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冒涜的死体損壊オブジェを作成する「ZERO」の正体は…次巻へ続く!-『ZERO 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』

『ZERO 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』

内藤了/2016年/249ページ

新人刑事・藤堂比奈子が里帰り中の長野で幼児の部分遺体が発見される。都内でも同様の事件が起き、関連を調べる比奈子ら「猟奇犯罪捜査班」。複数の幼児の遺体がバラバラにされ、動物の死骸とともに遺棄されていることが分かる。一方、以前比奈子が逮捕した連続殺人鬼・佐藤都夜のもとにある手紙が届いていた。比奈子への復讐心を燃やす彼女は、怖ろしい行動に出て…。新しいタイプのヒロインが大活躍の警察小説、第5弾!

(「BOOK」データベースより)

 

 人気シリーズの第5弾。本書発売時はドラマ化を知らせる帯が巻かれていたりした。映画化された角川ホラー文庫作品はそれなりに多いが、ドラマ化作品は大変珍しい。さて、今回の真犯人は“ZERO”。鳥や猫を殺害し、幼児の死体と組み合わせてクトゥルフ神やギリシャ神話の魔女のオブジェを作成するという、オカルトかぶれの心無きサイコ野郎である。猟奇犯罪捜査班に協力するプロファイラー・中島は、彼が犯罪によってZEROからONEになろうとしている、と指摘する…。

 過去に逮捕された犯人が脱獄したり、その協力者の存在が示唆されたりと、シリーズ作とのつながりが特に深め。また、本書1冊では事件は解決せず、続刊『ONE』と合わせた実質的な前後編となっている。典型的なクリフハンガーで終わるので、本書1冊ではどうにも評価しづらい。登場する死体損壊オブジェはなかなかエグいのだが、ドラマ化記念のせいか直接的な描写は少ない。じゃあヌルくなったのかというとそんなことはないのだが。

★★★(3.0)

 

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