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主人公の二重人格設定を人物紹介ページで明かす潔さ。登場人物全員クズ! 勝手に戦え!-『私の友達7人の中に、殺人鬼がいます。』

『私の友達7人の中に、殺人鬼がいます。』

日向奈くらら/2020年/256ページ

某県の山麓に集まった少年少女7人。彼らには差出人不明のメールが届いていた。山に登れば、1年前の死の真相がわかるという。7人の脳裏にあの日の悪夢が甦る。仲良しの8人で、受験勉強の気分転換に登山をしたのだが、1人が行方不明に…。残された7人は疑われ、誹謗中傷を浴びた。陰惨な記憶を振り払い山を登る7人。翌朝、山小屋で目覚めた彼らが見たのは、物干し竿で貫かれ、焚き火で丸焼きにされた死体だった―。

(「BOOK」データベースより)

 

 主人公が二重人格者、という設定を序盤というか冒頭のキャラ説明で明かすという掟破りをやっているが、それが有効に働いておらずなんの意外性も生み出していない。「実は死んでなかった!」という展開が続くのもダレるし、登場人物が全員クズなので誰が死んでもいいやという気にさせられる。強引なあらすじだけ書かれた台本を若い演者に渡して「セリフはアドリブでヨロシク!」と放り投げた低予算邦画みたいな雰囲気を感じる。すべてが予想内か予想未満で終わる、なんとも読み応えのない一冊。

★★(2.0)

 

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