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頼もしくもわかりやすい仲間が続々集合。オーソドックスな異世界冒険譚になったが物足りなさは否めない-『戦争大臣Ⅱ 天鵞絨の死』

『戦争大臣Ⅱ 天鵞絨の死(ベルベット・デス)』

遠藤徹/2011年/269ページ

叛乱組織「蟻」のリーダー、フレイムは寛一の恋人・つみきだった。彼女の一言で自分を取り戻し、現実に戻った寛一。本の世界と呼応するように歪む世界を前にして、寛一はスナークとして黒い本に戻っていく。颯とつみきを取り戻し、世界を元に戻すために。かつて、自分が改造した兵士が刺客として次々と迫る逃避行。その間も戦争大臣の牙は世界をかみ砕いていく。仲間を得たスナークは最後の一手に望みをかけ、反攻作戦を開始する。

(「BOOK」データベースより)

 

 国家Jを裏切ったスナーク(=寛一=吸血博士)は、逃亡の旅へ。その途中、能力を持つ幼い兄妹、腕利きのメカニック、蟲使いの青年といったいかにもな仲間たちと出会ってパーティを組み、獣人たちを人間に戻す薬を開発。情勢は大きく傾こうとしていた…。

 「これは何が起きてるんだ」と翻弄された前巻とは異なり、たいへん分かりやすい異世界冒険モノとなっている。“死天王”をはじめとする相変わらずのセンスが炸裂している一方、グロテスク描写、ホラー描写は控えめで少々物足りなくもある。とは言え、最終巻への期待を持たせるのにじゅうぶんなスピード感と盛り上がりは保たれていると思う。

★★★(3.0)

 

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