いのだなあ、と改めて思わされた。魔術のみならず、ホラーについて興味がある人ならうってつけの入門書である。

★★★★(4.0)

 

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