角川ホラー文庫全部読む

全部読めるといいですね。おすすめ作品等はリストから

人肉を喰い荒らす鳥人間! 佐渡に蘇る‟お鳥様”が恐怖と奇跡を呼ぶ-『鳥追い』

『鳥追い』 和田はつ子/2000年/284ページ 食い破られた喉、貪られた臓器、啜られた脳。女子高生の児島虹香はラブホテルで無残な死体となって発見された。しかも死体に残された体液は、未知の生物の物だった。『多重人格殺人』以来の文化人類学者・日下部遼…

最終巻だから全員殺してOK! 拷問特盛り、惨劇のフィナーレに喝采-『アンデッド 拷問教室』

『アンデッド 拷問教室』 福澤徹三/2011年/199ページ 皮を剥ぎ、肉を削り、骨を砕く。独自の倫理観で悪人たちに残虐な拷問を加える連続殺人鬼、玄田道生。そして霊能力を持った女子高生、神山美咲。ふたりの魂が交錯するとき、恐るべき惨劇の幕があがる―。…

前作とは趣向を変えたオカルトミステリ…と思いきや、終盤の展開が予想外過ぎる-『アンデッド 憑霊教室』

『アンデッド 憑霊教室』 福澤徹三/2009年/229ページ 不知火高校のいじめグループ連続殺人事件から3カ月。優等生の美少年・勇貴は、いじめパトロールを始めるが、伊美山では不可解な自殺が続いていた。そんな中、神山美咲のクラスメイトの恵が自殺してしま…

いじめられっ子に殺人鬼が取り憑き拷問復讐。不良グループがケバブと化す!-『アンデッド』

『アンデッド』 福澤徹三/2008年/222ページ おまえの怨みを晴らしてやろう。かわりにおまえのからだを貸せ。それは、不死者からの恐怖の呼び声だった―。不知火高校で起こる凄惨な連続殺人事件。被害者は全員、同じ不良グループに属しており、殺される前に…

“造られた神”を殺せるか? 虚と実を揺蕩う新世代実話怪談、ここに完結-『拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陽〉』

『拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陽〉』 郷内心瞳/2019年/304ページ 高鳥千草の元夫、謙二から娘に亡き妻が憑いたと相談を受けた拝み屋の著者は、さっそく原因の解明に動き出す。その過程で拝み屋の深町と桔梗、占い師の小夜歌、そして霊能師の美琴と浅から…

拝み屋オールスターVS怨念と因縁深き‟壊れた家”! シリーズ最終章前編-『拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陰〉』

『拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陰〉』 郷内心瞳/2019年/288ページ 昔、ある人が言った。呪いや祟りに期限など存在しないと。またある時、別の人がこう言った。人は自らの意思で、願いで、欲望で、神を造りあげることができるのだと――。10月半ば、拝み屋を…

猛吹雪に覆われ孤立する高層ビル! 殺人鬼から逃れる唯一の脱出路とは?-『マンハッタン魔の北壁』

『マンハッタン魔の北壁』 ディーン・R・クーンツ/1993年/365ページ 女の喉から血がほとばしる。ナイフがむきだしの乳房の間に突き刺さる――グレアム・ハリスは鮮明にその映像を見た。かつては世界的な登山家だったグレアムは、転落事故のショックで透視力…

愚かに、そして必死に生きる人々を捕らえ食らい尽くす社会福祉の闇-『捕食』

『捕食』 渡辺球/2011年/371ページ 就職活動に失敗し、レストランの契約社員として働く輝は、ある日、年下の上司からカードスキミングを指示される。解雇を恐れ、心を無にしてそれを実行するが、愛人の雪と来店した常連客・黒川に見破られてしまう。罪を着…

真実も、言葉にすれば野暮になる。夢うつつの怪談奇談集-『妖し語り 備前風呂屋怪談2』

『妖し語り 備前風呂屋怪談2』 岩井志麻子/2012年/240ページ 本物の天女ではとも囁かれる妖しき美貌の湯女・お藤。その巧みな語りの噂を聞きつけて、和気湯には様々な客が訪れる。珍しい女客とは、頭の形が異様な人形を作り続ける母と不気味な観音像の話を…

あまりに大味なうえ赤ずきん関係ない呪い話だが、意地の悪いエピローグは最高-『赤ずきん』

『赤ずきん』 吉村達也/2010年/352ページ 女子大生の夕紀は、ある日突然頭の中に響く声を聞いた。それはひとりの女の子の家庭教師をしろという命令。訪れた一軒家には常軌を逸した姿の赤ずきんが待っていた!そして夕紀に襲いかかる数々の幻影。だが、それ…

人気作家集合のお祭り感と、最悪の読後感を両立するアンソロジー-『二十の悪夢』

『二十の悪夢 角川ホラー文庫創刊20周年記念アンソロジー』 小林泰三、恒川光太郎、藤木稟、朱川湊人、岩井志麻子、平山夢明/2013年/253ページ あらゆる恐怖を生み出し続けてきた角川ホラー文庫の創刊20周年を祝し、ホラーの名手たちが集結。“20”が導く新…

ここ30年の現代ホラーを象徴するかのような、バラエティに富んだ恐怖が揃う!-『七つのカップ 現代ホラー小説傑作集』

『七つのカップ 現代ホラー小説傑作集』 朝宮運河(編)/2023年/320ページ 現代ホラー小説30年の至宝を一挙収録。新世紀ホラーシーンへ! 『影牢 現代ホラー小説傑作集』に続く2010年代を中心に発表された傑作ホラー短編7選。小野不由美の“営繕かるかや怪異譚…

愉しませる以上に怖がらせることに注力した、本格志向のホラーが揃う!-『影牢 現代ホラー小説傑作集』

『影牢 現代ホラー小説傑作集』 朝宮運河(編)/2023年/336ページ ホラー界をリードする作家らの代表作ばかりを収録したオールタイムベスト 『七つのカップ 現代ホラー小説傑作集』と対をなす傑作ホラー短編8選。大都会の暗い水の不気味さを描く鈴木光司の「…

B級テイスト特盛ながら、異様な完成度を誇る驚愕の4編-『肉食屋敷』

『肉食屋敷』 小林泰三/2000年(復刊:2023年)/240ページ 異星からの遺伝子が、すべてを食い尽くす。 邪悪を極めた第3作品集! 「山の頂上にドラム缶を積んだトラックが放置されているので対処して欲しい」村民からの苦情を受けた村役場勤務の“わたし”は、現…