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濃いキャラ続出、グロ描写も盛り盛りの猟奇ミステリ。お手本のようなエンタメ作品-『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』

『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』

内藤了/2014年/270ページ

奇妙で凄惨な自死事件が続いた。被害者たちは、かつて自分が行った殺人と同じ手口で命を絶っていく。誰かが彼らを遠隔操作して、自殺に見せかけて殺しているのか?新人刑事の藤堂比奈子らは事件を追うが、捜査の途中でなぜか自死事件の画像がネットに流出してしまう。やがて浮かび上がる未解決の幼女惨殺事件。いったい犯人の目的とは?第21回日本ホラー小説大賞読者賞に輝く新しいタイプのホラーミステリ!

(「BOOK」データベースより)

 

 ドラマ化もされた「藤堂比奈子」シリーズの1作目。今回の真犯人は“スイッチを押す者”。殺人者たちの脳のスイッチを“ON”にすることで、犯した殺人と同じ手口で自らの命を絶つように仕向ける天才的犯罪者である。果たしてその目的と手段は? というか、そもそもそいつは犯罪者なのだろうか?

 超人的な記憶力を持ち、あらゆる猟奇犯罪のデータを脳内にインプットしている主人公・藤堂をはじめ、キャラクター性の濃い登場人物が続々登場する人気シリーズ。真犯人については半分も読み進めないうちに察しが付くものの(メタ的にも現場の状況からも明らか過ぎる)、ガチの推理ものではないのであまり気にならない。全体的に漫画チックではあるものの猟奇惨殺シーンはそれなりにエグく、これぞ娯楽作といった仕上がり。

★★★☆(3.5)

 

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