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『指先の戦慄』 新津きよみ/2010年/288ページ 萌子は、かつて夫だった男と待ち合わせをしていた。折り入って相談があるというのだ。萌子の親友と不倫関係になり、やがて彼女を捨てて親友と結婚した男は、弱りはてた様子で、一度妻と会ってくれないかと持ち…
『ママに捧げる殺人』 和田はつ子/2004年/220ページ 女子大生の愛奈は、家事をこなし、家族の面倒を見る真面目な学生と思われていた。だが、彼女自身は母親に厳しい監視を受けていた。下着からアクセサリー、スカートや化粧品まで、愛奈の身につけるものは…
『現代百物語 不実』 岩井志麻子/2017年/224ページ 「自殺した彼女の人生を代わりに生きています」――滔々と壮絶な体験を語る作家志望の女。傷害事件にまで発展した気まぐれの作り話。芸人が体験した3つの謎と符合する実際の陰惨な話。息を吐くように嘘を…
『卒業』 吉村達也/2002年/180ページ 高校卒業の日、積年の怨みを自殺という形であてつけようと、伊豆山中に死に場を求めた神保康明は、そこで奇妙な老人と少女に会う。「二十年後を待て」それが老人の放ったメッセージ。死を思いとどまった康明は、やがて…
『黒鷺死体宅配便 5』 原作:大塚英志、漫画:山崎峰水/2009年/174ページ 死体専門のダウジング能力を持つ沼田真古人は、幼いころ、その技術を教えてもらった師匠と再会を果たす。しかしそれは悲しい別れの始まりだった――!? “お届け物は死体です”。死んだ…
『黒鷺死体宅配便 4』 原作:大塚英志、漫画:山崎峰水/2009年/218ページ あいかわらず仕事に恵まれない「黒鷺死体宅配便」のメンバーたちは、村起こしを目的としたミステリーサークル作りのアルバイトをしていた。偶然にもこの村には、40年ほど前に墜落し…
『黒鷺死体宅配便 3』 原作:大塚英志、漫画:山崎峰水/2008年/188ページ 「頼む、カラダを戻してくれ」……死体からしか聞こえないはずの声が、死ぬ間際のホームレスから聞こえてきた。壊死した腎臓が病院で摘出され、ホームレスは息を引き取った。声はどう…
『現代百物語 因果』 岩井志麻子/2016年/209ページ ダイヤが原因で滅びてしまった一家。夫が妻に語ったある夏の出来事。後輩に対して威圧的な振舞いを続けた男の末路。混線した電話から小さく聞こえる誰かの会話。欲望に支配された人の心の闇は深い。その…
『黒鷺死体宅配便 2』 原作:大塚英志、漫画:山崎峰水/2008年/218ページ 死体の声を聞き、その依頼に応じて報酬を得る黒鷺死体宅配便。手違いから死刑囚の死体を手に入れた唐津。その死体の望みは、殺してしまった一家の、生き残った子供に会って謝ること…
『黒鷺死体宅配便 1』 原作:大塚英志、漫画:山崎峰水/2006年/253ページ 死体の声を聞くイタコ、死体を探すダウジング、死体修復のエンバーミング、情報収集のハッキング、宇宙人と交信するチャネリング。それぞれ特技をもった仏教大学の学生5人が作った…
『夏合宿』 瀬川ことび/2001年/206ページ 中学二年生の俊輔は、たったひとりで剣道部の合宿へむかうところだった。夏期講習に参加したため、みんなと一緒に出発できなかったのである。合宿先は毎年恒例の、貸し別荘が点在する避暑地だったが、剣道部が借り…
『現代百物語 妄執』 岩井志麻子/2015年/224ページ 刑務所で病に伏せる罪人に高額な医療費を送りつける逆・死神。古書店で入手した一般人の日記帳に綴られた壮絶な書き込み。ファンから著者に贈られた鍵と簡素な地図。女性ライターの股間に憑いたインチキ…
『恋愛禁止』 長江俊和/2023年/256ページ 瑞帆の前に現れた3人の男――。1人は、ある時期、彼女の世界の中心だった。だが、いつしか愛情は憎しみに変わり、口論の末、彼を衝動的に殺してしまう。発覚を恐れた瑞帆だったが、一向に殺人は露呈しない。そのこ…
『屋根裏の散歩者 江戸川乱歩ベストセレクション③』 江戸川乱歩/2008年/241ページ 世の中の全てに興味を失った男・郷田三郎は、探偵・明智小五郎と知り合ったことで「犯罪」への多大な興味を持つ。彼が見つけた密かな楽しみは、下宿の屋根裏を歩き回り、他…
『心霊写真』 行川渉(著)、パークプム・ウォンプム、バンジョン・ピサンタナクーン(原案)/2006年/158ページ パーティの帰り、道を横切る女を車で撥ねてしまった、カメラマンのタンと恋人のジェーン。恐怖に駆られ、動かぬ人影を残し、二人はそのまま走り去…
