角川ホラー文庫全部読む

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お手本のようにシンプルなデスゲーム。それ以上でもそれ以下でもなし-『出口なし』

『出口なし』

藤ダリオ/2010年/304ページ

完全な密室に拉致された男女5人。机の上には1台のPC。残された酸素は12時間。制限時間までにマスターから出題されるクイズに答え、ゲームに勝ってここから脱出せよ。間違えれば即刻死が待っている―!不条理な極限状況に投げ込まれた男女が難問に挑みながら息詰まる心理戦を繰り広げるサスペンス・ホラー!予測のつかないラストが大きな話題を呼んだ鬼才の鮮烈デビュー作、ついにホラー文庫化。

(「BOOK」データベースより)

 

 拉致されて密室に閉じ込められた男女がクイズを答えて外に出よう! 失敗したら死! という大変わかりやすいデスゲームもの。冒頭でわざわざ『CUBE』の話をしてくれる。親切。
 部屋の中には5人の男女と12時間分の酸素とパソコン。パソコンでは同じように閉じ込められた他の部屋の参加者とチャットができるほか、特定の単語を検索することができる。クイズの内容は「あなたはな~に?」というもの。5人の参加者が全員、それぞれに割り当てられたキーワードを検索すれば成功だが、キーワード以外の言葉を検索するとお仕置きと称して様々な拷問が与えられる。検索成功していないメンバーが拷問で死んでしまうとその時点で詰み、ゲームオーバーとなる。正解のキーワードは「生年」「本名」「結婚歴」などありきたりなものだが、ノーヒントなので実際はかなり難しい。というか、推理もクソもない。他の部屋とのチャットでの騙し合い、足を引っ張る参加者などもいて、フェアとは言い難い状況でゲームが進行する。サクっと読めはするが、まあ「よくある話どすなあ」以外の感想が…。当然ながら、最後まで読んでもデスゲーム主催者の正体も目的も一切わかりません。現在は角川ホラー文庫ではなく、通常の角川文庫から刊行されている。

★★☆(2.5)

 

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