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現在ではやや視聴困難なドラマ版の雰囲気をじゅうぶん味わえる、バラエティ豊かな怪獣ノベライズ-『ウルトラQ dark fantasy』

『ウルトラQ dark fantasy』

梅津裕一、岩佐まもる、長谷敏司、相坂きいろ/原作脚本:武井彩、上原正三、村井さだゆき、太田愛/2004年/265ページ

憧れのマイホームを手に入れた主婦・加代子だったが、街のいたるところに書かれた“らくがき”に悩まされていた。消しても消しても翌日には再び現れる奇妙ならくがきは、いつしか加代子の家の中にまで現れて―「らくがき」。ほか、異星人との不思議な交流を描く「ウニトローダの恩返し」、失踪した人間たちの行き着く先は?「楽園行き」、連続変死事件の鍵を握る黒頭巾の男の目的とは!?「送り火」。あなたをアンバランスな世界へ導く4つの物語。大人気ドラマが完全ノベライズで登場。

(「BOOK」データベースより)

 

 ウルトラサブスクでは配信が難しいと思われる『ウルトラQ dark fantasy』のノベライズ。ホラーとして見れば長谷敏司「楽園行き」が群を抜いた出来。まずテレビシリーズではできないグロテスク描写が○。太田愛脚本をBLライトノベル作家が手がけた「送り火」はいっぷう変わった爽やかな読後感で、アンソロジーならではのバラエティの豊かさを感じられる。「らくがき」は世にも奇妙テイストがいちばん濃厚、「ウニトローダの恩返し」はちょっと変わった怪獣小説として読める。原作のテレビドラマ版をまだ観られていないのだが、全作それなりに楽しめた。なんとか原作配信してくれ。

★★★(3.0)

 

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