『BACK 猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子』 内藤了/2016年/288ページ 12月25日未明、都心の病院で大量殺人が発生との報が入った。死傷者多数で院内は停電。現場に急行した比奈子らは生々しい殺戮現場に息を呑む。そこは特殊な受刑者を入院させるための特別病棟が…
『現代百物語 彼岸』 岩井志麻子/2014年/224ページ 庭にある鳥の巣箱に棲みついた邪悪な目。絶対に語ってはいけない話。聞いてはいけない話。書いてもいけない話。こちらが生きていることに気付かない、死者。霊を届ける女、受け取る男。「真っ黄色のワン…
『ステーシー』 原作:大槻ケンヂ、漫画:長田ノオト/2001年/182ページ ――近未来。一五歳から一七歳の少女が原因不明の死をとげ、人間を襲う屍体となって蘇る現象が世界中で蔓延していた。彼女らは“ステーシー”と呼ばれ……。大槻ケンヂ入魂の純愛ホラー小説…
『殺人勤務医』 大石圭/2002年/308ページ 中絶の専門医である古河は、柔らかい物腰と甘いマスクで周りから多くの人望を集めていた。しかし彼の価値観は、母親から幼いころに受けた虐待によって、大きく歪んでいた。食べ物を大切にしなかった女、鯉の泳ぐ池…
『夜』 赤川次郎/1997年/297ページ 突如襲った激しい大地震。住民が「町」と呼んでいる新興住宅地の道路が遮断され、十五軒の家が完全に孤立した。日が暮れ、月も星もない完全な闇が町を支配する。閉鎖された極限状況の中で、人々の精神は少しずつ狂い始め…
『悪夢十夜 現代ホラー傑作選第4集』 夏樹静子(編)/1993年/322ページ 闇夜をますます深くする十の悪夢。古今の名作の中から選びぬかれた、逸品揃いの恐怖小説集。 収録作品 赤川次郎「私だけの境界線」 江戸川乱歩「恐ろしき錯誤」 木々高太郎「文学少女」 小池…
『心臓狩り ③異形の領域』 梅原克文/2011年/281ページ 雅之と同じく、移植によって“シャーマン”となった秀人は、人間の心臓からその記憶や特技を吸収するという禁忌の行為を繰り返す存在―“羅刹”と化し、さらなる力を得ようと、同じ一族の舞や玲子に襲いか…
『奇談』 行川渉(著)、諸星大二郎(原作)/2005年/155ページ 子供の頃に神隠しにあった大学院生・佐伯里美。しかし、彼女にはその頃の記憶がない。失われた記憶を求めて東北の「隠れキリシタンの里」を訪ねた彼女は、異端の考古学者・稗田礼二郎と出会う。十…
『心臓狩り ②シャーマンの一族』 梅原克文/2011年/289ページ 心臓移植により、臓器提供者の記憶だけでなく、手首の長掌筋腱が体外に飛び出し、“触手”や“刀”に変化する謎の力まで受け継いでしまった雅之。事態の真相を知るべくドナーの正体を探った雅之は、…
『現代百物語 殺意』 岩井志麻子/2013年/224ページ 不思議な偶然が繰り返される女。いつの間にか入れ替わってしまった噂話。淫猥な生霊。延々と食べ続ける女。歪んだ正義感に駆られた人々の暴走。風に乗って窓から入ってくる「死んじゃえば?」というささや…
『のろわれた手術(オペ) ~手塚治虫怪奇アンソロジー~』 手塚治虫/1995年(復刊:2023年)/362ページ ブラック・ジャックの奇跡の手が、千五百年前のミイラの呪いを解く「のろわれた手術」、子馬と引き離されキズつき、人間への復讐にもえ妖怪となった「妖馬…
『心臓狩り ①移植された悪夢』 梅原克文/2011年/295ページ 難病を発症し心臓移植を受けることになった堤雅之。手術は無事成功するが、すぐに雅之は奇怪な現象に悩まされ始める。嗜好の急激な変化、左足を引きずる癖、手首の異常な痒み、そして何者かに殺さ…
『怪談撲滅委員会 死人に口無し』 黒史郎/2015年/274ページ 深夜の学校で行われる葬式。“参列者”の中に迷い込んだ生徒が行列の末に棺を覗くと、そこには友達の遺体が。数日後、葬式は現実になるという―。「怪談撲滅委員会」に加入した澪と雲英が次に撲滅を…
『業苦 忌まわ昔(弐)』 岩井志麻子/2020年/208ページ 志を立て腹に宿った釈迦如来。親子の情が通じない無情なあの世。色男を焦がれ死にさせた冷酷な美女。妻に追い立てられて老いた姨母を山に捨てた夫―。これは昔か現代か。それは夢か現か幻か。過去を語る…
『水妖記』 岸田理生/1993年/315ページ 吸血の歓びを体に刻んだ女。魔縄で女を犬にかえる男。石棒に犯され孕む女。淫らな血の匂いが、男と女を官能の地獄絵図へと誘い込んでゆく。演劇界の異才、岸田理生が倒錯と恐怖の中で暴かれてゆく人間の本性を描いた…