角川ホラー文庫全部読む

全部読めるといいですね。おすすめ作品等はリストから

中年男が花の妖精たちとガーデニング生活。どこがホラーなの???-『ホワイトハウス』

『ホワイトハウス』 景山民夫/1997年/202ページ ルポライターの斉木は小説家への転進を決意し、那須の山荘に移り住んだ。渓流と広葉樹に囲まれた白壁の洋館。広いサンルームとブルーベリーが生け垣を作る庭は大きな魅力だ。園芸店の女店員のアドバイスを受…

「忘れたい痛み」と「忘れられた痛み」がすれ違うノスタルジックホラー-『記憶屋』

『記憶屋』 織守きょうや/2015年/304ページ 大学生の遼一は、想いを寄せる先輩・杏子の夜道恐怖症を一緒に治そうとしていた。だが杏子は、忘れたい記憶を消してくれるという都市伝説の怪人「記憶屋」を探しに行き、トラウマと共に遼一のことも忘れてしまう…

得体の知れない存在が潜む蔵で始まる‟ひとり百物語”。シリーズを補完するボーナストラック-『拝み屋怪談 幽魂の蔵』

『拝み屋怪談 幽魂の蔵』 郷内心瞳/2020年/288ページ 不穏な漆黒に支配された闇の中、私は心の中で孤独な怪談語りを始めたー。古い母屋を改築した歪な蔵に現れるという“得体の知れないお化け”。お祓いと原因究明を依頼された拝み屋である著者は、「蔵の怪…

ミッドサマーに起きた猟奇殺人事件と、女子高に潜むカルトの恐るべき真相-『聖女の肉』

『聖女の肉』 和田はつ子/2007年/215ページ ミドサマー・イヴに起きた第一の殺人。首を切断され、逆さに吊された少女の胃の中から中世ヨーロッパの祭典でよく飲まれた祝杯ラムズ・ウールの原料が発見された。第二の殺人では、死体の前に聖スウィズンを奉る…

恐ろしき妖術師に物悲しき奇術師、読者を惑わす作家という魔術師たちの饗宴-『魔術師 異形アンソロジー タロット・ボックスⅡ』

『魔術師 異形アンソロジー タロット・ボックスⅡ』 井上雅彦(編)/2001年/419ページ たった今、貴方は絵札を引き当てた。これは〈魔術師〉の絵札……。と、そう言って、「博士」は、長い指で、一枚を宙に翳す。アルカナ・ナンバー「Ⅰ」、これがすべての魔術の始ま…

B級、そしてエロチック。荒唐無稽なパルプホラーが集う驚異の部屋-『デス・ルーム』

『デス・ルーム』 行川渉(著)、デニス・バルトーク(原案)/2009年/184ページ 封印され、行方知れずとなった伝説の恐怖映画『ヒステリア』…。撮影された、通称「DEAD HOUSE」と呼ばれるセットは、まだウルトラ・スタジオのどこかに実在しているとい…

新婚家庭のベッドの下で、息を潜める純情ストーカー独り。想い人をDV被害から救えるのは…-『アンダー・ユア・ベッド』

『アンダー・ユア・ベッド』 大石圭/2001年/320ページ ある雨の降る晩。突然、僕は佐々木千尋を思い出した。19歳だった彼女と僕がテーブルに向き合ってコーヒーを飲んだこと。彼女の亜麻色の髪、腋の下の柔らかそうな肉、八重歯、透けて見えたブラジャー…

予言者、洗脳者、念動力者襲来! 苦悩の旅はサイキックバトルと化す-『NIGHT HEAD/邂逅』

『NIGHT HEAD/邂逅』 飯田譲治/2000年/510ページ サイコキネシス能力を持つ兄・直人とリーディング能力を備えた弟・直也は、隔離されていた超能力研究所から外の世界へと脱出した。しかし、彼らは運命の歯車の中に放り出されてしまったのだ。平成のノスト…

脳をえぐり肉を削ぐ、猟奇食人鬼の正体を文化人類学でプロファイリング!-『多重人格殺人』

『多重人格殺人(サイコキラー)』 和田はつ子/1996年/237ページ 次々と発見される女性と幼女の死体。その頭からは、脳がえぐり出され、肉がそぎ取られていた。警視庁捜査一課の女刑事水野薫は、犯行の異常性から、民間の文化人類学者と組んで、犯人の心理分…

著者らしいファンタジックなホラーに加え、ショートショートにSF、実話怪談と幅広く収録-『白昼夢の森の少女』

『白昼夢の森の少女』 恒川光太郎/2022年/336ページ 異才が10年の間に書き紡いだ、危うい魅力に満ちた10の白昼夢。人間の身体を侵食していく植物が町を覆い尽くしたその先とは(「白昼夢の森の少女」)。巨大な船に乗り込んだ者は、歳をとらず、時空を超えて…

死から蘇った司祭はキリストの再来か。完全無欠な‟奇跡”の真実は…?-『バチカン奇跡調査官 千年王国のしらべ』

『バチカン奇跡調査官 千年王国のしらべ』 藤木稟/2011年/416ページ 奇跡調査官・平賀とロベルトのもとに、バルカン半島のルノア共和国から調査依頼が舞いこむ。聖人の生まれ変わりと噂される若き司祭・アントニウスが、多くの重病人を奇跡の力で治癒した…

級友たちの不審死は殺人鬼の呪い? トンデモすれすれの超展開ミステリ-『レスト・イン・ピース 6番目の殺人鬼』

『レスト・イン・ピース 6番目の殺人鬼』 雪富千晶紀/2018年/368ページ これは〈殺人館〉の呪いなのか? 予想を覆す衝撃のラストに瞠目せよ! 大学生の友哉は、中学の同窓会に参加することに。しかし集まったメンバー達は、一様に何かに怯えていた。そんな中…

恐怖新聞の予言に抗う男がたどり着く、絶望を超えた無限の絶望!-『予言 J-HORROR THEATER』

『予言 J-HORROR THEATER』 林巧(原作:つのだじろう『恐怖新聞』)/2004年/234ページ J HORROR は、ついにここまで到達した!娘の死を予言する新聞を目にした男。それが現実になった日から想像を超えた悪夢がはじまる。念写を行う霊能力者や特殊能力をもつ…

犯罪者への強烈な怒りが、後戻りできないスイッチをONにする。犯人目線で1作目を描くスピンオフ-『OFF 猟奇犯罪分析官・中島保』

『OFF 猟奇犯罪分析官・中島保』 内藤了/2020年/352ページ 見習いカウンセラーの中島保は、殺人者の脳に働きかけて犯行を抑制する「スイッチ」の開発を進めていた。殺人への欲望を強制的に痛みへ変換する、そんなSFじみた研究のはずが、実験は成功。野放し…